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第21話 夫婦の離婚が成立
顔に平手打ちされたスカーレットは、重い衝撃を受けて小一時間ほど意識がありませんでした。今は気絶状態から目を覚ましジェームズと並んで座っていた。
人間を超えた未知の領域に到達しているアメリアに、二人は礼儀をわきまえて大人しい態度をとっている。
「アメリア様のおっしゃるとおりに致しますので、どうか命だけはお助けください」
スカーレットは土下座の姿勢で許しを請った。横にはジェームズが一緒に床に額をつけてひれ伏す。溺愛する息子と土下座できて義母も大いに満足しているだろう。
二人は離婚する慰謝料の条件に全面的に従うという。アメリアの主張はまず、公爵家の保有する資産の金銭を9割をもらうこと。本当は全ての財産を奪いたかったのですが、アメリアは善良な心を持つ慈悲深い女性なので1割は残してあげました。
「ありがとうございます!アメリア様の温かいお情けは一生忘れません」
ジェームズはどんなに感謝してもしきれないと思いつつ、アメリアのことを無上の喜びを与えてくれる女神だと感じた。アメリアはジェームズを丸裸の無一文にすることも可能で容易なことなのです。
アメリアの慈悲心に魂が震えて心を打たれたジェームズは、アメリアに出来る限りのことをします!と公爵家の土地や建物の権利まで放棄してアメリアに譲ることを宣言する。
「家くれるの?」
「アメリア様に差し上げます」
「ジェームズありがとう」
アメリアは軽く感謝の言葉を言う。今住んでいる公爵家の豪華な邸宅を気に入っているので、そのまま住めるのは嬉しかった。
どこかへ引っ越さなければならないと考えていましたが、ジェームズが差しあげますと言うので貰ってあげるのもやぶさかではない。
「私のような欲望むき出しの卑しい男には、もったいないお言葉をいただきありがとうございます」
「あなたも無能なりに努力して分相応という言葉が言えるようになりましたね」
自分みたいな下品な男には恐れ多い事でございますと、ジェームズは身のほどを知って一歩下がって自虐的な発言をほのめかす。無能なりに頑張って成長したねと優しく褒めてアメリアは無邪気に微笑む。
「ありがたき幸せに存じます!」
ジェームズの顔には大粒の涙と鼻水が溢れていて、汚いなとアメリアは無意識に思い眉をひそめながら首を横に振った。
――アメリアとジェームズは正式に離婚が成立した。
数日後、結婚式の招待状が送られてきた。結局アメリアは結婚式に出席することにしました。ジェームズとナタリアの結婚式をぶち壊す計画を実行するためでした。
人間を超えた未知の領域に到達しているアメリアに、二人は礼儀をわきまえて大人しい態度をとっている。
「アメリア様のおっしゃるとおりに致しますので、どうか命だけはお助けください」
スカーレットは土下座の姿勢で許しを請った。横にはジェームズが一緒に床に額をつけてひれ伏す。溺愛する息子と土下座できて義母も大いに満足しているだろう。
二人は離婚する慰謝料の条件に全面的に従うという。アメリアの主張はまず、公爵家の保有する資産の金銭を9割をもらうこと。本当は全ての財産を奪いたかったのですが、アメリアは善良な心を持つ慈悲深い女性なので1割は残してあげました。
「ありがとうございます!アメリア様の温かいお情けは一生忘れません」
ジェームズはどんなに感謝してもしきれないと思いつつ、アメリアのことを無上の喜びを与えてくれる女神だと感じた。アメリアはジェームズを丸裸の無一文にすることも可能で容易なことなのです。
アメリアの慈悲心に魂が震えて心を打たれたジェームズは、アメリアに出来る限りのことをします!と公爵家の土地や建物の権利まで放棄してアメリアに譲ることを宣言する。
「家くれるの?」
「アメリア様に差し上げます」
「ジェームズありがとう」
アメリアは軽く感謝の言葉を言う。今住んでいる公爵家の豪華な邸宅を気に入っているので、そのまま住めるのは嬉しかった。
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ジェームズの顔には大粒の涙と鼻水が溢れていて、汚いなとアメリアは無意識に思い眉をひそめながら首を横に振った。
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