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第11話
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「最近テリーの様子がおかしい」
「そうだな」
「お前達の中に理由を知ってるものはいないのか?」
「分からないです」
「私もテリー様のことを思うと心が苦しくて何も手につきません」
あれからテリーは授業内容も頭に入ってこないし、学園祭の準備も集中できないほどに衰弱していた。
気の抜けた顔で、話しかけられてもどこか上の空という感じなのです。外の景色を数時間ぼんやり眺めて過ごすなど異常な状態であった。
魂を奪われた廃人のようなテリーに、クラスの友人や教師からも心配の声が後を絶たなくて、テリーを励ます会が開かれたほどである。
「元気ないみたいだけど何かあったの?」
「いや別に……」
「でもいつもと違うよ」
「何でもないから!」
数日後、どうにか体調を取り戻したテリーはアリスと会う。いつも密会してる部屋で何事もなかったかのように振る舞い二人で話していた。
だがテリーはこの前アリスと一緒にいた男のことを不意に思い出して、荒っぽい口調で冷たく突き放すような態度で接した。
その後は抱き合うこともなく、頻繁に通うお洒落な雰囲気のカフェに行き食事をした。その時もアリスはしきりにテリーに気を配って、愛らしい笑顔を向けて機嫌を取ろうとしていた。
だけどテリーからは、無愛想な感じで不自然なほど冷たい態度をされる。仕舞にはアリスは思い詰めた表情になり、唇を噛んで瞳には明るさが消えて、正面に座るテリーを見つめていた。
「どうしたの?今日はおかしいよ?」
「なにが?」
「だってなんか……知らない人と話してるみたい」
食事を済ませて二人でぶらぶら散歩している時であった。アリスは心配そうな色を顔いっぱいに浮かべて話かけてくる。
やはりテリーは渋い顔で応じてくるのです。アリスはただ悲しい心になって気持ちが深々と滅入った。とは言え、テリーのほうも宝石店に一緒にいた男のことが、聞きたくても聞けなくて胸にもどかしさが残っていた。
「なにか学園であったの?」
「とくにないよ」
「ならなんで私のことを他人を見るような視線で見るの?」
「もう僕達別れようか?」
「えっ……?」
悩みがあると思って話かけてもテリーは短い返事をした。しかしアリスは勇気を奮い起こして、歩調を速めて近づいてテリーの腕を掴む。
今日は会った時から不安な思いが胸に広がっていたアリスは、終始勘付いていることを尋ねる。テリーが自分に向ける眼差しが限りなく冷たいのだ。
テリーは立ち止まりアリスの真正面に立った。別れ話を切り出すとアリスは今にも泣き出しそうになるのがわかる。今この場でテリーはアリスの気持ちをはっきりと聞きたかった。
「そうだな」
「お前達の中に理由を知ってるものはいないのか?」
「分からないです」
「私もテリー様のことを思うと心が苦しくて何も手につきません」
あれからテリーは授業内容も頭に入ってこないし、学園祭の準備も集中できないほどに衰弱していた。
気の抜けた顔で、話しかけられてもどこか上の空という感じなのです。外の景色を数時間ぼんやり眺めて過ごすなど異常な状態であった。
魂を奪われた廃人のようなテリーに、クラスの友人や教師からも心配の声が後を絶たなくて、テリーを励ます会が開かれたほどである。
「元気ないみたいだけど何かあったの?」
「いや別に……」
「でもいつもと違うよ」
「何でもないから!」
数日後、どうにか体調を取り戻したテリーはアリスと会う。いつも密会してる部屋で何事もなかったかのように振る舞い二人で話していた。
だがテリーはこの前アリスと一緒にいた男のことを不意に思い出して、荒っぽい口調で冷たく突き放すような態度で接した。
その後は抱き合うこともなく、頻繁に通うお洒落な雰囲気のカフェに行き食事をした。その時もアリスはしきりにテリーに気を配って、愛らしい笑顔を向けて機嫌を取ろうとしていた。
だけどテリーからは、無愛想な感じで不自然なほど冷たい態度をされる。仕舞にはアリスは思い詰めた表情になり、唇を噛んで瞳には明るさが消えて、正面に座るテリーを見つめていた。
「どうしたの?今日はおかしいよ?」
「なにが?」
「だってなんか……知らない人と話してるみたい」
食事を済ませて二人でぶらぶら散歩している時であった。アリスは心配そうな色を顔いっぱいに浮かべて話かけてくる。
やはりテリーは渋い顔で応じてくるのです。アリスはただ悲しい心になって気持ちが深々と滅入った。とは言え、テリーのほうも宝石店に一緒にいた男のことが、聞きたくても聞けなくて胸にもどかしさが残っていた。
「なにか学園であったの?」
「とくにないよ」
「ならなんで私のことを他人を見るような視線で見るの?」
「もう僕達別れようか?」
「えっ……?」
悩みがあると思って話かけてもテリーは短い返事をした。しかしアリスは勇気を奮い起こして、歩調を速めて近づいてテリーの腕を掴む。
今日は会った時から不安な思いが胸に広がっていたアリスは、終始勘付いていることを尋ねる。テリーが自分に向ける眼差しが限りなく冷たいのだ。
テリーは立ち止まりアリスの真正面に立った。別れ話を切り出すとアリスは今にも泣き出しそうになるのがわかる。今この場でテリーはアリスの気持ちをはっきりと聞きたかった。
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