164 / 188
リュウのケイトウ レガシィ 32 告白
しおりを挟む
ひとしきり水遊びに興じ
はしゃぎ疲れて
木陰で微睡み
ひんやりとした心地よい風に
木漏れ日を仰ぎ見
子供達の笑い声を
BGMに少しまた瞼を閉じ
今このひと時を満喫する。
人は何処へ行こうとも
こんな時間を愛し
幸福を実感するものなのかもしれない。
それを感じている時は
漫然と受け止めていて
この一瞬が一度きりだという事を
考えたりはしない。
そこから切り離された時
ああ、あの時は最高だった
などと振り返るものだろう。
無限に続く事などあり得ないし
かと言って訪れる時々を
100%最高に昇華出来るはずも無い。
しかし、密度の濃い時間も
何気なく過ぎてしまった時間も
全ては有意義な事だったのかもしれないと
後々思える人はやはり結果的に
時間を無駄にしなかったと
言えるのかもしれない。
それは、その事に
気付いた者のみが
得られる無形の財産。
昼食が済み
子供達はまた水遊びに行く
慧人はネイに頼んで
煎りたて挽きたての
コーヒーを淹れてもらう。
ネイが慧人の為に
こだわって選んだ豆を
最高のローストへ仕上げて行く。
香ばしいコーヒーの
芳香が辺りに漂った頃
サレヒュトがその香りに
誘われて慧人へ
尋ねた。
『なんか物凄く良い匂いがするな。
なんだ?新しい酒でも作ってるのか?。』
『コーヒーと言う飲み物を
ネイに作ってもらっています。
お酒ではありませんが
とても美味しいですよ。
エールが好きなサレフなら
きっと気に入ります。
どうです?。飲んでみませんか?。』
『良いね。
俺も貰うよ。大人の飲み物なんだろ?。
この香ばしさは。』
『そうですね。
深い香りとしっかりした苦味
覚えたら病み付きになりますよ。』
慧人が簡単にコーヒーの
講釈を終えると
ネイが二人分の淹れたて
を持って来てくれる。
『どうぞ、お二人とも。』
ネイが一流メイドの所作で
柔らかく二人の前に
カップを据えた。
サレヒュトがカップへ
口を付ける。
『ほうぅ。
素晴らしい香りだな。
深い苦味が嫌味でない。』
慧人も一口。
『美味い。ネイありがとう。』
ネイはニッコリ微笑むと
深くお辞儀をする。
『サレフ、砂糖やミルクを入れても
楽しめますよ。』
慧人が砂糖とミルクのポットを
サレヒュトへ勧める。
『いや、俺はそのままがいいな。
この味を崩さない方が良い。』
『そうですか。
自分も何時もブラックで
飲んでいます。
酸味を抑えた豆なので
このままが一番美味いと思います。』
『なるほどな。ブラックか…。
慧人、皆に話す前に
先に聞いて貰いたい事が有るんだ。』
サレヒュトの表情が真剣なものに変わる。
本当は夜、皆に話すつもりだったのだが
折角のこの席に慧人には先に
知らせて置こうと
コーヒーの香りと味が
促させたのかもしれない。
慧人がもう一口カップに口を付けて
サレヒュトへ向き直る。
『お聞きしましょう。』
重要な話しが
サレヒュトの口からされるのは
真剣さでハッキリ分かる。
慧人も気持ちを据え
体の向きを変えて
聞く体制に入った。
サレヒュトは慧人の目を見据えると
前置き無しに本題へ入った。
『王都からの命令で
竜の巣を此方から攻撃する。』
はしゃぎ疲れて
木陰で微睡み
ひんやりとした心地よい風に
木漏れ日を仰ぎ見
子供達の笑い声を
BGMに少しまた瞼を閉じ
今このひと時を満喫する。
人は何処へ行こうとも
こんな時間を愛し
幸福を実感するものなのかもしれない。
それを感じている時は
漫然と受け止めていて
この一瞬が一度きりだという事を
考えたりはしない。
そこから切り離された時
ああ、あの時は最高だった
などと振り返るものだろう。
無限に続く事などあり得ないし
かと言って訪れる時々を
100%最高に昇華出来るはずも無い。
しかし、密度の濃い時間も
何気なく過ぎてしまった時間も
全ては有意義な事だったのかもしれないと
後々思える人はやはり結果的に
時間を無駄にしなかったと
言えるのかもしれない。
それは、その事に
気付いた者のみが
得られる無形の財産。
昼食が済み
子供達はまた水遊びに行く
慧人はネイに頼んで
煎りたて挽きたての
コーヒーを淹れてもらう。
ネイが慧人の為に
こだわって選んだ豆を
最高のローストへ仕上げて行く。
香ばしいコーヒーの
芳香が辺りに漂った頃
サレヒュトがその香りに
誘われて慧人へ
尋ねた。
『なんか物凄く良い匂いがするな。
なんだ?新しい酒でも作ってるのか?。』
『コーヒーと言う飲み物を
ネイに作ってもらっています。
お酒ではありませんが
とても美味しいですよ。
エールが好きなサレフなら
きっと気に入ります。
どうです?。飲んでみませんか?。』
『良いね。
俺も貰うよ。大人の飲み物なんだろ?。
この香ばしさは。』
『そうですね。
深い香りとしっかりした苦味
覚えたら病み付きになりますよ。』
慧人が簡単にコーヒーの
講釈を終えると
ネイが二人分の淹れたて
を持って来てくれる。
『どうぞ、お二人とも。』
ネイが一流メイドの所作で
柔らかく二人の前に
カップを据えた。
サレヒュトがカップへ
口を付ける。
『ほうぅ。
素晴らしい香りだな。
深い苦味が嫌味でない。』
慧人も一口。
『美味い。ネイありがとう。』
ネイはニッコリ微笑むと
深くお辞儀をする。
『サレフ、砂糖やミルクを入れても
楽しめますよ。』
慧人が砂糖とミルクのポットを
サレヒュトへ勧める。
『いや、俺はそのままがいいな。
この味を崩さない方が良い。』
『そうですか。
自分も何時もブラックで
飲んでいます。
酸味を抑えた豆なので
このままが一番美味いと思います。』
『なるほどな。ブラックか…。
慧人、皆に話す前に
先に聞いて貰いたい事が有るんだ。』
サレヒュトの表情が真剣なものに変わる。
本当は夜、皆に話すつもりだったのだが
折角のこの席に慧人には先に
知らせて置こうと
コーヒーの香りと味が
促させたのかもしれない。
慧人がもう一口カップに口を付けて
サレヒュトへ向き直る。
『お聞きしましょう。』
重要な話しが
サレヒュトの口からされるのは
真剣さでハッキリ分かる。
慧人も気持ちを据え
体の向きを変えて
聞く体制に入った。
サレヒュトは慧人の目を見据えると
前置き無しに本題へ入った。
『王都からの命令で
竜の巣を此方から攻撃する。』
3
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
夫の妹に財産を勝手に使われているらしいので、第三王子に全財産を寄付してみた
今川幸乃
恋愛
ローザン公爵家の跡継ぎオリバーの元に嫁いだレイラは若くして父が死んだため、実家の財産をすでにある程度相続していた。
レイラとオリバーは穏やかな新婚生活を送っていたが、なぜかオリバーは妹のエミリーが欲しがるものを何でも買ってあげている。
不審に思ったレイラが調べてみると、何とオリバーはレイラの財産を勝手に売り払ってそのお金でエミリーの欲しいものを買っていた。
レイラは実家を継いだ兄に相談し、自分に敵対する者には容赦しない”冷血王子”と恐れられるクルス第三王子に全財産を寄付することにする。
それでもオリバーはレイラの財産でエミリーに物を買い与え続けたが、自分に寄付された財産を勝手に売り払われたクルスは激怒し……
※短め
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
【完結】英雄様、婚約破棄なさるなら我々もこれにて失礼いたします。
紺
ファンタジー
「婚約者であるニーナと誓いの破棄を望みます。あの女は何もせずのうのうと暮らしていた役立たずだ」
実力主義者のホリックは魔王討伐戦を終結させた褒美として国王に直談判する。どうやら戦争中も優雅に暮らしていたニーナを嫌っており、しかも戦地で出会った聖女との結婚を望んでいた。英雄となった自分に酔いしれる彼の元に、それまで苦楽を共にした仲間たちが寄ってきて……
「「「ならば我々も失礼させてもらいましょう」」」
信頼していた部下たちは唐突にホリックの元を去っていった。
微ざまぁあり。
断腸の思いで王家に差し出した孫娘が婚約破棄されて帰ってきた
兎屋亀吉
恋愛
ある日王家主催のパーティに行くといって出かけた孫娘のエリカが泣きながら帰ってきた。買ったばかりのドレスは真っ赤なワインで汚され、左頬は腫れていた。話を聞くと王子に婚約を破棄され、取り巻きたちに酷いことをされたという。許せん。戦じゃ。この命燃え尽きようとも、必ずや王家を滅ぼしてみせようぞ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる