浮気した婚約者を振ったが彼が毎日私に復縁を迫り愛の告白をしてくる〜人妻と不倫して妊娠がわかり彼を捨てた〜彼は結婚して借金地獄で人妻を虐待する

第8話

その間も妻の泣き叫ぶ声がして、両親が妻に痛烈な批判を浴びせる声が聞こえてくる。

「お前は何を考えているんだ！　自分が恥ずかしいと思わないのか！」
「フローレンス今ならまだぎりぎり間に合うわ！　今から浮気相手と別れなさい！」
「それだけは絶対に死んでもできない！」

バチンッ！　強烈な音がした。妻の母親がフローレンスの頬を叩いたのだ。

「チャーリーさんに誠心誠意詫びて許してもらいなさい！　それが今あなたのするべき事よ！」
「そうだぞフローレンス！　私達のかわいい孫でもあるお前の子供はどうするつもりだ？」
「彼のために捨てます……」

バチンッ！　また肌が激しくぶつかり合う音が響いた。両親にほっぺを引っぱたかれたのだろう。

だが再三にわたって説得していた妻の両親も娘の一言を聞いて思わず絶句する。

「私は今彼の子供がお腹にいるから……だから今の子供はいらない！　必要ないの！」

しばらく呆れてものが言えなっていた妻の両親が口を切り出す。

「お前をこんな風に育てた覚えはない！」
「お父さんの言う通りよ！　私も許せない！」
「別に許してほしいなんて言わないよ……」
「夫のチャーリー君に申し訳ないと思わないのか！」
「彼と結婚できるなら旦那のことなんかどうでもいい！」

バチンッ！　また顔の頬の辺りを手で叩かれる。

「フローレンス！　お前は永遠に絶縁だ！　二度と娘だとは思わない！　わかったか！」
「…彼と一緒になれるならむしろ嬉しいくらいです！」
「この馬鹿娘が！」

両親は自分の想いを娘に分かってもらおうと必死に説得しようとしたのだろう。
しかし妻にはその言葉は全く伝わらなかったようだ。

妻と妻の両親の会話は全て私に聞こえる。私への愛情は既に全くないような言葉を口にしていたのにはショックを受けた。

あんなに可愛がっていた私との子供も不倫相手と一緒になるために捨てるという。耳を疑うようなことを平気で抵抗なく喋っている。

私の知っている妻のフローレンスはどこに行ってしまったのだろう？　私は頭を抱えて絶望していた。

バタンッ！　不意に部屋のドアを開ける音がしてフローレンスが出てきた。両親に叩かれて顔全体が真っ赤に腫れて涙を流している。

「あなたごめんなさい。彼の住んでる部屋に行きます。もう二度とこの家には戻りません……」

この日妻は家を出て行った。

妻の両親は「あんな娘などいらない！」と言い私に謝り、私も「あんな妻はいなくても問題ありません！」と平気な顔で宣言する。

その日は3人で一晩中泣き続けた。