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第28話
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ローラとエリオットが、まるで罪人のように会場から連れ出されていく。
あの背中を、私はただ、何とも言えない気持ちで見つめていた。
喜びや満足感は、不思議と湧いてこなかった。
ただ、なんだかとても、空っぽで悲しい気持ちになった。
あんな風にしか、自分を保てないなんて。ローラ、そんなに苦しかったの?
「セシリア」
ふと、隣から優しい声がした。
顔を上げると、レオナールが、私の心をすべて見透かしたような、穏やかな瞳で微笑んでいた。
「気にする必要はない。自ら蒔いた種を、自ら刈り取っただけだ」
「でも……」
「セシリア先生は優しすぎる。だが、今だけは、自分のことだけを考えてほしい」
そう言うと、彼は私の手を取り、壇上の中央へと導いた。
会場の注目が、再び私たち二人に集まる。
一体、何を……?
私の戸惑いをよそに、レオナールは懐から小さな魔法具を取り出した。声を増幅させるための道具だ。
「皆様、お見苦しいところをお見せして申し訳ない。ですが、今宵は祝いの席。気を取り直して、もう一つ、皆様にご報告したい、喜ばしい知らせがあります」
彼の澄んだ声が、ホールに響き渡る。
ざわめきが、期待の色を帯びていく。
ロデリックや、アレリオ、オルフェウスが、息を詰めてこちらを見ているのがわかった。彼らの瞳に、不安の色がよぎる。
次の瞬間、レオナールは、私の前にすっと跪いた。
え……?
何が起きているのか、理解が追いつかない。
彼は、膝をついたまま私の手を取ると、その手に丁寧に口づけをした。
「セシリア」
彼が、私の名前を呼ぶ。
いつもの、穏やかで知的な声じゃない。
一人の男の声は、熱を込めた真剣な響きとともに、少し震えていた。
「私は、初めてセシリアに出会った時から、ずっと探していたものを見つけた気がした」
彼の言葉に、会場が息を呑む。
私も、胸の中で心臓が力強く鼓動しているのを感じていた。
「セシリアのその類稀なる才能、誰をも癒すその優しさ、そして、どんな栄光を手にしても奢ることのない、その魂の気高さ。そのすべてが、私を惹きつけてやまない。セシリアという奇跡を、王家や国のためだけでなく、私の人生だけのものとして、そばに置くことを許してはもらえないだろうか」
それは、あまりにも甘く、夢のように心を包み込む言葉だった。
レオナールは、上品な言葉で、貴公子らしい台詞を口にした。
でも、彼の瞳は、嘘をついていなかった。
その青い瞳の奥に揺らめいているのは、紛れもない本物の愛情と独占欲。
「私は、セシリアを守りたい。いかなる悪意からも、嫉妬からも。私が、君の盾になろう。君だけの、騎士になろう」
彼は、懐から小さなベルベットの箱を取り出し、それを開いてみせた。
中には、大きな蒼い宝石のついた指輪が、シャンデリアの光を浴びて、星のように輝いていた。彼の瞳と同じ色をした美しい指輪。
「セシリア。私と、結婚してほしい」
会場が、完全に沈黙した。
あの背中を、私はただ、何とも言えない気持ちで見つめていた。
喜びや満足感は、不思議と湧いてこなかった。
ただ、なんだかとても、空っぽで悲しい気持ちになった。
あんな風にしか、自分を保てないなんて。ローラ、そんなに苦しかったの?
「セシリア」
ふと、隣から優しい声がした。
顔を上げると、レオナールが、私の心をすべて見透かしたような、穏やかな瞳で微笑んでいた。
「気にする必要はない。自ら蒔いた種を、自ら刈り取っただけだ」
「でも……」
「セシリア先生は優しすぎる。だが、今だけは、自分のことだけを考えてほしい」
そう言うと、彼は私の手を取り、壇上の中央へと導いた。
会場の注目が、再び私たち二人に集まる。
一体、何を……?
私の戸惑いをよそに、レオナールは懐から小さな魔法具を取り出した。声を増幅させるための道具だ。
「皆様、お見苦しいところをお見せして申し訳ない。ですが、今宵は祝いの席。気を取り直して、もう一つ、皆様にご報告したい、喜ばしい知らせがあります」
彼の澄んだ声が、ホールに響き渡る。
ざわめきが、期待の色を帯びていく。
ロデリックや、アレリオ、オルフェウスが、息を詰めてこちらを見ているのがわかった。彼らの瞳に、不安の色がよぎる。
次の瞬間、レオナールは、私の前にすっと跪いた。
え……?
何が起きているのか、理解が追いつかない。
彼は、膝をついたまま私の手を取ると、その手に丁寧に口づけをした。
「セシリア」
彼が、私の名前を呼ぶ。
いつもの、穏やかで知的な声じゃない。
一人の男の声は、熱を込めた真剣な響きとともに、少し震えていた。
「私は、初めてセシリアに出会った時から、ずっと探していたものを見つけた気がした」
彼の言葉に、会場が息を呑む。
私も、胸の中で心臓が力強く鼓動しているのを感じていた。
「セシリアのその類稀なる才能、誰をも癒すその優しさ、そして、どんな栄光を手にしても奢ることのない、その魂の気高さ。そのすべてが、私を惹きつけてやまない。セシリアという奇跡を、王家や国のためだけでなく、私の人生だけのものとして、そばに置くことを許してはもらえないだろうか」
それは、あまりにも甘く、夢のように心を包み込む言葉だった。
レオナールは、上品な言葉で、貴公子らしい台詞を口にした。
でも、彼の瞳は、嘘をついていなかった。
その青い瞳の奥に揺らめいているのは、紛れもない本物の愛情と独占欲。
「私は、セシリアを守りたい。いかなる悪意からも、嫉妬からも。私が、君の盾になろう。君だけの、騎士になろう」
彼は、懐から小さなベルベットの箱を取り出し、それを開いてみせた。
中には、大きな蒼い宝石のついた指輪が、シャンデリアの光を浴びて、星のように輝いていた。彼の瞳と同じ色をした美しい指輪。
「セシリア。私と、結婚してほしい」
会場が、完全に沈黙した。
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