婚約したのに好きな人ができたと告白された「君の妹で僕の子を妊娠してる」彼に衝撃の罰が下される。

佐藤 美奈

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第5話

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ある日、テリーとアリスはデートの約束をして待ち合わせをしていた。テリーは約束の時間に到着したが、アリスはいつまで待っても姿を見せない。

「私のことを好きな彼氏達と喋ってたから遅れたの」
「遅れるのはいつものことだから分かるけど、僕とのデートになんで他の男を連れて来るんだ?」
「みんなでご飯を食べたほうが美味しいでしょ?」

待ち合わせから一時間過ぎにアリスが来ました。周りには美男子を引き連れている。アリスは悪びれた様子もなくいつもの台詞を言い放つ。

テリーはまるで死刑宣告されたような気分で、頭を抱えて紙細工のように崩れその場に膝をついた。

「遅れてごめんなさい」

ちなみにアリスがそのような言葉をテリーに言ったり謝ったことも一度もありません。

「これからアリスと食事に行くんだが?君達分かるよな?」

テリーはアリスの取り巻きの男達の顔をひととおり眺めまわして、熱心に説得しましたが彼らは不機嫌そうに仏頂面で何も反応はない。

しかしアリスに優しく説得されると、心が動いて取り巻きの連中は涙を浮かべて悲しそうな顔をする。

「仕方ないわね」

その時にアリスから一人ずつ別れのキスをされていて、男達は顔に満足げな笑みを浮かべるとスキップするような軽い足取りで風のように立ち去っていく。

「アリス……僕の目の前でキスするってどういうことだ」
「別れの挨拶をしただけでしょ?」
「でも、唇と唇が重なってたぞ」
「そうだけど?」

取り巻きの男達を並ばせて口付けを交わすアリスに、目が緩やかに大きく見開き驚愕へと変貌するテリーは、呆然として口をポカンと開けて眺めていた。

キスが終わってもしばらく固まって突っ立っていると、覚醒したようにアリスに詰め寄った。厳しい目で見つめて問いただしてもアリスは、なんでもないことみたいにさらりと受け流す。

テリーは青ざめた顔になり、自分とアリスは理解しがたい感情や考え方があると不安な胸騒ぎを感じた。

「それなら僕にもキスを……」
「嫌よ」
「遊びの男とさっきあんなにキスしてたじゃないか!おかしいだろう?」
「そういう気分じゃないの」
「何でもない男とはキスして結婚する本命の僕とはできないのか」

テリーは心臓が妙にドキドキして、頭の中もひどく混乱している。その気持ちを少しでも落ち着かせようとアリスに口付けをお願いした。

ところがアリスからは冷たい態度でとてもむげに断られる。これはずいぶん、無慈悲なことのようにテリーは思えました。結局何度頼み込んでも冗談のような軽い口付けさえお預けとなった。
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