誕生日パーティーで婚約破棄を発表された「幼馴染が妊娠したから結婚する!」王子が体を壊して地獄の苦しみを経験する。

佐藤 美奈

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第58話

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レオナルドは透明化を解除すると、妊娠しているカトリーヌに王妃に国王が続けて奇怪な叫び声をあげた。レオナルドは怖がる様子を見せる三人を見て満足げな笑みを浮かべると、アリーナのほうにキスを求めて迫ったのである。

その時、アリーナの能力によって不意に体が動かなくなり、レオナルドは行動不能となって呆気なく捕まるのです。お脳が弱い彼はアリーナの能力を忘れていた。

――それから12日経った。

「今日からアリーナ様の専属の執事になったレオナルドです」

アリーナの前にひざをついて深々と頭を下げて挨拶をする。どうしてこうなったかと言うと、アリーナの能力で唯一生き残ったレオナルドは、突然変異体として病院に送られたが原因不明という結果が出た。

身体の隅々までくまなく検査したが、何もわからなくて世界的名医でもさじを投げてしまう。結局最後にたどり着いたのは、レオナルドの先天的な病気を最初に治した神の能力者のアリーナのところだったというわけだ。面倒を見る事になってレオナルドはアリーナの屋敷で執事として働くことが決まる。

彼女を裏切って一時は死にそうな状態に陥ったが、今の彼は美しい姿に戻っている。アリーナの家のメイドたちもその美しさにただ見惚れるばかりだった。

「陛下から息子を任せると言われた時は正直驚きましたが……この家に入ったからにはあなたは王子の身分は忘れて私のだと思って辺境伯家の執事として精一杯尽くしなさい!」
「かしこまりました」

しばらくアリーナの家でレオナルドが執事として働くことは、陛下と王妃からのお願いでもありました。変異体になった彼の容体が急変したりしたら回復したり、制御できるのはのアリーナだけだと判断されたのです。

「これから病気で苦しんでいる人を治療しに遠くの国に旅に出かけます」
「私のような虫けらがお嬢様のエスコートをしてよろしいのでしょうか?」
「レオナルドは私の専属の執事なのですよ。しっかり私のサポートをしなさい」
「はい!」

アリーナは久しぶりに青い空を見て晴れやかな気分になる。ボランティア精神溢れる彼女は病気で苦しんでいる人の体をいやすために世界をまわる旅に出かけるのだ。実にいつまでも澄み切った心を持った女性ではないだろうか。

レオナルドはまだ慣れないのか不安げな表情を浮かべて言った。脳に何かしらの後遺症が残ってしまっているのか?彼は昔と比べて少し弱気な発言が目立ちます。アリーナは明るい笑顔を振りまいて励ましの言葉を投げると、彼の元気な声が響き渡るのだった。
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