誕生日パーティーで婚約破棄を発表された「幼馴染が妊娠したから結婚する!」王子が体を壊して地獄の苦しみを経験する。

佐藤 美奈

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第1話

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「アリーナ・スティーブモーリスお前との婚約は破棄させてもらう!」
「……レオナルド殿下、どういうことですか?」

宮殿で開かれた王太子レオナルドの誕生日パーティーには、各界の著名人が多数招待されて盛大に祝われた。そのパーティーの重要な場面で想像を絶することが起こった。

本来ならアリーナとレオナルドの婚約発表という段取りのはずである。それなのに有無うむを言わさぬ口調で婚約破棄を宣言された。

「辺境の田舎娘いなかむすめが私の結婚相手にふさわしくはなかったのだ。そして会うたびに胸が息苦しいほど愛おしい運命的な恋に落ちた。このカトリーヌとな!!」
「……」
「ショックで声も出ないようだな」

辺境伯と呼ばれる領主である父の元に嫡女ちゃくじょとして生まれたアリーナを田舎娘と平然と言ってのける。レオナルドはさらに結ばれることなどあり得ないと、アリーナに向かって指をさして見下すような態度を見せた。

彼のかたわらにぴったりと寄り添う形に立っているカトリーヌと真実の恋をして愛しているとも言った。女性の繊細せんさいな心を土足で踏みにじるようなまねをされて、感情が爆発しそうなまでに膨れ上がっていましたが怒りに震えながらも我慢した。

「私がぁ~レオナルド様と結婚するのでぇ~アリーナ様ごめんなさいですぅ~レオナルド様が寂しそうにしていたのでぇ~心の傷を癒していたら妊娠しちゃいましたぁ~!」

カトリーヌは皮肉な笑いを浮かべてから甘ったるい声でしゃべり始める。その直後、今まで騒ぐことはせず遠まきにして眺めていた人たちが口々に非難めいた発言をし出す。

「あれはレオナルド殿下の幼馴染で伯爵家のカトリーヌ令嬢ですよ……」
「なんて礼儀をわきまえない娘なのだ!?」
「これではアリーナ様があまりにも可哀想です」
「何故レオナルド殿下はアリーナ様を裏切って、あのような節度のない相手を選んだのでしょうか?」

アリーナはレオナルドと向きあってしばらくじっと動かなかった。悔しさと悲しみを噛み締めなければならい状況に陥ってしまったが、不思議なほど穏やかな気分でいられた。その理由は全てをひっくり返す最強の切り札があることを思い出したのです。

「……はぁーっ、レオナルド殿下」
「なんだ?」
「妊娠というのは本当ですか?」
「カトリーヌの言った通りだ。彼女と愛を交わし私の子供を身ごもっている」

アリーナは呆れ混じりの深いため息が思わず出るのを止められなかった。そしてレオナルドに確認するように尋ねる。アリーナの問いかけに対してレオナルドは全て事実で、カトリーヌは胎内に新しい命が宿っていると答えた。
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