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空白メア

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4話

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産まれてくる場所は選べない。人生の中で最初にして最大の博打だ。環境は自分で変えられるとよく言われる。けど、生まれた環境によっては変えられない人、変えるには越えられない壁ある人、変える知識もしくは変えることを知れない人だっている。性格の半分は環境下で成り立つという。ひねくれるにはそれだけの知識と場所が必要だ。私は変えられるけど知識がない人だった。私は昔から馬鹿で容量が悪い。それは、両親は頭が悪いし未熟という環境下で育ったからだ。だからよくつまらない事で喧嘩をするし暴力を振るわれた。対象は私だ。怖いし嫌だと思っても解決の仕方がバカな私には分からなかった。
そんな私に転機がきた。彼氏出来たのだ。彼の名前は荒川あらかわ はじめ。友達に誘われた合コンで出会った人だ。初めはそこら辺のイケメンだと思っていたが違ったのだ。とても優しくて私の家の事情を教えても受け止めてくれた。今日だって、大学で落ち合うなり昨日はごめんねってプレゼントをくれた。まだ恋人ままで居られると思うと嬉しい。
「おーい!一!」
と向こうから彼を呼ぶ声が聞こえた。私は思わず手首を隠す。
「ああ、灯君か。どうしたの?」
荒川くんに話しかけたチャラいやつは、呉橋くれはし とうと言って呉橋は荒川くんの友人らしい。
「いや、課題のレポート返してくんない?今日提出じゃん?」
呉橋はだらしない彼と違ってしっかりしてるらしい。見た目的には逆だけどね。呉橋は私も友達だ。
「ああ、ユリちゃんもこんにちは」
と、私にも呉橋は遅れて挨拶する。
「こんにちは。」
「ああ、あった。ありがとね」
と荒川くんは見つけたらしい課題を呉橋に手渡す。
「これから、ユリの講義送りに行くからじゃぁね。」
そして、荒川くんの言葉で呉橋と別れる。
「……ねぇ、灯君はいいけど、他に男と喋ってないよね?」
始まってしまった。
「そ、そんなことないよ。」
「ふーん。まぁいいや。じゃぁね。また、終わったら迎えに来るから。」
そう言って彼は私と別れる。私は家でいじめられて、今彼の荒川くん家に家出した。そんな私は彼にDVを受けていたのだ。
「あれ、ユリちゃんじゃん。」
と後ろの席に行こうとする私の手首を掴む奴がいた。呉橋だ。
「ああ、呉橋じゃん。」
「お前もこの授業とってたのな。横どーぞ」
と彼は通路側の席を一個横にずれて空ける。この授業はほかの友達は取っていないと聞いたし、まぁいいか。

「ねぇ、手首どうしたの?」 
授業中に呉橋に急に言われる。多分あの傷だろう。
「彼と揉めちゃってね。」
「そう。前もそう言ってたね。」
と彼はノートをとりながら私に言う。そうだっただろうか。
「あまり暴力を奮ってるのは男としても友達としても許せないな。俺が注意しようか。」
「……いいよ。」
心から本当は助けを求めたい。でも出来ない。
「そ、それならいいけど。何かあったら言って」


「ごめんね!!なんで、開けて!」
荒川くんは私を締め出した。初めての事だ。嫌だ。怖い。彼が何の逆鱗に触れたんだろうか。思考をめぐらせても分からない。寒い。私はスマホを開く。友達は連絡しても誰も反応してくれない。そりゃ深夜三時だ。普通なら寝ている。最後の希望で呉橋に電話すると彼に繋がった。今の状況を伝えると快く家に入れてくれた。なんであんな見た目なのにこんなに優しいのだろう。なんで彼女いないんだろう。もし彼の彼女になっていれば幸せだったのかな。私は教えて貰った住所の家に行くと普通の戸建てだった。
「ああ、来たの?寒いっしょ。入ってお風呂準備しといた。」
私はそう言われ家に上がり、風呂に案内される。その途中、半開きの部屋が気になった。
「ここは?」
彼に聞くと、驚いた様子で、直ぐに閉めた。
「ああ、妹の部屋だよ。ちゃんと閉めろって言ってるのに。」
「え、妹?」
「そうだよ。」
「へぇ」
「今寝てるから静かに通ってね。」
そう言われ私は静かに通る。そしてお風呂を借りさせてもらった。暖かくて心が和らいだ。もう春になるはずなのに今日は真冬並の寒さになると言っていた。あのままでは財布も持ってないし凍死してたかもしれない。風呂を出ると彼はロビーに案内してくれた。
「本が沢山あるのね」
「俺と妹の文献だよ。」
「妹さん大学生なの?」
「今は高校生だよ。童話に興味があるらしくて今無茶苦茶調べてるんだ。」
童話か。懐かしいな。お母さんが優しかった頃は本屋による度必ず1冊は強請ったものだ。
「ユリちゃんは何が好き?」
「私はシンデレラかな。」
王子様に救われるエンド。私も昔は夢に見た。
「確かに王道だけどいいね。俺も風呂入ってくるよ。くつろいでて、本を読んでいても構わないよ」
私は彼が居なくなると本を読む。しかし、私はふと、彼の妹がどんな子か気になった。気になり出すと読書に集中出来なかった。私は、さっきの妹の部屋というところを覗きに行った。寝るとしたら自室だろう。しかし、そこに高校生女子の姿はなく、絶望しているように見える学生が沢山いた。死んでる人も骸骨もある。私は危機を感じて逃げだした。
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