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リュウのケイトウ レガシィ 30 原生の森へ 道中
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前日の夜
キャンプの支度を終えていた
慧人、サレヒュトファミリーは
まだ日も登らぬ早朝より
シュェリ村を出発、
原生の森を歩いていた。
結局荷物はリヤカーなどで運ぶ事はせず
慧人のθユニットのルームへ格納する。
各々はバックパックを一つづつ背負うに
止まっていた。
そしてやはりと言うか何時も通りと言うべきか
慧人の周りは女子がひしめき合う
団子状態での行軍となっていたのだ。
『なあ慧人、
この森は竜の出没等の心配は無いのか?。
こんな無防備な格好では いざと言う時
戦えないぞ。
やはり甲冑の一機も必要だったのでは
無いか?。』
レイラが辺りを警戒しながら
訝し(いぶかし)そうに
慧人へ尋ねる。
そして右腕をしっかり
慧人の左腕に絡ませている。
『あら、怖いんですの?。
でしたらお家でお留守番してれば
よろしいですのに。』
自身の左腕を慧人の右腕へ絡ませ
ネイがレイラを牽制する。
そして慧人の体を自分の方へ
グイッと引き寄せた。
『ば、バカな事を言うな。
連隊長も務める私が一頭や二頭の
竜なんぞに怯える訳は無いだろう。
もしもの事を言ってるんだ。』
レイラが反論して
慧人を自分側へ引き戻す。
『でしたら、慧人様の腕
放して下さいませんこと?。
怖く無いとおっしゃるなら
先頭に立って見張ってて下さいな。』
ネイが更に感情剥き出しに反論
慧人の体をまた引き戻す。
『なんだと貴殿こそ慧人の腕を放せ。
いざと言う時身動きが取れんだろ。』
レイラが反論またしてもグイッ!。
『いざという時は私が
慧人様をお守り致しますので大丈夫。
ですから貴方がお放しなさい。
警護の邪魔です。』
ネイがまたグイッ!。
『嫌だっ!。
慧人も私とこうして居たいのだっ!。』
そんな言い争いをする二人に
申し訳無さそうに慧人のシャツの
裾を摘んで歩く夏が割って入る。
『あのぅ~
この森に竜は出ませんよ。
神域であるこの森は
竜を寄せ付け無いそーです
ティエナから伺いました。
だから二人共お兄ちゃんから
手を放してよ。』
割って入ったものの
自己主張が苦手な夏は
最後の一節が小声過ぎて
荒ぶる二人の耳には届かなかった。
『出ないのか。
だったら安心して腕を組んで歩けるな。』
『そうなんですのね。
慧人様、このまま参りましょう。』
二人は夏の小声を無視して
慧人の隣の死守に入った。
『もう。二人共…。』
夏の言葉は遂に通じる事は無かった。
『ん?竜は出ないのか?。
俺は鈴を持たされているのだが。
レヴィア、これ竜除けの鈴じゃ
無かったのか?。』
慧人が三人の火花に動じる事も無く
何事も無かったようにレヴィアに
尋ねた。
『違うがぅ。
その鈴、慧人の居場所が直ぐ分かるように
あげたがぅ。
迷子にならないように
レヴィアが慧人にあげたがぅ。
みんなも慧人が迷子にならないように
掴まえてるがぅ。』
レヴィアが慧人の腰に巻きつきながら
ニコニコと答えた。
『そうか。』
(俺が迷子…か
ある意味当たっているかもな。)
下から覗くレヴィアの笑顔に
柔らかく微笑み返すと
顔を上げ
何かに想いを馳せるように
空を仰ぎ見る慧人だった。
キャンプの支度を終えていた
慧人、サレヒュトファミリーは
まだ日も登らぬ早朝より
シュェリ村を出発、
原生の森を歩いていた。
結局荷物はリヤカーなどで運ぶ事はせず
慧人のθユニットのルームへ格納する。
各々はバックパックを一つづつ背負うに
止まっていた。
そしてやはりと言うか何時も通りと言うべきか
慧人の周りは女子がひしめき合う
団子状態での行軍となっていたのだ。
『なあ慧人、
この森は竜の出没等の心配は無いのか?。
こんな無防備な格好では いざと言う時
戦えないぞ。
やはり甲冑の一機も必要だったのでは
無いか?。』
レイラが辺りを警戒しながら
訝し(いぶかし)そうに
慧人へ尋ねる。
そして右腕をしっかり
慧人の左腕に絡ませている。
『あら、怖いんですの?。
でしたらお家でお留守番してれば
よろしいですのに。』
自身の左腕を慧人の右腕へ絡ませ
ネイがレイラを牽制する。
そして慧人の体を自分の方へ
グイッと引き寄せた。
『ば、バカな事を言うな。
連隊長も務める私が一頭や二頭の
竜なんぞに怯える訳は無いだろう。
もしもの事を言ってるんだ。』
レイラが反論して
慧人を自分側へ引き戻す。
『でしたら、慧人様の腕
放して下さいませんこと?。
怖く無いとおっしゃるなら
先頭に立って見張ってて下さいな。』
ネイが更に感情剥き出しに反論
慧人の体をまた引き戻す。
『なんだと貴殿こそ慧人の腕を放せ。
いざと言う時身動きが取れんだろ。』
レイラが反論またしてもグイッ!。
『いざという時は私が
慧人様をお守り致しますので大丈夫。
ですから貴方がお放しなさい。
警護の邪魔です。』
ネイがまたグイッ!。
『嫌だっ!。
慧人も私とこうして居たいのだっ!。』
そんな言い争いをする二人に
申し訳無さそうに慧人のシャツの
裾を摘んで歩く夏が割って入る。
『あのぅ~
この森に竜は出ませんよ。
神域であるこの森は
竜を寄せ付け無いそーです
ティエナから伺いました。
だから二人共お兄ちゃんから
手を放してよ。』
割って入ったものの
自己主張が苦手な夏は
最後の一節が小声過ぎて
荒ぶる二人の耳には届かなかった。
『出ないのか。
だったら安心して腕を組んで歩けるな。』
『そうなんですのね。
慧人様、このまま参りましょう。』
二人は夏の小声を無視して
慧人の隣の死守に入った。
『もう。二人共…。』
夏の言葉は遂に通じる事は無かった。
『ん?竜は出ないのか?。
俺は鈴を持たされているのだが。
レヴィア、これ竜除けの鈴じゃ
無かったのか?。』
慧人が三人の火花に動じる事も無く
何事も無かったようにレヴィアに
尋ねた。
『違うがぅ。
その鈴、慧人の居場所が直ぐ分かるように
あげたがぅ。
迷子にならないように
レヴィアが慧人にあげたがぅ。
みんなも慧人が迷子にならないように
掴まえてるがぅ。』
レヴィアが慧人の腰に巻きつきながら
ニコニコと答えた。
『そうか。』
(俺が迷子…か
ある意味当たっているかもな。)
下から覗くレヴィアの笑顔に
柔らかく微笑み返すと
顔を上げ
何かに想いを馳せるように
空を仰ぎ見る慧人だった。
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