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第48話
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「アリス大事な話があるんだ」
「テリーどうしたの?」
「……上の子に全部知られたよ」
長女に告白された翌日の夕方ごろ、テリーは怖いくらい真剣な顔でアリスと向き合っていた。アリスは珍しく真面目な感じのテリーにも動揺することなく平然とした声で聞いた。テリーは誠実な表情でしばらくアリスを見つめて心の中だけでため息をついて話し始めた。
「何が?」
「僕たちの子供がみんなあの男の子供だって……」
「当然よね。あいつに顔そっくりだからね」
「うん」
アリスは何かあったの?という感じで聞き返すとテリーから答えが返ってきた。子供の顔は父親のテリーと全く似てないので分かるよね?っていう風にアリスは言った。テリーは小さくうなずいて何か考えるように目を閉じる。
「まあ、子供たちが大きくなったらどうせみんな分かるしいいんじゃない?」
「そうだね」
テリーは長女に知られてしまった事を打ち明けるとアリスは何か問題でも?みたいな顔で都合の悪い事情は何もないという感じで言う。子供が成長すれば疑問を抱くようになるのは間違いない。
なにしろ金髪で品のある美しい顔のテリーとほんの少しも似た部分がない。それなら母親のアリスに似ているかと言えば似ていない。アリスは色が白く純粋そうな大きな瞳とよく通った鼻筋で、人形のように可愛らしい顔をしている。
非常に残念で悲しいことに子供たちの顔は、両親の輝かしい容姿を誰一人として受け継いでいない。目も鼻も口も顔の輪郭も髪の色もアリスの不倫相手の超ブ男に、そっくりそのままに忠実に再現している顔なのだ。
「おほほほ、テリーと血の繋がった子供は一人もいないけど、みんな私が産んだ子供だから問題ないと思う」
「うん、そうだよね。愛しているアリスの子供だから何も問題ないよね」
「そうでしょ?うふふふふふ」
アリスは悪びれずに軽やかに笑ってから口を開く。厚かましい態度で全然平気だと言う。テリーは少し顔を上げてアリスと視線を合わせて、何か自分なりに納得したようで顔がぱっと明るい笑顔に変わった。テリーは妻のアリスを好きなので、子供全員が不倫相手にそっくりな不器量な顔でも問題ないと答えた。
テリーのアリスに対する深い愛情がかろうじて、その痛みに耐えさせてくれた。アリスはテリーの明るい笑顔に救われたような気がした。アリスはちょっとだけ悪いと思ったので自分の良心をごまかすように笑っていた。
「テリーどうしたの?」
「……上の子に全部知られたよ」
長女に告白された翌日の夕方ごろ、テリーは怖いくらい真剣な顔でアリスと向き合っていた。アリスは珍しく真面目な感じのテリーにも動揺することなく平然とした声で聞いた。テリーは誠実な表情でしばらくアリスを見つめて心の中だけでため息をついて話し始めた。
「何が?」
「僕たちの子供がみんなあの男の子供だって……」
「当然よね。あいつに顔そっくりだからね」
「うん」
アリスは何かあったの?という感じで聞き返すとテリーから答えが返ってきた。子供の顔は父親のテリーと全く似てないので分かるよね?っていう風にアリスは言った。テリーは小さくうなずいて何か考えるように目を閉じる。
「まあ、子供たちが大きくなったらどうせみんな分かるしいいんじゃない?」
「そうだね」
テリーは長女に知られてしまった事を打ち明けるとアリスは何か問題でも?みたいな顔で都合の悪い事情は何もないという感じで言う。子供が成長すれば疑問を抱くようになるのは間違いない。
なにしろ金髪で品のある美しい顔のテリーとほんの少しも似た部分がない。それなら母親のアリスに似ているかと言えば似ていない。アリスは色が白く純粋そうな大きな瞳とよく通った鼻筋で、人形のように可愛らしい顔をしている。
非常に残念で悲しいことに子供たちの顔は、両親の輝かしい容姿を誰一人として受け継いでいない。目も鼻も口も顔の輪郭も髪の色もアリスの不倫相手の超ブ男に、そっくりそのままに忠実に再現している顔なのだ。
「おほほほ、テリーと血の繋がった子供は一人もいないけど、みんな私が産んだ子供だから問題ないと思う」
「うん、そうだよね。愛しているアリスの子供だから何も問題ないよね」
「そうでしょ?うふふふふふ」
アリスは悪びれずに軽やかに笑ってから口を開く。厚かましい態度で全然平気だと言う。テリーは少し顔を上げてアリスと視線を合わせて、何か自分なりに納得したようで顔がぱっと明るい笑顔に変わった。テリーは妻のアリスを好きなので、子供全員が不倫相手にそっくりな不器量な顔でも問題ないと答えた。
テリーのアリスに対する深い愛情がかろうじて、その痛みに耐えさせてくれた。アリスはテリーの明るい笑顔に救われたような気がした。アリスはちょっとだけ悪いと思ったので自分の良心をごまかすように笑っていた。
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