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第36話
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自分はもう助かった……大丈夫だという安心感がカトリーヌの心の底にあった。だがアリーナは子供は助けると言ったが彼女のことは許しませんと答えた。これは一体どういうことなのだろうか?
「それでは子供を産んだ後にカトリーヌさんは死ぬようにセットしておきます」
「な、なんですか……!?そのセットというのは……?」
セット。突然アリーナはそんな言葉を口にした。カトリーヌには、その意味が今一つ理解できなかった。アリーナは死の時間を設定できるとでもいうのか?
「言葉通りの意味です。じゃあ子供を産んで3日後くらいでいかがですか?」
アリーナは落ち着いた声で言った。淡々と話す彼女の口ぶりからして間違いないのだろう。お茶でもいかがですか?みたいな感じで恐ろしい提案をしてきたのである。
「……あの、助けて……」
「無理です」
カトリーヌは思いを込めて、すがるような目でアリーナに頼み事をしますがすぐに駄目だと返される。
「何がなんでも?」
「そうですね」
カトリーヌは、どこまでも食い下がってくる。自分の命がかかっているので容易に諦めるわけにはいかない。諦めたらそこで人生が終了なのです。彼女は助かることだけで頭がいっぱいでした。
「それはどうしてなのでしょうか?私は……生ぎたいっ!!」
自分の命は手の打ちようがないのか?あっけなく息を引き取ることになるのか?死を避けられない何らかの理由があるのかと、悲しそうな顔に大粒の涙を流しながら絶叫した。
「これは制約で仕方ないんですよ」
「……制約?……」
「私の命を一度でも悪意を持って攻撃して危害を加えようとした人は、いずれにしてもそう長くは持たないですね」
「そ、そんな……それなら私はあとどのくらい生きられるのですか?」
アリーナの能力による絶対的な制約であった。彼女に対して一度でも敵対するような行動をとった人は短命に終わっている。これまで誰一人として逃げる事が出来ない運命なのです。
「カトリーヌさんの命は1年ほどでしょうか」
「……!?」
あなたは余命1年です。もうとても助かる見込みはございません。それがはっきりとうかがえたカトリーヌは、深い絶望の淵に落下していく。朦朧たる状態に陥るのだった。
「それが《彼女を傷つけた罪》なのですよ。私の大切な親友を傷つけた当然の代償ですわっ!!!!!」
物言いたげな視線をカトリーヌに向けていたミレーユが、急に真剣な顔で辺りに響く大声で叫んだ。
*****
新作「聖女に王子と幼馴染をとられて婚約破棄「犯人は追放!」無実の彼女は国に絶対に必要な能力者で価値の高い女性だった。」を投稿しました。よろしくお願いします。
「それでは子供を産んだ後にカトリーヌさんは死ぬようにセットしておきます」
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「無理です」
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自分の命は手の打ちようがないのか?あっけなく息を引き取ることになるのか?死を避けられない何らかの理由があるのかと、悲しそうな顔に大粒の涙を流しながら絶叫した。
「これは制約で仕方ないんですよ」
「……制約?……」
「私の命を一度でも悪意を持って攻撃して危害を加えようとした人は、いずれにしてもそう長くは持たないですね」
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あなたは余命1年です。もうとても助かる見込みはございません。それがはっきりとうかがえたカトリーヌは、深い絶望の淵に落下していく。朦朧たる状態に陥るのだった。
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