婚約者を親友に寝取られた王太子殿下〜洗脳された婚約者は浮気相手の子供を妊娠したので一緒に育てようと言ってきたので捨てました

第10話

必死にしがみつくアイラを強引にオリバー殿下から引き離し、まだ興奮してひどく暴れているアイラをどうにか拘束した。

その後、ジョージはオリバー殿下の父親の国王陛下に死刑を宣告される。

だがジョージは動じた様子もなく反論もしないで素直に受け入れて、死ぬ間際まで不敵な笑みを浮かべて生涯を終える。

驚愕したことはジョージが処刑された数日後に、ジョージという教祖を失った信者達は心を病んで廃人なる者や暴走して他人に危害を加える者もいた。

だけど多くは生きる気力を失いジョージの彼女達は次々に彼の後を追って自らの命を絶ち、彼女達の家族は感情の持っていき場がない悲しい結末になる。

オリバー殿下はあの痛ましい出来事から牢屋に入れられたアイラの元に足を運び何度か面会をしました。

ジョージが死んだことは教えたが、アイラはジョージの彼女達のようにこの世を去らなかった。

しかしまだジョージに洗脳されていることは言葉の節々でわかる。

「王太子殿下、お許しください。ジョージとはいつかは縁を切るつもりでした」

会いに行けば最初はいつもこのように泣いて頼みこみ謙虚な態度のアイラ。

ところがオリバー殿下が少しでもジョージを否定するようなことを言うと、あっと言う間にアイラは取り乱して「ジョージは悪くない！」と大声で騒ぎ立てるのだ。

それだけでなくジョージをかばうようなことを口にしてオリバー殿下を厳しく非難するようなことを言い散らかす。

「私に寂しい思いをさせた王太子殿下にも責任があります！」
「なんで僕が君に説教されないといけないんだ？」
「ジョージは私をいつだって優しく慰めてくれた……」
「いつの日かアイラが僕と初めて出会った時のような、思いやりのある心を取り戻す日がくることを祈っているよ……」
「私は至って正気です！」

アイラはまだ何か言っていたが、オリバー殿下は部屋を出て帰った。

今日はこの後にアイラの両親と話し合いの予定がある。

「王太子殿下今回の事については娘が全面的に悪い。ですが、婚約の解消だけは……」

予想した通り一人娘のアイラを両親は溺愛していて擁護するようなことを言う。