リュウのケイトウ

きでひら弓

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2エバンス21柔らかなる流れ

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『母上、そのお姿は?。』

慧人の声には
あり得ないモノを追求する
声音が混じっている。

『あらぁ~
もしかして、気付いちゃった?。

慧人鋭いわね~。

このボディはフィギュエイドと
同じ物よ。

ちょこっとカスタムしちゃってるけど。

ウフフフフ…。

貴方が組んでくれたデータを基に
少しアレンジしたのよ。』

『そうでしたか。

まさか、人の姿で母上が
現れると思っていなかったものですから。』

『ドッキリ大成功ね!。

これも貴方がフィギュエイドを
完成させてくれたからだわ。

おかげで私ももう一度
人と変わらぬ感覚が手に入った。

慧人、ありがとう。』

『いえ、自分はそんな…。

役立てて下さったのなら
良かったです。

しかし、いつの間に
データを持って行かれたのです?。

全然、気が付きませんでした。』

『それは、
エレクトリック マザーなんて
呼ばれてるくらいですもの。

そんなものは
私にとって呼吸をするようなものよ。』

『なるほど…。

そうかもしれませんね。』

『さて、
雑談はこの辺にして

皆んな、奥へいらっしゃい。

立ち話もなんだし。』

マザーは玉座の方へではなく
ホールの脇の入口へ向かった。

入口をくぐり
直ぐの所に20畳程の部屋があり
一面真っ白ながらんとした
何も無い空間。

一行が部屋へ入りドアが閉じると
周りに美しい薔薇の咲き誇る
庭園がホログラフのように映しだされる。

床から庭園に似つかわしい
テーブルセットと
その上にはティーセット。

小鳥の囀りも聞こえて来る。

『皆んな座って。

お茶にしましょう。』

ネイが全く言葉なく
素早くその場の全員のお茶の用意を
始める。
ハピも少し遅れて
支度しようとしたが
ネイがハピとレピに
視線で支度は自分がする事を告げ
二人の動きを制する。

ネイの隙のない所作を見るに
マザーは嬉しそうにニコニコしている。

ネイがマザーの分のお茶を
席へ運ぶ。

『ありがとう。
素敵な所作ね。ネイ。

貴方も私の娘と言えるわね。
ハピもレピも。

お母さん嬉しいわ。

こんな、素敵な息子と娘達に
囲まれて。

もう一度こんな思いが出来るなんて。
想像も出来なかった…。』

マザーとネイは瓜二つだ。
ほんの少しだけ
マザーの方が年上に見えなくもないが
美人姉妹、
いや双子にも見えなくも無い。

嬉しそうに微笑むマザーに
ネイもニッコリと屈託の無い
笑みで返す。

見つめ合う目と目で
通じ合っているのだろう。

其処へティタが口を挟む。

『あの、
和やかなところ、申し訳ありませんが
外の状況、あまりのんびりと
していられないのでは…。』

マザーはその言葉に慌てる風もなく

『それなら大丈夫よティタ。』

マザーは短く笑顔を崩す事無く
答える。

『ティタ、
このお城に入ってから
周りの空気が違う。

雰囲気が外とは違う。』

ティタは、見た目からして
そりゃそーだと心の中で思う。

『ええ、迩椰。
外の荒廃感とは明らかに
違って澱んでいないのは私も解るけど。』

『そう言う意味じゃ無い。

なんて言うか
空間……時間……時空…
流れがおかしい。』

『あら、
迩椰には解っちゃうのね。
獣人のお姫様は空間感に敏感なのね。

そうよ、此処は外とは違うのよ。』

キャッスルに入ってから
空間の雰囲気のちがいは
慧人にも解っていた。

しかし、人が想像し得る
雰囲気の違いよりも
遥かに異なる空間に
この場所は創り変えられていたのだった。
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