リュウのケイトウ

きでひら弓

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46大会へ向け5夏の想い

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『そうか…
     そう言う事が
        在ったんだな。

  だったら夏、
      雅美と試合をして
  その時、雅美に伝えられなかった
     想いをもう一度、
  ぶつけてみよう。

  当時の二人は
     剣術、
        武道に対しての
   想い入れ方が
     決定的に違っていた。

  でも、今なら
     当時の夏が何を大事に
  したかったのか、
     雅美に伝えられるかも
  しれない。

  だから
     もう一度ど
         雅美と試合をしよう。
 そして二人の蟠り(わだかまり)を
        払拭しよう。』
慧人は
  夏を鼓舞する様に
雅美との試合を掻き立てる。
  夏の想いを届けさせる為に。

『はいっ!。
     私、やってみます。
   今度は絶対その場から
     逃げ出さず
   きちんと伝えたいと思います。

  あの、
      お兄ちゃん、
   その為に私に力を貸して
      下さい。
   
   どうしたら、
      今の私の全部を
   雅美ちゃんに
      届けられるのかを。』
夏は決意も新たに、
そして前へ進める様に
慧人に助力を仰ぐ。

『雅美は今、
     夏が弓道を嗜む事を
  知っているのか?。』

『知っては
     いるかもしれません。
   でも、実際に私が
     弓を射る姿は
    見た事が無いと思います。』

『そうか、
     ならばやっぱり
   あの作戦が適しているな。
     今の夏の全ての武道の
   センスを雅美に見せてやろう。

   夏の武道のセンスの
       全部を表すのに
   カムイはきっと裏切らない。

   遠距離攻撃に固執する事無く、
      近接だけに偏るでも無く
マルチな才能を見せてやるんだ。

"カムイは魔法使いにとっての
   杖のような存在に成り得る物"

 しかし RPGの遠距離支援専門の
       魔法使いの様な
    一辺倒な攻撃だけしか
       出来無いのなら  
          仕方ないが、
  カムイは全ての攻撃域を
        カバーする事が出来る。
 それを最大限活用しよう。』
慧人はある作戦を考えながら
夏に秘策を伝授しようと
カムイの動きに思いを馳せていた。

『お兄ちゃん、
        どうか私に
   その作戦を教えてください。
  きっと成功させてみせるから。』

『ああ、
     演習場の使用が
   確保出来次第、
     特訓と行こうか。
   大丈夫。夏なら
     きっと上手く出来るさ。』

『はい。
    私、絶対頑張るから。』

二人は大会に向けて
大きく動き出すのだった。
過去の蟠りを払拭して
夏の想いを届ける為に。
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