リュウのケイトウ

きでひら弓

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75大会17康太 覚醒

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千陽に関する心配事は有れど
四番手の試合は始まる。

A組四番手
      紅 繽九
C組四番手
      佐々木 康太

『康太、
機械に対するセンスに
期待してるぞ。』

慧人より通信回線で
短い激励が飛ぶ。

『任せといてよ。
僕はメンテナンス志望だけど、
ロボットの操縦は子供の頃からの
夢だったんだ。

カムイは素晴らしいよ。
こんな僕でも勝ち目を
見せてくれるんだから。

だから、クラスの為にも
カムイの為にも頑張ってみせるよ。』

康太のヤル気がMAXに近づく。
バーチャルモニターを見つめる
表情にも何時もの可愛らしい
面持ちと違って、
オトコらしい気合いが感じられる。

『そうか、
ならば俺からは以上だ。

頑張れ。』

慧人も康太からの言葉に
表情を明るくする。
そして此れからの試合が
少し楽しみな物になって来ていた。

試合開始グリッドへ
二機が位置する。

試合開始シグナル
赤 赤 赤 黄 青

康太のカムイは
開始と同時に左旋回後方へ
距離を稼ぎつつ
90㎜アサルト ライフルを
二連射、繽九の操るアマツカゼを
牽制、同時に近付く事への
警戒を促す。

しかし繽九の操るアマツカゼは
そんな事はお構い無しに
70㎜機銃を点射しながら
グイグイと距離を縮めに
カムイのライフルの弾道を
巧みに躱しながら接近して来る。

『紅さん、流石だね。
軽快なフットワークで
あっさり躱してしまう。

でも、僕もむざむざ
ヤラレたりはしないよ。

僕とカムイのコンビが
ぴんくちゃん
君に一泡吹かせて見せるから。』

康太は不敵な笑みを浮かべ
何処かで見た事が有るような
独り言をカムイのコクピット内で
結構な音量で語っていた。

康太のカムイは
接近するアマツカゼへ
70㎜機銃を掃射、
ぴんくの操るアマツカゼは
その銃撃をひらひら躱し
剣撃を狙うべく
カムイの懐へ潜り込もうと
地上スレスレまで
機体の高度を下げ
長刀を抜き肉迫しようと
試みる。

康太はアマツカゼが高度を
下げたのを見るや
右腕のウェポンベイを展開
炸裂型の小型ロケットランチャーを
発射、射出後直ぐに炸裂
煙幕をその場に作り
下方からの接近を阻止しようと
試みる。
そして、その煙幕へ向け
70㎜機銃をメクラ撃で掃射する。

ぴんくはロケットランチャーの
射出を見るや、
煙幕を警戒。
直ぐに高度を上げ
ロケット弾を一時の方向へ
見える位置へ移動する。

この行動はわずか2秒足らずの
出来事である。

康太の張った煙幕の
外側からカムイの機銃掃射の
状況を観測すると
弾幕が切れる直前
廻り込む様に
急旋回してカムイの右前方へ
長刀を切り込んだ。

カムイの右胸を叩き伏せる
斬撃に肘のムーバル マウントへ
装着されたバインド ブレイクを
太刀筋に合わせて
長刀を受け止める位置へ。
康太の一瞬の思考をカムイが形にする。

バインド ブレイクへ長刀で斬り付けられ
刃を弾く?!。

通常の盾であれば、そうなっていたところ、
長刀はバインド ブレイクへ
深くめり込んでいたのだ。

『?!
長刀が盾にめり込んで…
ぬ、抜けない?!。

な、何ですのぉ~
この盾は~』

ぴんくは目を丸くして
モニターを凝視すると
思わず大声を発して独り言を
叫んでしまっていたのだった。

『掛かった!。
どーだ、これがバインド ブレイク!。

普通の盾とは訳が違うんだ。
長刀はもう使い物にならないよ。』

複合、軟質系 柔軟性を有する素材。
受けた攻撃の運動エネルギーを吸収。
その柔軟性から刃、銃弾等を
挟み込む又は包みこみ捕らえて
放さない。
5分程度で形状記憶により元の形へ
復元、この時までは捕らえられた物は
外す事は難しいだろう。

このチャンスを逃すまいと
左脇のウェポンマウントより
新形状スタン短刀
スタン ソリッドを抜き出し
アマツカゼの右腕へ叩きつけようと
振りかぶる。

紅 繽九は忍びの者が有する
独特の第六感で
この武器の危険性を察知
接触を免れ間一髪で
左半身で躱すのだった。

『あの、おかしな形状の短刀は
何ですの?!。

形だけじゃない
きっと謎の性能を隠してますの。

触れるだけでもきっと、危険ですの。』

3枚の短剣を重ねたような形状。
横から見れば普通の短剣に見えるが
剣先から見ると3枚に別れ
フォークのような形になっていて
相手の刃物を捕らえ、その超硬質素材で
へし折る事が可能。
加えてスタンさせる機能も有する。

『ちっ!。
躱されたか。

なにっ!。』

ぴんくはスタン ソリッドの
突きを躱し、瞬間
忍者お得意の煙幕玉を炸裂させた。

『まずいっ!。

カムイ 出来るかっ?!。』

煙幕玉炸裂と共に
康太のカムイは後退
即、両肘のムーバル ウェポン マウントの
バインド ブレイクで防護壁を形成。
同時、煙幕の中心目掛けて
70㎜機銃の掃射が掛かる。

これを凌ぎきり
掃射が止んだ瞬間
90㎜アサルト ライフルを構える。

しかし、
カムイの7時の方向よりアラート
ぴんくの操るアマツカゼが
瞬時に廻り込んで近接より
短刀二本により刺突
これを構えていたライフルで
振り向き様に薙ごうとする。

その動きをも読んでいた
ぴんくは低姿勢へ構え、
左の短刀でライフルをいなし
右の短刀をカムイの腹目掛け突き出す。

カムイはライフルをいなされたが
左手にスタン ソリッドを構えていた。

スタン ソリッドを
アマツカゼの胸目掛け突き出す。

刹那、試合終了のブザーが
場内へ鳴り響いた。

『試合終了。
        勝者 A組 紅 繽九。』

ぴんくのアマツカゼは
半身になりギリギリで
スタン ソリッドの接触を
許さなかったのだった。

場内に歓声が響き渡る。

『あと、ほんの少し
あたしの短刀が短かかったら
負けていましたの。

こんなに熱くなれた闘いは
久しぶりでしたの。

佐々木君、
貴方のお名前は覚えて置きますですの。』

『紅さん
流石ですね。

今日は僕の持てる物を
全て出し切りました。

もう一度、刃を交える機会が
あったら今度こそ勝って見せます。

それと、ぴんくちゃんて
呼んでもいいですか?。』

『ダメですの。

でも、もう一度 闘って
あたしに勝てたら
そう呼ぶ事を
許して差し上げますですの。』

『ありがとう
           ぴんくちゃん。』

『だから、ダメって。

まだ呼んでいいって
   言って無いですのっ!。

この
お馬鹿さんっ!

           ですのっ!。』
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