浮気した婚約者を振ったが彼が毎日私に復縁を迫り愛の告白をしてくる〜人妻と不倫して妊娠がわかり彼を捨てた〜彼は結婚して借金地獄で人妻を虐待する

佐藤 美奈

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第7話

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怒鳴り声を上げて「それなら離婚してやる!」と言いたい気持ちもあったが、私はまだ妻を愛しているようで踏ん切りが付かずにいる。

普通の夫なら妻を殴って家から追い出しているかもしれない。だけど私にはそれができなかった。

「相手の男は誰だ?」
「……」
「黙っていてもわからないぞ」
「マックスという名前で…」
「その男は何をしている? 仕事は?」
「教師をしています」
「年齢は?」
「25歳と聞いています」
「随分若いな……」

ちなみに私は30歳で妻も同じ年齢で幼馴染。

「お前は若い男の体に溺れてしまったのか?」
「違います!」
「何が違う?」
「彼とは心で繋がっています」
「じゃあまだ体の関係はないのか?」
「…あります」
「口では心とか言ってもやはりそうか」
「お前は淫乱な女だな!」
「すみません……」
「いつからの付き合いだ」
「3ヶ月前に歩いていたら声をかけられて…」
「まさかナンパか?」
「はい……」

私は言葉を失う。ふざけている……。そんな短い付き合いのナンパごときで妻は真実の恋愛などと言っているのか?

私はまだフローレンスの一時的な気の迷いだと思っていた。しかし、体の関係もあると言われて苛立ちを覚える。

「その男とはいつ関係をもったんだ?」
「会ったその日に…」
「ふざけたことを抜かすな!」
「お前はそんな軽い女だったのか?」
「彼がとても話し上手で緊張していた私を和ませてくれて……」
「それですぐに関係をもったのか?」
「はい、彼は顔も私のタイプでした…あなたと違ってイケメンで…」
「呆れたよ。お前は容姿がいい色男にはすぐに股を開く女なんだな」
「彼だけは特別です!」
「その男と話がしたい。もちろんお前の両親にも報告させてもらう!」
「今は待ってください! 父親が心臓を病んでついこの前まで入院していたことはあなたもご存じでしょう?」
「ふざけるな! それなら最初から自分の親に聞かせられないようなことをしたお前の責任だろう」
「あなた、どうかお願いします…まだ両親には言わないでください……」
「うるさい!」
「あと少ししたら私の口からちゃんと両親にも正直に話しますから……」
「もう黙れ! 静かにしていろ!」

私は泣いてすがる妻の頼みを断り妻の両親に連絡した。

翌日の朝、妻の両親が家にやってきてまず私に土下座をして謝罪をする。

そしてまずは娘から詳しい話を聞きたいと言い、私は部屋を出て妻の両親は3人で話し合いを始めた。

妻の両親は「考え直せ!」と離婚を思いとどまるように説得を何度も繰り返していた。
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