37 / 66
第37話
しおりを挟む
「カトリーヌ令嬢、やはりこうなってしまったか……」
「ばかな子だわ……アリーナ様には決して逆らったら駄目だとあれほど熱心に説得したのに……」
――咲き乱れた美しい花園の中で、絶望した表情で固まっているカトリーヌを見ながら陛下と王妃がつぶやいた。《神的存在》の女性に歯向かうことは絶対に許されないと、何度も注意を促したのに言うことを聞かなかったあなたの自業自得というものです。
お気の毒でしたねえ……お二人はそんな顔でカトリーヌの様子を観察して、何とも言えぬ悲しい思いが胸に広がっていく。陛下と王妃はアリーナと戦いに行ったカトリーヌの事が心配になって、気になってやっぱり何がなんでも引き止めておけばよかったと悔やんでいた。
「あなたやっぱり私たちも行きましょう!」
「そうだな。それしかないか……」
いても立ってもいられなくなって追いかけて来たのだ。だが、カトリーヌの気力や生気を失って抜け殻みたいな顔を見れば、もう既に遅かったのがわかった――
「陛下に王妃、お久しぶりですね。お元気そうでなによりです」
アリーナは敬意を表して丁寧に御挨拶申し上げました。彼女は文句なしに明るく優しい笑顔を向けて、お二人の体を気遣うような言葉を口にする。
「ア、アリーナ令嬢……ま、まず言っておくが私たちはそなたに敵対する意志は全くないからな?こ、攻撃するでないぞ?」
私はあなたの敵ではありませんから殺さないでください……陛下はそういう顔で話しかけてきた。唇は青ざめて明らかに怯えている。
何をそんなに怖がる必要があるのか?彼女は真面目で心優しい性格で、誰に対しても親切な女性なのに、体が小刻みに震えながら泣き出しそうな切実な声で話す陛下が本当に信じられません。
「ふふふ、そんなに怖がらないでください。わかっておりますから、陛下と王妃からは私に対して悪意を感じませんから、何にもご心配なさる必要はありませんよ」
*****
新作「聖女に王子と幼馴染をとられて婚約破棄「犯人は追放!」無実の彼女は国に絶対に必要な能力者で価値の高い女性だった。」を投稿しました。よろしくお願いします。
「ばかな子だわ……アリーナ様には決して逆らったら駄目だとあれほど熱心に説得したのに……」
――咲き乱れた美しい花園の中で、絶望した表情で固まっているカトリーヌを見ながら陛下と王妃がつぶやいた。《神的存在》の女性に歯向かうことは絶対に許されないと、何度も注意を促したのに言うことを聞かなかったあなたの自業自得というものです。
お気の毒でしたねえ……お二人はそんな顔でカトリーヌの様子を観察して、何とも言えぬ悲しい思いが胸に広がっていく。陛下と王妃はアリーナと戦いに行ったカトリーヌの事が心配になって、気になってやっぱり何がなんでも引き止めておけばよかったと悔やんでいた。
「あなたやっぱり私たちも行きましょう!」
「そうだな。それしかないか……」
いても立ってもいられなくなって追いかけて来たのだ。だが、カトリーヌの気力や生気を失って抜け殻みたいな顔を見れば、もう既に遅かったのがわかった――
「陛下に王妃、お久しぶりですね。お元気そうでなによりです」
アリーナは敬意を表して丁寧に御挨拶申し上げました。彼女は文句なしに明るく優しい笑顔を向けて、お二人の体を気遣うような言葉を口にする。
「ア、アリーナ令嬢……ま、まず言っておくが私たちはそなたに敵対する意志は全くないからな?こ、攻撃するでないぞ?」
私はあなたの敵ではありませんから殺さないでください……陛下はそういう顔で話しかけてきた。唇は青ざめて明らかに怯えている。
何をそんなに怖がる必要があるのか?彼女は真面目で心優しい性格で、誰に対しても親切な女性なのに、体が小刻みに震えながら泣き出しそうな切実な声で話す陛下が本当に信じられません。
「ふふふ、そんなに怖がらないでください。わかっておりますから、陛下と王妃からは私に対して悪意を感じませんから、何にもご心配なさる必要はありませんよ」
*****
新作「聖女に王子と幼馴染をとられて婚約破棄「犯人は追放!」無実の彼女は国に絶対に必要な能力者で価値の高い女性だった。」を投稿しました。よろしくお願いします。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
3,092
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる