リュウのケイトウ

きでひら弓

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リュウのケイトウ レガシィ 19 それぞれの帰途へ

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ニュオル バザートとその周辺の
竜は殲滅された。

街の被害は甚大なものであったが
砦へ避難した人達が無事に
生き延びた事で
復興する事も可能だろう。

慧人は夏に命じ
ハガイドス本体と
それより生産されたと思われる
H.ATEのデータ収集とサンプルの
採取を行わせた。

『慧人、
村の様子が気になる。
俺は急いで戻りたいが。』

サレヒュトは何時になく真剣な
面持ちで訴える。

『詳しく細かいところまでは
分かりませんが
ある程度の村の現状は
エバンスよりのデータ転送で
分かります。

警戒門で竜との戦闘があり
掃討が終了したようです。
村に被害は有りません。』

『そうか…。
しかし、長としては
椅子を空けたままにも出来んしな。』

『了解です。

レイラはどうします?。』

『私は本国へ戻りたい。
無線が全く通じず
現状が分からないからな。

恐らく無線の中継基地が全て
破壊されている為だろう。

今、甲冑に飛行用の燃料を
積んでいるところだ。
終了次第ここを発つ。』

『了解です。
しかし、ガセアの通信技術は
素晴らしいですね。
この距離でも可能なのですから。』

『中継基地がやられては
使いものにならないがな。
しかし嫌な予感がするんだ。
この街も中継基地も
ヤツらの襲撃を受けているとなると
本国も何らかの攻撃を
受けている可能性を拭い去れない。
それに今、早急に戻れる機体は
私の物しか残っていないから
偵察機を派遣する分けにも
いかんしな。』

レイラは産まれ故郷へ
想いを馳せるよう
遥か先の祖国へ視線を飛ばして
心配事が拭えぬ表情で伝えた。

そこへサレヒュトが一つ
提案する。

『うちの村は俺が戻れば
取り敢えずは事足りる。

慧人はレイラを送って
くれねぇかな。

お姫様に
護衛の一つも付けなかったとなれば
何か有った時、隣国村の族長の
責任問題になりかねんし、
なあ?。』

サレヒュトは持ち前の
気さくな笑顔を作り慧人に
ウインクし裏の含みがある事を伝える。

サレヒュトの私見でも
自分や慧人の機体に比べ
レイラの機体は性能的にかなり
劣る物である事を見抜いていて
このまま一人で帰すのに
不安が有ったからである。

慧人も同じ思いでいた。
サレヒュトが言い出さねば
何か理由を付けガセアまで
追いて行くつもりだったのだ。

おそらくサレヒュトの意見は
その事を見越してのものも
含まれるのだろうが。

『分かりました。
レイラ、追いて行って
構いませんか?。』

『とんでもない、助かる。
こちらから願い出たい程だよ。
本当の事を言えば
途中交戦になれば
一機では対処しきれないだろうから。』

レイラの顔に少し
安心感が滲んだ。

『よしっ!なら決まりだな。
ネイ イザナミ イシスはどうする?。』

『サレフと伴に村へ帰します。
収集したデータを分析させたいので。』

『なるほどな。
では各々、行動開始しよう。』

三人は頷き合い
ここより飛び発つ準備に
取り掛かった。
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