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第15話
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「そんなことしてないもん!ねー、お兄様」
「そうだね。それにかわいい二人には喧嘩はしてほしくないな。ミアもこっちにきてくれないか」
テリーに呼ばれたミアは満面の笑顔になり、そばまで小走りに駆け寄るとテリーに飛びつくように、軽くジャンプして抱きついてくる。
「マイロに似てミアも気が強いおてんばだね」
「お兄様とずっと遊びたかったのに我慢してました」
「僕も我慢してたんだよ」
親和の感情で心が満たされたテリーは、穏やかな視線でいつもより柔らかい口調で話した。ミアは照れたような顔をしてテリーと遊べなかった不満を口にする。
その言葉と雰囲気につられたマイロも口を滑らし喋ってしまう。大好きな格好いい兄と一緒にいたかったけど、このところ遊べなくて悲しかったともらす。双子の弟と妹の横顔にはとても寂しそうな表情が浮かんでいた。
「マイロもミアも寂しい思いをさせて悪かったね。僕も二人と触れ合いたかったんだけど最近は色々忙しくてね」
今にも泣きそうな二人の顔を見たテリーは、なぜもう少し可愛がってやらなかったのかと思い、深く反省しなければならないと心の一面に広がり、謝罪の言葉が素直に出てくる。
「なぜお兄様はこの頃はお部屋にいなかったの?」
「お兄様は学園でのお勉強に励まれていたんだよ」
「そうだね」
「違うよ。恋人で結婚を約束しているフローラ様と仲良くしてたと思う」
最近自分達がテリーに構ってもらえない理由が気になって、ミアが可愛らしく首を傾げて尋ねる。その瞬間マイロが横から口を挟んだ。
テリーは口元に優しい笑みを浮かべて同意するように答える。するとミアは頭の中で閃くものがあった。婚約者のフローラとより親密な関係を構築しているのだと主張したのです。
「うん、どちらも正解だね」
本当に可愛くて仕方がないという風な気持ちで、テリーは二人の体をそっと撫でて小さく微笑みながら、二人の言う通りだよと言葉を返した。
だが実際のところは違って、壮絶な生活を送っていた。アリスのことでほとほと困り果て、頭を抱えて猛烈な悲鳴を上げる日々。
学園での授業は集中できないし、最近は愛するフローラとも会っていない。更に実行委員に選ばれたので学園祭の準備もある。
そもそもの原因が自分でフローラを裏切って、アリスの言いなりになって生き地獄を味わっている。
尊敬する兄が婚約者の妹に、召し使い以下のゴミのようにぞんざいな扱いを受けていることなど、目の前にいる双子の天使は夢にも思わないだろう。
「そうだね。それにかわいい二人には喧嘩はしてほしくないな。ミアもこっちにきてくれないか」
テリーに呼ばれたミアは満面の笑顔になり、そばまで小走りに駆け寄るとテリーに飛びつくように、軽くジャンプして抱きついてくる。
「マイロに似てミアも気が強いおてんばだね」
「お兄様とずっと遊びたかったのに我慢してました」
「僕も我慢してたんだよ」
親和の感情で心が満たされたテリーは、穏やかな視線でいつもより柔らかい口調で話した。ミアは照れたような顔をしてテリーと遊べなかった不満を口にする。
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「マイロもミアも寂しい思いをさせて悪かったね。僕も二人と触れ合いたかったんだけど最近は色々忙しくてね」
今にも泣きそうな二人の顔を見たテリーは、なぜもう少し可愛がってやらなかったのかと思い、深く反省しなければならないと心の一面に広がり、謝罪の言葉が素直に出てくる。
「なぜお兄様はこの頃はお部屋にいなかったの?」
「お兄様は学園でのお勉強に励まれていたんだよ」
「そうだね」
「違うよ。恋人で結婚を約束しているフローラ様と仲良くしてたと思う」
最近自分達がテリーに構ってもらえない理由が気になって、ミアが可愛らしく首を傾げて尋ねる。その瞬間マイロが横から口を挟んだ。
テリーは口元に優しい笑みを浮かべて同意するように答える。するとミアは頭の中で閃くものがあった。婚約者のフローラとより親密な関係を構築しているのだと主張したのです。
「うん、どちらも正解だね」
本当に可愛くて仕方がないという風な気持ちで、テリーは二人の体をそっと撫でて小さく微笑みながら、二人の言う通りだよと言葉を返した。
だが実際のところは違って、壮絶な生活を送っていた。アリスのことでほとほと困り果て、頭を抱えて猛烈な悲鳴を上げる日々。
学園での授業は集中できないし、最近は愛するフローラとも会っていない。更に実行委員に選ばれたので学園祭の準備もある。
そもそもの原因が自分でフローラを裏切って、アリスの言いなりになって生き地獄を味わっている。
尊敬する兄が婚約者の妹に、召し使い以下のゴミのようにぞんざいな扱いを受けていることなど、目の前にいる双子の天使は夢にも思わないだろう。
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