幼馴染の勇者パーティーから「無能で役立たず」と言われて追放された女性は特別な能力を持っている世界最強。

佐藤 美奈

文字の大きさ
22 / 30

第22話

レベッカは胸の中の哀れな想いを心細そうな目をしながら話した。勇者パーティーと言えば、いかにも華やかな雰囲気を感じるが実際にはだった。

田舎から都会へ出てきた時は良かった。最初に冒険者ギルドの門を叩いて、まだあどけなさの残る少年と少女で新しい生活がスタートした。誰も彼も一生懸命に頑張ってギルドに依頼された仕事をこなしていた。

彼らは半年も経たずに頭角を現わし始める。当然ながら全員一番下のFランクで登録したのに、わずか数ヶ月でCランクになっていたのだ。それもこれもレベッカのである。無名の若い男女の新人パーティーが、たちまち周囲から一目置かれる存在となった。

「さすが勇者パーティーだね!」
「そんな短期間でCランクになるなんて凄い!」
「私たちはCランクになるまで2年かかったよね……」
「やっぱ俺たちとは違うな」

レオンはレベッカの話を聞いて、勇者パーティーの名は伊達だてじゃないと素直に感心してしまう。アメリアは驚いて呆れるほかない。通常ならワンランク上の地位に昇るだけで1年はかかると言われているのに、数ヶ月でCランクになったと聞かされたら仰天するのは当然だろう。

マリンが自分たちはCランクになるのに、2年の期間を費やしたと頼りない声でつぶやく。それでも普通よりもかなり早いほうで、周囲からは尊敬に値すると褒められていたが、勇者パーティーの話を聞いた後では自慢する気にもなれなかった。リアムも根本的に異なる立場だと漏らす。

「でも……」

レベッカはちょっと気まずそうな顔で話を続ける。幼馴染たちとのパーティーは目立つようになって、子供のくせに生意気な顔をしてると他の冒険者や街のチンピラ風の男たちに、道を歩いていたら突然絡まれたりする事も増えたと言う。

「俺たちもあったよ」
「そういう事は結構あるよね」
「私たちも経験はあるけど……?」
「何度も喧嘩を吹っ掛けられたな」

レオンが何ともないような気持ちで話した。Sランクパーティーの彼らも同じような経験をしたことがあったようだ。彼らは全員が貴族という事もあって、目を見張るほどの美形をしていた。

さらに各種装備品もかなり高価なものであるし、上品な美女のアメリアとマリンにしつこく言い寄ってきたりと、狙われる理由はいくらでもありました。しかし特に問題はなかったと言う感じである。

幼馴染のパーティーたちもレベッカの付与のおかげで強いので、そんな奴らは逆に返り討ちにした。いつの間にか、ずっと年上で長年にわたって冒険者をしている男たちに、ぺこぺこ頭を下げられてびへつらう態度をとられるようになった。

あなたにおすすめの小説

善人ぶった姉に奪われ続けてきましたが、逃げた先で溺愛されて私のスキルで領地は豊作です

しろこねこ
ファンタジー
「あなたのためを思って」という一見優しい伯爵家の姉ジュリナに虐げられている妹セリナ。醜いセリナの言うことを家族は誰も聞いてくれない。そんな中、唯一差別しない家庭教師に貴族子女にははしたないとされる魔法を教わるが、親切ぶってセリナを孤立させる姉。植物魔法に目覚めたセリナはペット?のヴィリオをともに家を出て南の辺境を目指す。

弟に裏切られ、王女に婚約破棄され、父に追放され、親友に殺されかけたけど、大賢者スキルと幼馴染のお陰で幸せ。

克全
ファンタジー
「アルファポリス」「カクヨム」「ノベルバ」に同時投稿しています。

【完結】私の見る目がない?えーっと…神眼持ってるんですけど、彼の良さがわからないんですか?じゃあ、家を出ていきます。

西東友一
ファンタジー
えっ、彼との結婚がダメ? なぜです、お父様? 彼はイケメンで、知性があって、性格もいい?のに。 「じゃあ、家を出ていきます」

王子に婚約破棄されて国を追放「魔法が使えない女は必要ない!」彼女の隠された能力と本来の姿がわかり誰もが泣き叫ぶ。

佐藤 美奈
恋愛
クロエ・エルフェシウス公爵令嬢とガブリエル・フォートグランデ王太子殿下は婚約が内定する。まだ公の場で発表してないだけで、王家と公爵家の間で約束を取り交わしていた。 だが帝立魔法学園の創立記念パーティーで婚約破棄を宣言されてしまった。ガブリエルは魔法の才能がある幼馴染のアンジェリカ男爵令嬢を溺愛して結婚を決めたのです。 その理由は、ディオール帝国は魔法至上主義で魔法帝国と称される。クロエは魔法が一番大切な国で一人だけ魔法が全然使えない女性だった。 クロエは魔法が使えないことに、特に気にしていませんでしたが、日常的に家族から無能と言われて、赤の他人までに冷たい目で見られてしまう。 ところがクロエは魔法帝国に、なくてはならない女性でした。絶対に必要な隠された能力を持っていた。彼女の真の姿が明らかになると、誰もが彼女に泣いて謝罪を繰り返し助けてと悲鳴を上げ続けた。

妹が真の聖女だったので、偽りの聖女である私は追放されました。でも、聖女の役目はものすごく退屈だったので、最高に嬉しいです【完結】

小平ニコ
ファンタジー
「お姉様、よくも私から夢を奪ってくれたわね。絶対に許さない」  私の妹――シャノーラはそう言うと、計略を巡らし、私から聖女の座を奪った。……でも、私は最高に良い気分だった。だって私、もともと聖女なんかになりたくなかったから。  退職金を貰い、大喜びで国を出た私は、『真の聖女』として国を守る立場になったシャノーラのことを思った。……あの子、聖女になって、一日の休みもなく国を守るのがどれだけ大変なことか、ちゃんと分かってるのかしら?  案の定、シャノーラはよく理解していなかった。  聖女として役目を果たしていくのが、とてつもなく困難な道であることを……

婚約破棄されたので四大精霊と国を出ます

今川幸乃
ファンタジー
公爵令嬢である私シルア・アリュシオンはアドラント王国第一王子クリストフと政略婚約していたが、私だけが精霊と会話をすることが出来るのを、あろうことか悪魔と話しているという言いがかりをつけられて婚約破棄される。 しかもクリストフはアイリスという女にデレデレしている。 王宮を追い出された私だったが、地水火風を司る四大精霊も私についてきてくれたので、精霊の力を借りた私は強力な魔法を使えるようになった。 そして隣国マナライト王国の王子アルツリヒトの招待を受けた。 一方、精霊の加護を失った王国には次々と災厄が訪れるのだった。 ※「小説家になろう」「カクヨム」から転載 ※3/8~ 改稿中

なんか修羅場が始まってるんだけどwww

一樹
ファンタジー
とある学校の卒業パーティでの1幕。

【完結】婚約破棄はいいですよ?ただ…貴方達に言いたいことがある方々がおられるみたいなので、それをしっかり聞いて下さいね?

水江 蓮
ファンタジー
「ここまでの悪事を働いたアリア・ウィンター公爵令嬢との婚約を破棄し、国外追放とする!!」 ここは裁判所。 今日は沢山の傍聴人が来てくださってます。 さて、罪状について私は全く関係しておりませんが折角なのでしっかり話し合いしましょう? 私はここに裁かれる為に来た訳ではないのです。 本当に裁かれるべき人達? 試してお待ちください…。