婚約者を親友に寝取られた王太子殿下〜洗脳された婚約者は浮気相手の子供を妊娠したので一緒に育てようと言ってきたので捨てました

第6話

オリバー殿下が黙っているとアイラが口を開く。

「でも王太子殿下、勘違いなさらないでくださいね。ジョージは友達として遊んでるだけですので」

それを聞いてアイラへの気持ちが自分の中で冷めていくのが分かった。

「例え友達としてでも僕はアイラがジョージと会ってもらうのは嫌だな」

その瞬間アイラは目を血走らせてヒステリックに叫び声をあげる。

「王太子殿下は私に友達と会うなと言うのですか？　私だって付き合いがあります！」

それからのアイラは普通じゃなかった。荒れ狂って暴言を撒き散らしまともに会話もできなかった。

オリバー殿下はアイラは壊れている状態だと感じた。ジョージやその彼女達に既に洗脳されているのだろう。

「アイラ僕が悪かった。落ち着いてくれ」
「いいえ、ジョージと会うなと言われて私は落ち着いてなどいられません！」
「とりあえず座ってくれ。そして危ないから物を投げないでほしい」
「王太子殿下がふざけたことを言って私をこのようにさせたのですよ？」
「アイラ、君がもう少し冷静になったら別の日に話をしよう」
「逃げるな卑怯者！」

アイラは最後まで悪態をついてオリバー殿下は逃げるようにその場から離れました。

5日後に改めて二人は話し合いをした。

まずアイラが謝罪の言葉を口にする。

「王太子殿下、先日は大変申し訳ございませんでした。ご無礼をお許しください」
「頭が冷えたようだね。今日は興奮せずに話そう」
「はい」

オリバー殿下が言い始める。

「そう言えば、この前クロエ令嬢と遊んで食事をしたんだ。楽しかったな」

すると、早速アイラが感情をあらわにする。

「なんで私がいるのに、王太子殿下は他の女性の話をするのですか！」

本当にこの女は自分勝手なことを言う。これまで自分は散々ジョージの話をしておきながら……。

いつもならアイラが怒ったらオリバー殿下は彼女をなだめていた。だが今日は違う。

この数日の調査でもうこの女を捨てると決断しているからどうでもいい。