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第13話
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「この前別れようとテリーに言われた時は、私は呼吸が止まって胸が刺されたような苦痛を味わったわ」
「アリスには二度と逆らいません。これからは僕の全てを君だけに尽くすことを誓うよ」
主従関係を強く形成するために、アリスは何かと理由を付けてこのような謝罪を度々テリーに行わせるようになった。テリーもフローラに話すと言われれば従順にならざるを得ないのである。
アリスは立場が逆転して完全に開き直っているようだった。宝石店で一緒にいた男意外にも様々な異性交際を繰り返す。その頃はテリーはアリスの言いなりで、不満を感じながらもそれを黙認していた。
「これからは私に気安く抱きついたり触らないでね」
「それはおかしいだろう?遊び相手の男には抱かれて僕にはお預けなのか?」
「私の心を傷つけた罰よ」
「そんな……地べたに這いつくばってあんなに一生懸命謝ったじゃないか……」
アリスは他の男達と自由に恋愛しているのに、テリーには体を触らせるのを拒否すると言い出したのです。これにはさすがにテリーもしつこく食い下がりましたが、アリスは適当にあしらう。
結局アリスの気分のいい時しかテリーは触れないという条件を付けられました。
「フローラ……僕はどうすればいいんだ……」
アリスからの要求はエスカレートする一方となるが、テリーは誰にも相談できずに精神的に追い込まれていた。日ごと犬の悲鳴に似た悲痛な声を上げて号泣して枕を濡らすことが慣習化した。
婚約者のフローラにこの苦しみを伝えられたら、どんなに幸せだろうかと思うが、妹のアリスと出来てるなんて言えるわけもない。
「あの言葉をちゃんと聞いていれば……」
姉のフローラはアリスの本性を一番理解しているので、以前にアリスは危ないとテリーに強く忠告してくれていた。
「アリスは私の物は昔から何でも欲しがるの。小さい頃はおもちゃの人形に、大きくなってきたら化粧品にドレスも私の持ってる物は何でも取られたわ。たぶんテリーのことも奪おうとすると思う」
「僕は大丈夫だよ。仮にアリスが耳もとで甘くささやいてきても断る自信がある!突然アリスが抱きついて来たって軽く受け流してやるさ」
「わかった。テリーのこと信じてるからね」
それなのにフローラを裏切ってアリスの仕掛けてきた誘惑に乗り、一時はアリスに溺れる日々を過ごすようになる。
前もって注意を促してくれたフローラのありがたい言葉を軽く考えていた。その結果はあまりにみじめな有様に陥る。今はアリスの顔を見るだけで胃が痛み、体が恐怖を感じて思わず心臓の鼓動が早くなるほどだった。
「アリスには二度と逆らいません。これからは僕の全てを君だけに尽くすことを誓うよ」
主従関係を強く形成するために、アリスは何かと理由を付けてこのような謝罪を度々テリーに行わせるようになった。テリーもフローラに話すと言われれば従順にならざるを得ないのである。
アリスは立場が逆転して完全に開き直っているようだった。宝石店で一緒にいた男意外にも様々な異性交際を繰り返す。その頃はテリーはアリスの言いなりで、不満を感じながらもそれを黙認していた。
「これからは私に気安く抱きついたり触らないでね」
「それはおかしいだろう?遊び相手の男には抱かれて僕にはお預けなのか?」
「私の心を傷つけた罰よ」
「そんな……地べたに這いつくばってあんなに一生懸命謝ったじゃないか……」
アリスは他の男達と自由に恋愛しているのに、テリーには体を触らせるのを拒否すると言い出したのです。これにはさすがにテリーもしつこく食い下がりましたが、アリスは適当にあしらう。
結局アリスの気分のいい時しかテリーは触れないという条件を付けられました。
「フローラ……僕はどうすればいいんだ……」
アリスからの要求はエスカレートする一方となるが、テリーは誰にも相談できずに精神的に追い込まれていた。日ごと犬の悲鳴に似た悲痛な声を上げて号泣して枕を濡らすことが慣習化した。
婚約者のフローラにこの苦しみを伝えられたら、どんなに幸せだろうかと思うが、妹のアリスと出来てるなんて言えるわけもない。
「あの言葉をちゃんと聞いていれば……」
姉のフローラはアリスの本性を一番理解しているので、以前にアリスは危ないとテリーに強く忠告してくれていた。
「アリスは私の物は昔から何でも欲しがるの。小さい頃はおもちゃの人形に、大きくなってきたら化粧品にドレスも私の持ってる物は何でも取られたわ。たぶんテリーのことも奪おうとすると思う」
「僕は大丈夫だよ。仮にアリスが耳もとで甘くささやいてきても断る自信がある!突然アリスが抱きついて来たって軽く受け流してやるさ」
「わかった。テリーのこと信じてるからね」
それなのにフローラを裏切ってアリスの仕掛けてきた誘惑に乗り、一時はアリスに溺れる日々を過ごすようになる。
前もって注意を促してくれたフローラのありがたい言葉を軽く考えていた。その結果はあまりにみじめな有様に陥る。今はアリスの顔を見るだけで胃が痛み、体が恐怖を感じて思わず心臓の鼓動が早くなるほどだった。
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