リュウのケイトウ

きでひら弓

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8色付く日常1初登校

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1997年5月2日
朝食を済ませた三人は
慧人と一緒に学校に登校するため何時もより少し早目に家を出た。慧人がホームルーム開始前に教員室に用事があるからだ。
『自転車通学なんだな。オートランダー系(動力付き自立制御自走車)を使わないのは解るがバイクなら良いんじゃないか?』
『こちらの文化では"通学は自転車又は歩きにて青春と言う名の時間を享受する"ものなんだそうですよ。』とニッコリ微笑むティタ。
つまりは合理主義より、ご都合主義の方が重要視される文化構成に、より強い執着を持っているのだと慧人は理解した。
(何かの娯楽文化の様式に毒され過ぎなのではないか?)
この時慧人は自分の思考が極めてマイノリティーだと言う事に一切気付いていないのだった。
『迩椰は慧人の後ろに乗りたかったな。』
指を咥えんばかりの迩椰の呟き。
それを自分の指定席だと譲らぬティタが窘める。
『自転車の二人乗りは禁止ですよ。
禁止でなかったら私が慧人さんの後ろに乗りたいくらいです。』
そんな二人に慧人は少々呆れ顔で、
『学校まで10分程度だろ二人とも我慢しろ。禁止で無ければ二人位乗せても十分(じゅうぶん)走れるが言っても仕方のない事だ。』
こんな慧人の一言に一筋の光明を見出して"キュピーン"と擬音が聞こえる程に目尻を輝かせるティタは思案する。
(三人乗りですって!なんて素敵な!学校に特別許可を取って自転車を改造しようかしら…)
ティタの固有スキル"デザイナー"によれば学校の許可以外は造作も無い懸案だっただろう。
ティタが不穏な思考を巡らせて自分の妄想世界に少し間、飛んでいた事にこの時の他の二人は思い至る筈も無かった。
(この物語の中ではクリエイターとはゼロから物を創造する事でデザイナーとはスキル執行者のセンスにより形、色等を造型する事としています。例えるなら、
自転車と言う概念を創造するのがクリエイター、その形や色を決めるのがデザイナーであるとの表現になります。)
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