浮気した婚約者を振ったが彼が毎日私に復縁を迫り愛の告白をしてくる〜人妻と不倫して妊娠がわかり彼を捨てた〜彼は結婚して借金地獄で人妻を虐待する

佐藤 美奈

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第6話

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私はフローレンスの元旦那で名前はチャーリーです。

元妻のフローレンスとは3年付き合って結婚してから5年経ちます。2歳の子供も一人います。

先日、妻の不倫で破局し修羅場もありました。私は妻の事は何でも知っていると思っていて信頼もしていたのに残念です。

ある日、夕食を食べて風呂に入りソファーでくつろいでいるとフローレンスが深刻な表情で「大事な話があります」と言う。

改まって突然どうしたんだろう? 私は首を傾げる。

「あなた…私と別れてください……離婚してください」

怯えたような感じでかすかに体が震えて自信がなさそうに言うがはっきりと私に離婚を告げた。

今までフローレンスはそのような悪い冗談は一度も言ったことはないので私は笑顔で返す。

「今は主婦の間で夫にそんなことを言うのが流行っているのか?」
「あなたごめんなさい…ごめんなさい……」

だがフローレンスは涙が頬を濡らし土下座をして謝罪の言葉を何度も口にする。

まさか妻の言ってることは真実なのか? 私は表情を曇らせる。

「私に悪いところがあるなら正直に言ってくれ」
「そんな、あなたに不満などありません」
「それならどうして離婚してほしいなどと言うんだ?子供も産まれたばかりなんだぞ」
「それは……」
「私のことが嫌いになったのか?」
「あなたのことは今でも愛しています。だからずっと悩んでいました……」

私は考えや気持ちの整理がつかなくなる。じゃあなぜフローレンスはそんなことを言うんだ?

自分で言うのもなんだが今まで夫婦生活も喧嘩もなく仲良くやっていた。一緒に風呂に入ったり週に数回は今も抱いている。

「あいまいな言い方はやめて理由を隠さず本当のことを言ってくれ! そうでなければ納得できないから離婚には応じない!」

私の気迫のこもった態度に妻は何か覚悟を決めたような顔になり喋り始める。

「好きな人がいます。その人と暮らして一生添い遂げることを彼に誓いました」

その言葉で、これまで妻との日々が全てが崩れ落ちたような気持ちになり、そして私と妻との結婚生活は幕を閉じたのだと思いました。

「いやー、驚いた。冷や汗が出たわ…」

私は無意識にそんな言葉をポロリと言う。

「冗談ではないです。あなた申し訳ありません……」

フローレンスが泣き叫ぶ姿を目の当たりにして、現実に起きている事だと認めて受けとめざるを得えない。

これまで私は妻の為に生きてきたのに。それなのになぜこんなことになったんだ? 考えても信じる事ができず気づいたら私も涙がこぼれる。
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