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第40話
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「お母様どうか無事でいてください」
瓦礫の散乱した広大な庭を見ながらセリーヌは大好きな母の安否を心配していた。公爵家は優秀な私兵組織を有しているので、無事に脱出に成功し今は領地のある地方で幸せに暮らしていると信じることにした。
セリーヌが王都に来た理由は、本当に新聞で読んだような悲惨な状態なのかという事と家族や知り合いの安否を確認するために駆けつけたが、あまりにも痛ましい事実を突きつけられた。
竜の機嫌を損ねたのが始まりで城が崩壊し、その後に魔物の軍勢によって王都は完膚なきまでにボロボロになった。天才的な聖女のステファニーが結界で守っていながらどういうわけか?新聞には疑問視する見解もありました。
「領地に行ってみましょう」
母の顔を見ないと安心ができないので行方を捜すことにした。もし怪我をしていたら自分なら治療も出来る。フレッド王子たちに罠にかけられて追放宣言されたことを家族に話したら、母は庇ってくれたが父には緊張感がないからだと厳しい言葉で冷たく突き放されたが、心根のいいセリーヌは父の事も心配しつづけている。
次の瞬間、セリーヌは何かを察知した様子で顔色が変わる。こちらに人が歩いてくる気配がして身構えるような気持ちになった。竜はセリーヌを愛しているので彼女の身の安全のために様々な能力を与えて、セリーヌは周囲を察知する能力を持ち合わせていた。
「相手は男性で一人ね」
セリーヌは素早く反応すると瓦礫の陰に身を隠し、相手が何者なのかを分析する。今にも崩れそうな建物が並び、地表に亀裂ができているなど歩きにくい地面でも安定した足取りで近づいてくるので、戦闘経験豊富な男だと判断した。
「――アラン?」
その人物は幼馴染で子供の頃から遊んだかけがえのない大切な親友のアランだった。だがステファニーに洗脳されて婚約者のフレッド王子と一緒にセリーヌを追放した頼りなく情けない男でもある。彼は何をしにこの場にやって来たのか?セリーヌはしばらく様子を見てから姿を現そうと考える。
「セリーヌすまない。君の事を信じてあげられなくて……今はこうやって謝る事しかできない……ううう……ううぅぅ……セリーヌ許してくれ……うわああああんっ!!」
公爵邸の崩れた門の脇に立ち止まったアランは、不意によろめいて地に膝をついた。そしてセリーヌに対してひたすら詫びつづけた。ステファニーに操られていたとはいえ、フレッド王子と一緒にセリーヌに無実の罪を着せで糾弾し結果的に追放し国が崩壊した。竜からセリーヌが縁の下の力持ちで、本当に国を守っていた女性だと聞かされて目が覚めたのだ。
現在アランは生き残った人たちと近くの洞窟で生活していた。あの日、早く安全な場所へ避難しようとパニックになっていた人々を連れて建物の地下に緊急避難した。ほとんど逃げ遅れて数多くの人々が命を落とした痛ましいものでした。
セリーヌを虐げた事に竜は怒り狂って口から炎を吐いて暴れて怒りをぶつけた。それによって国の兵は壊滅し魔物の軍勢と戦う兵力は残されていなかった。彼は親友だったセリーヌの公爵邸の敷地に赴き、謝罪の言葉を口にすることが日々の日課みたいになっていた。
*****
新作「本当に僕の子供なのか検査して調べたい」子供と顔が似てないと責められ離婚と多額の慰謝料を請求された。」を投稿しました。ご協力のほどよろしくお願い申し上げます。
瓦礫の散乱した広大な庭を見ながらセリーヌは大好きな母の安否を心配していた。公爵家は優秀な私兵組織を有しているので、無事に脱出に成功し今は領地のある地方で幸せに暮らしていると信じることにした。
セリーヌが王都に来た理由は、本当に新聞で読んだような悲惨な状態なのかという事と家族や知り合いの安否を確認するために駆けつけたが、あまりにも痛ましい事実を突きつけられた。
竜の機嫌を損ねたのが始まりで城が崩壊し、その後に魔物の軍勢によって王都は完膚なきまでにボロボロになった。天才的な聖女のステファニーが結界で守っていながらどういうわけか?新聞には疑問視する見解もありました。
「領地に行ってみましょう」
母の顔を見ないと安心ができないので行方を捜すことにした。もし怪我をしていたら自分なら治療も出来る。フレッド王子たちに罠にかけられて追放宣言されたことを家族に話したら、母は庇ってくれたが父には緊張感がないからだと厳しい言葉で冷たく突き放されたが、心根のいいセリーヌは父の事も心配しつづけている。
次の瞬間、セリーヌは何かを察知した様子で顔色が変わる。こちらに人が歩いてくる気配がして身構えるような気持ちになった。竜はセリーヌを愛しているので彼女の身の安全のために様々な能力を与えて、セリーヌは周囲を察知する能力を持ち合わせていた。
「相手は男性で一人ね」
セリーヌは素早く反応すると瓦礫の陰に身を隠し、相手が何者なのかを分析する。今にも崩れそうな建物が並び、地表に亀裂ができているなど歩きにくい地面でも安定した足取りで近づいてくるので、戦闘経験豊富な男だと判断した。
「――アラン?」
その人物は幼馴染で子供の頃から遊んだかけがえのない大切な親友のアランだった。だがステファニーに洗脳されて婚約者のフレッド王子と一緒にセリーヌを追放した頼りなく情けない男でもある。彼は何をしにこの場にやって来たのか?セリーヌはしばらく様子を見てから姿を現そうと考える。
「セリーヌすまない。君の事を信じてあげられなくて……今はこうやって謝る事しかできない……ううう……ううぅぅ……セリーヌ許してくれ……うわああああんっ!!」
公爵邸の崩れた門の脇に立ち止まったアランは、不意によろめいて地に膝をついた。そしてセリーヌに対してひたすら詫びつづけた。ステファニーに操られていたとはいえ、フレッド王子と一緒にセリーヌに無実の罪を着せで糾弾し結果的に追放し国が崩壊した。竜からセリーヌが縁の下の力持ちで、本当に国を守っていた女性だと聞かされて目が覚めたのだ。
現在アランは生き残った人たちと近くの洞窟で生活していた。あの日、早く安全な場所へ避難しようとパニックになっていた人々を連れて建物の地下に緊急避難した。ほとんど逃げ遅れて数多くの人々が命を落とした痛ましいものでした。
セリーヌを虐げた事に竜は怒り狂って口から炎を吐いて暴れて怒りをぶつけた。それによって国の兵は壊滅し魔物の軍勢と戦う兵力は残されていなかった。彼は親友だったセリーヌの公爵邸の敷地に赴き、謝罪の言葉を口にすることが日々の日課みたいになっていた。
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