リュウのケイトウ

きでひら弓

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37合宿14デモンストレーター

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慧人が各種設定を
操作している頃
適正値計測を終えた
三人とミゥが
シミュレータールームに
戻って来た。
『おっ!なんだ?
面白い物でも始まるのか?。』
ミゥが外部モニター前に
集まる、夢見る乙女 元い、
Aチーム三人に何事かと 
尋ねる。

その問いにティタが
代表で答える。
『慧人さんが
私達の要望で
的当てのお手本を
見せてくれるんです。』
それに続き迩椰も、
『迩椰達の
お願いだけど
慧人も結構ノリノリだった。』
少し茶化して答える。

『へぇー
 良い所に帰って来たな。
お手並み拝見と行こうぜ。』
智が意地の悪い笑みを作り
一言もらす。

『あんた、
そういう言い方は、
一応一通りこなした人の
セリフなのよ。
シミュレーターにも
乗れて無いのに良く
言うわ。』
千陽は呆れ顔で、
智の顔を覗き込み
訳知った風に 
毒を吐く。

『トキツヅルのは
一応やってるんだから
良いじゃねーか。』
すかさず反論する智。

『二人共、
ゴチャゴチャ言ってないで、
良く見ておけ。』
ミゥが二人を諭す。

『そうだよ、
武装選択からして
興味深い事になってる。
見逃したらもったい無いよ。』
興味深々の康太は
これから始まる事に
ワクワクして目を輝かせている。

『静かに、
始まりますよ。』
ティタの言葉と共に
開始のカウントダウンが
ディスプレイに表示された。
夏は一瞬も目を離さぬよう
息もつかせぬ勢いで
ディスプレイを凝視している。
…………
3……
2……
1……

的用の敵機が、
近接、一度に4体出現。
機銃点射2機を一瞬で
葬り、残り2機
前傾スラスターブースト
長刀、横薙ぎ一閃2機同時撃破
ここまで2秒。

(的当ての場合、
機体の何処に当たっても
一発、一閃で消滅となり
実戦過程の場合の適性
無力化とは判定が異なる。)

次に6体同時出現。
中距離4体、
機銃二丁同時点射4機撃破
遠距離2機を
マニューバスラスタージャンプ
ガイナ キャノン2発2機撃破
着地前に近接6時に4機出現
1時、11時にそれぞれ近接2機
着地と同時に低姿勢より
後ろ回し蹴りザベルニードル
2機撃破、ウェポンベイ展開
フォックステールリーダー
鞭状に旋回2機撃破、
前転、袖口より
プレシエントダガーそのままの
低姿勢で2機撃破、
長刀、抜き横薙ぎ2機撃破
中距離4機出現、遠距離2機出現
近接4機全て同時出現、
重力慣性スラスター制御
高めにジャンプ、
遠距離ガイナキャノン2機撃破
そのままウェポンベイ展開
ドローインランチャー発射近接
4機撃破、中距離、機銃点射4機
撃破。ここまでを30秒……
……

7人が食い入る様に
外部大画面モニターを見つめる。

(なんだ、なにが起こっている?
何なんだ、あの動きは…)
智の見つめる目が恐ろし物でも
見る様、険しくなっている。
康太は、ぽかーんと
開いた口が塞がらない。
(え、何   これ。
            どーなってんの?。)

(けーと、凄いよ
   迩椰もあんなんやってみたい。
       次はもっと上手やる。)
迩椰の目が爛々と輝く。

(慧人さん、
やっぱり隊長、素敵です。
ずーっと私達を見守っていて
下さいね。私も負け無い
様に頑張りますから。)
ティタがうっとり、
手を胸の前で組みモニターを
見る目も潤ませて。

(ほう、
あそこでバク転頭立からの
アクセラレータマニューバ、
ウェポンベイ展開、
ドローインランチャーか
なるほど、
おー更にフォックステールリーダーを
展開、そこから機銃掃射、
長刀、横薙ぎ一閃か
なかなかヤルじゃないか…)
ミゥは腕組みしながら、
様子を咀嚼するかの如く
時々頷き自分の動きと比べて
いる。

(お兄ちゃん、
私も追て行ける様に頑張る。
今の私じゃ、足手まといに
なっちゃうよ。
でも一緒に居たいから
もっと上手になる。…)
夏は決意も新たに卓越した
動きを見逃すまいと必死に
食らいつくよう見守っている。

(これが、
本当の…やっぱり
こう言う事だったのね…。)
一人、周りとは見る目が
違う。
何か別の事を考えるよう、
見据える目も鋭く
何処か 穿っている。千陽。

全ての状況を終了し、
シミュレーターから
慧人が降りて来る。
特に疲れた感じも見せず
日常の当たり前の事だったと
でも言うかの如く。
『お疲れ、
   なかなかの動きだった。』
ミゥの面には笑顔が
浮かんでいるが、
特に激励するでも無く
淡々とした物だった。

『お疲れ様です。
       
  あれで良かったんでしょうか?。』
慧人の返事は後半ミゥにだけ
聞こえる様に声を潜めた
ものだった。

(ああ。
あれでも出力60%に
絞っての物だったんだろう?。
ならば問題ない。
が、君の動きはこの出力でも
何と言うか大胆と言うか、
容赦無いな。

あの動きで機体の各パーツ
からは悲鳴が上がっこんのか?。 
まあ、君が行っているのだから
問題無いのだろうが。
それと私との会話をしばらく
精神感応に切り替てくれ。)
ミゥが何かを覚らせない様、
精神通話で会話を飛ばして来る。

(了解。
動きに関しては問題ありません。
あれでも、各パーツの限界に
かなりのマージンを取っての
物です。各関節に用いた、
ゲル化シルの応用物質である、
ゲル化シル アシストジンが
動きによるストレスを
ほぼ、無効化していますので。)

(なるほど。
ならば、納得だ。
次は実機での検証と
         言う事だな。)

(そうですね。)

ミゥとの精神感応での通話中でも
C組のメンバーからの
質問が飛んで来る。

『お疲れ。
凄かったな、あの動き。
あんなの俺達には無理だぞ
お手本にするには
難易度が高過ぎだ。
まあ、出来だけ頑張る
けども…。』

『お疲れ様。
僕、見てて、惚れ惚れ
しちゃったよ。
なんと言うか、
カッコ良かったよ。
とりあえず、乗れる様に
ならなきゃね。あはは。』
智と康太から労いが飛ぶ。
自分達の技量を上回る動きに
溜め息混じりに。

『慧人さん、
お疲れ様です。
何時もながら
素敵でした。うふふ。』

『慧人。
迩椰もっと練習しなくちゃ。
次も教えて。
もっと上手になるから。』
ティタはうっとり、
迩椰はやる気に満ちて。

『慧人君。
私、もっともっと練習する。
……ちゃんと追ていくから。』
夏は憧れと自分の決意を胸に。
『お疲れ様。慧人君。』
千陽は顔では慧人を
労う様、笑顔を作っているが、
言葉少なに、思案を巡らして
心ココに在らず。

慧人はクラスメイトからの
労いの言葉に笑顔で応え、
一人、少し雰囲気の違う者を
視界の端に捉えながらも、
心揺さぶられる事もなく、
何時もと変わらぬ風を
崩す事も無かった。


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