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第36話
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「こんな貧乏生活もういやあああっ!私は耐えられない!!」
「アリスそんなこと言わないでくれ……」
駆け落ち騒ぎまで起こして家族や何もかも捨てたアリスと男は、寒くてひもじい思いをたっぷり味わっていました。
その理由は逃避行のために持っていた多額の金品を奪われてしまった。食事をしていたら、いかにも親しそうに声をかけてきた男と話が合って、気を許してしまい酒を飲んだらいつの間にか眠っていた。
すっかり泥酔した二人は身ぐるみ剥がれてしまう。自分たちの間抜けぶりに唖然とし、涙を流しながら絶叫して男と関わったことに後悔したがもう全てが遅かったのだ。
「あなた大金持ちの商人なのに何で私がこんな苦しい思いをしなきゃいけないの!」
「持って来たお金を盗まれてしまったからしょうがないだろう?」
「それなら貯金を下ろせばいいでしょ?」
「そういうのは全部妻に渡してあるんだ」
「ほんと使えない男ね!この役立たず!!」
極度の貧困暮らしを今まで生きてきた中で一度も経験したことがないアリスは、不自由な生活に不満を抱くのは当たり前であった。
反対に男のほうは、まぎれもなく大店の主人だが若い時に修行期間として下働きみたいなことをしていた。そんなわけで貧しい簡素な生活には慣れている。それでもやはり辛いことに変わりはなかったが……。
男は相当な食通で、食べることにものすごい情熱を持っている。これまで驚くほど豪華で贅沢な食事をしてきた。だが今の生活では、それが不可能であることも理解していてアリスのいないところで重苦しいため息をついているのだ。
「じゃあ僕は仕事に行ってくるから隣の人に怒られるから騒がしくしたら駄目だよ」
「つべこべ言わずに、さっさと行け!」
二人が住んでるところは、六畳一間の安いだけが評価できる古くて凄まじいボロ屋です。朝早く起きて男は過酷な肉体労働をすることでアリスとの生活を支えている。
けれど頑張ってる男はアリスからは、毎日お叱りを受けることになってしまい胃が痛い思いをしていました。ここ数週間でげっそりと痩せ細った男と比べて、アリスは薄汚れた服を着ていますが案外元気そうな顔であった。
その理由は、男が稼いだお金を全部出すように指示している。アリスはそうしなければ家に戻ると言うのです。アリスの機嫌を損なう恐れがあるし、この駆け落ちは男のほうから多少強引に誘ったので、負い目を感じていたせいかもしれない。アリスに逆らうことができないようだった。
「アリスそんなこと言わないでくれ……」
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その理由は逃避行のために持っていた多額の金品を奪われてしまった。食事をしていたら、いかにも親しそうに声をかけてきた男と話が合って、気を許してしまい酒を飲んだらいつの間にか眠っていた。
すっかり泥酔した二人は身ぐるみ剥がれてしまう。自分たちの間抜けぶりに唖然とし、涙を流しながら絶叫して男と関わったことに後悔したがもう全てが遅かったのだ。
「あなた大金持ちの商人なのに何で私がこんな苦しい思いをしなきゃいけないの!」
「持って来たお金を盗まれてしまったからしょうがないだろう?」
「それなら貯金を下ろせばいいでしょ?」
「そういうのは全部妻に渡してあるんだ」
「ほんと使えない男ね!この役立たず!!」
極度の貧困暮らしを今まで生きてきた中で一度も経験したことがないアリスは、不自由な生活に不満を抱くのは当たり前であった。
反対に男のほうは、まぎれもなく大店の主人だが若い時に修行期間として下働きみたいなことをしていた。そんなわけで貧しい簡素な生活には慣れている。それでもやはり辛いことに変わりはなかったが……。
男は相当な食通で、食べることにものすごい情熱を持っている。これまで驚くほど豪華で贅沢な食事をしてきた。だが今の生活では、それが不可能であることも理解していてアリスのいないところで重苦しいため息をついているのだ。
「じゃあ僕は仕事に行ってくるから隣の人に怒られるから騒がしくしたら駄目だよ」
「つべこべ言わずに、さっさと行け!」
二人が住んでるところは、六畳一間の安いだけが評価できる古くて凄まじいボロ屋です。朝早く起きて男は過酷な肉体労働をすることでアリスとの生活を支えている。
けれど頑張ってる男はアリスからは、毎日お叱りを受けることになってしまい胃が痛い思いをしていました。ここ数週間でげっそりと痩せ細った男と比べて、アリスは薄汚れた服を着ていますが案外元気そうな顔であった。
その理由は、男が稼いだお金を全部出すように指示している。アリスはそうしなければ家に戻ると言うのです。アリスの機嫌を損なう恐れがあるし、この駆け落ちは男のほうから多少強引に誘ったので、負い目を感じていたせいかもしれない。アリスに逆らうことができないようだった。
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