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第16話

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「あなた達何してるの?」
「キャッ」
「この子は悪くない、僕が悪いんだ。でも何もなかったから……信じてくれ!」

深刻な病気だと聞かされていたので、生死の境界をさまよって四六時中痛みに苦しんでいるものだと思い、少しばかりは心を悲しませる。でも、とても元気がよさそう。

手紙を読んだ時から仮病ではないかと大いに疑問が残るところでありました。やはり予想通りのようです。顔の血色は良く、少し太ったのか全体的にふっくらとなって、いかにも健康そうな身体つきで大丈夫みたい。


「無事に役目を果たしてもう一度オリビアの心を奪う!」

それもそのはずアルフィはオリビアを再び振り向かせるために、武勲を立てる決意をして遠征隊が組織された騎士団と共に国境を警備する任務に向かっていた。

樹木が生い茂っていた豊かな森の中を移動していた時だった。何の前触れなく盗賊に襲われた。両者は激しい戦いを繰り広げる。

「殿下?」
「完全に気絶している」
「本当に大丈夫なのだろうか……」
「安心しろ殿下にはかすり傷一つない」

しかし王子は恐ろしさに震えてしまい腰が抜けて気絶してしまう。倒れているところを騎士達に運ばれたらしい。その時失禁だけでなく口から泡まで吹いていた。なんとも情けない姿で救出されたのです。

一応身体の安全を確認するために病院へ担ぎ込まれた結果、医者の見立てでは特に治療する必要はないと答える。意識が戻ってからは呆れたことに、仲の良い令嬢をイチャつく気満々で呼びつけていた。


「二人であんなに激しくキスしていて信じてって……ふざけないで!」
「抱き合って少し口付けしていただけだ。それ以上は誓って何もない」

アルフィは顔面蒼白で、女性はオリビアに気がつくと思わず悲鳴をあげると、彼から離れて部屋の隅に隠れて怯えていた。たまに驚いた表情をしてチラチラこちらを向いて気にしている様子。

二人を見た瞬間、オリビアは怒りよりも不意の出来事に茫然として見ていた。嫌な汗が止まらなくて胸に抱いている不安を口にします。だが王子は真面目な態度で反省を見せずに苦しい言い訳を延々と続ける。

彼は何としても、この場は言い逃れなければならない。オリビアも緩やかに正気に戻り、彼の不誠実さに対する静かな怒りを滲ませた。

「どういう理由でも恋人でもない男女が抱き合うのは普通ではありません」

女性はずっと無言で震えている。アルフィがまた何か言い訳しようとしているのをオリビアは止めた。この状況で素直に認めることなく、自己弁護をしたりすることの方がよほどおかしいのだ。
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