祀鶴歌――明日をつかみとれ!――
あたしの名前は炭未琴――異性に極度の拒否反応を示す少年犯罪者だ。更生訓練施設のある万平埜島へ送られることになり,同じ少年犯罪者の大和祀鶴歌と出会った。ロシアの諜報員に養育された祀鶴歌は,彼との異常な関係に苦しみ,愛する人を殺めてしまった結果,解離性同一性障害,所謂多重人格障害をもっている。そんな祀鶴歌と万平埜島へむかう途中,航空機が墜落する。墜落機の所有会社の御曹司劉海滋に救われ,あたしと祀鶴歌はクルーザーに滞在するが,航空機を墜落させた爆破犯の嫌疑が祀鶴歌にかけられる。劉は祀鶴歌を懸命に守ろうとするが,副社長の嵐山蜜瑠から厳しい追及を受け,事件の真相を解明する責任を負わされた。身の危険を覚えたあたしと祀鶴歌は脱出を試みるが,洋上で拘束される。祀鶴歌を愛してしまった劉は,祀鶴歌の障害に気づかないまま,一貫しない態度に翻弄され,不満と嫉妬を募らせていく。ついに祀鶴歌に対する思いは沸点をこえ,彼との関係を阻む者たちへの反感が殺意に転じ,忠言をなした老人を射殺してからは躊躇ない殺人が繰りかえされる。祀鶴歌の献身と蜜瑠の機転によって一同は難を逃れたものの,祀鶴歌の起こしたボート火災が勢力を増し,クルーザーをも炎上させる。生存者は無人島に漂着するが,劉の手にかかり死んでいく。囚われの身となった祀鶴歌を発見し,2人で逃亡するが,劉に追いつめられるさなか,野犬の群れに包囲されてしまう……
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