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第8話
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「もう朝です。起きないと遅れるよ」
「アイシャおはよう」
「おはよう。ナルセスがうっかり寝坊するなんて珍しいね」
「仕事がひと区切りついてホッとして、知らない間に疲れが溜まっていたのかな?」
普段なら、アイシャに起こされる前にナルセスが起きているはずなのに、最近忙しかったから無自覚の状態で疲労が蓄積して体が悲鳴を上げていたのだろう。
二人は朝食を食べながら笑顔で楽しい会話を交わす。ナルセスは心地よい気分で職務に向かった。
数日後の深夜、ナルセスが寝静まったのを確認して物音ひとつ立てないで寝室から出たアイシャは、足音を忍ばせて長い廊下を歩く。ナルセスの素行調査を聞くためだ。
「どうなの?」
「二人の接触がありました」
日々の行動を監視してる者から報告を受ける。どうやら何か進展があったらしくナルセスが不穏な動きを見せるようになった。
ナルセスは警戒するようなそぶりが見受けられたという。慎重に尾行をしたところナルセスは来週にルージュと会うことが分かる。
二人は連絡係に手紙を渡してやり取りしているようだ。そしてナルセスは監視者によると、ルージュに会うのを了解するような事を手紙に書いて連絡係に渡したらしい。
ナルセスがゴミ箱に捨てた手紙を後でゴミ箱から拾っておいた。ルージュからの手紙の内容は、あなたは私に逆らえないのよ。それともアイシャに私達の関係を全て打ち明ける?という半ば脅しまがいの言葉でした。
ルージュからの手紙を受け取り読んでいたナルセスの様子は、心なしか青ざめた顔色で指先がかすかに震えていた。ナルセスが精神的に追いつめられているのは明らかだった。
「逆らえない?やっぱりナルセスはルージュに脅迫されているの?」
「そのようです」
「この時が勝負なの?」
「個人的にはアイシャ様に危険が及ぶ事はおいそれと承諾できません」
「たとえどんな結末が待っていようと私は自分の目で確かめたい」
「そこまでの覚悟をお持ちですか……わかりました」
アイシャが大人数の警護を連れて二人の密会場所に突撃して、ルージュを制裁するべきか?愛しているナルセスがまたルージュに抱かれに行くのかと想像すると、非常に不安な心持ちになって胸苦しさが心臓のあたりに感じられる。
いっそのことアイシャがナルセスを監視したい程だった。だが尾行のプロではないのでアイシャが追えば見つかってしまう。なんとしても自分の目で確かめたいと主張するが一度は止められる。しかしアイシャの決意が揺るぎないと判断した男は離れて待機することを許可した。
寝室に戻りベッドに入り隣を見るとナルセスは深い眠りに落ちていた。この問題が解決した時に夫婦の関係はどうなっているのだろう?とそんなことを思いながらアイシャは就寝する。
「アイシャおはよう」
「おはよう。ナルセスがうっかり寝坊するなんて珍しいね」
「仕事がひと区切りついてホッとして、知らない間に疲れが溜まっていたのかな?」
普段なら、アイシャに起こされる前にナルセスが起きているはずなのに、最近忙しかったから無自覚の状態で疲労が蓄積して体が悲鳴を上げていたのだろう。
二人は朝食を食べながら笑顔で楽しい会話を交わす。ナルセスは心地よい気分で職務に向かった。
数日後の深夜、ナルセスが寝静まったのを確認して物音ひとつ立てないで寝室から出たアイシャは、足音を忍ばせて長い廊下を歩く。ナルセスの素行調査を聞くためだ。
「どうなの?」
「二人の接触がありました」
日々の行動を監視してる者から報告を受ける。どうやら何か進展があったらしくナルセスが不穏な動きを見せるようになった。
ナルセスは警戒するようなそぶりが見受けられたという。慎重に尾行をしたところナルセスは来週にルージュと会うことが分かる。
二人は連絡係に手紙を渡してやり取りしているようだ。そしてナルセスは監視者によると、ルージュに会うのを了解するような事を手紙に書いて連絡係に渡したらしい。
ナルセスがゴミ箱に捨てた手紙を後でゴミ箱から拾っておいた。ルージュからの手紙の内容は、あなたは私に逆らえないのよ。それともアイシャに私達の関係を全て打ち明ける?という半ば脅しまがいの言葉でした。
ルージュからの手紙を受け取り読んでいたナルセスの様子は、心なしか青ざめた顔色で指先がかすかに震えていた。ナルセスが精神的に追いつめられているのは明らかだった。
「逆らえない?やっぱりナルセスはルージュに脅迫されているの?」
「そのようです」
「この時が勝負なの?」
「個人的にはアイシャ様に危険が及ぶ事はおいそれと承諾できません」
「たとえどんな結末が待っていようと私は自分の目で確かめたい」
「そこまでの覚悟をお持ちですか……わかりました」
アイシャが大人数の警護を連れて二人の密会場所に突撃して、ルージュを制裁するべきか?愛しているナルセスがまたルージュに抱かれに行くのかと想像すると、非常に不安な心持ちになって胸苦しさが心臓のあたりに感じられる。
いっそのことアイシャがナルセスを監視したい程だった。だが尾行のプロではないのでアイシャが追えば見つかってしまう。なんとしても自分の目で確かめたいと主張するが一度は止められる。しかしアイシャの決意が揺るぎないと判断した男は離れて待機することを許可した。
寝室に戻りベッドに入り隣を見るとナルセスは深い眠りに落ちていた。この問題が解決した時に夫婦の関係はどうなっているのだろう?とそんなことを思いながらアイシャは就寝する。
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