ドリームミュージカル

ぱっりん

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高校一年生、桜川高等学校合唱部

10話「合唱コンクールが近づく」

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合唱部へ、向かう。
歌乃は勉強をするから、
少し遅れてくるといってた。
途中、音が聞こえた。
吹奏楽部の音が聞こえる。
これは...何だろうか。
「白色の虹」だろうか。
有名な、24歳の作曲家、春川より子の曲。
静かな音色がドンドン大きくなり...
ゴンゴンと耳を突く。
ユーフォニアムとトランペットのソロ。
こっそり、吹奏楽部の教室を覗く。
ユーフォニアムは、私と同じ、茶髪の、
肩ぐらいのセミロング髪の、黒目の女の子。
トランペットは、黒髪の、ロングストレートの女の子。
何だか、私と歌乃みたい。
ユーフォニアムは、優しく、だが、ハッキリ吹く。
トランペットは、強く、だが、儚く吹く。
上手い。
ダイナミックなソロ。
普通は優しいソロが、強く大きい激しいソロ。
吹奏楽部、こんなにうまかったっけ?
そういえば、吹奏楽部も6月に顧問が、若手の女先生に変わったらしい。
桜井...音奈。
凄い上手なプロらしい。ユーフォニアムとトランペットの。
なんというか...ほかの部活が上手だと少し焦る。

初めから土俵も違うのにね。

合唱部の教室へつく。
まだ、誰も来てない。
パイプ椅子を置いていると、
ガラッとドアをあける音。
歌乃だろうか。
後ろを振り向いて、歌乃?に手伝ってーと言おうとする。
だが、後ろは部長だった。
「おはよー!ルアピー早いねー!まだ部活始まる26分前だよ。
感心だねえ。ルアピーは、私の隣だから...ここだよ」
部長は、トントンとパイプ椅子を指差す。
メロディーは名前順なのだ。
だが、一年が部長の隣なのは気が引ける。
私の左隣は歌乃で、右隣は部長。
トップに囲まれてる気分
「分かってますよ~。こんにちは!部長。」
少し洗い流すように言う。
私は部長が苦手だ。尊敬はしてるが、
人柄が物凄く苦手。
「ルアピー冷たいなー。
部長に一年生が覚えてもらえるなんて
珍しいのにぃーなんて。」
部長がニコニコしながら、椅子に座る。
部長は、毎日髪型を変えてる。この日はポニーテールだった。
並べ終わり、私も椅子に座る。
まだ、5人くらいしか来ていない。
「...部長。何で、一年は何人もいるのに、
私と歌乃だけ名前よびなんですか」
少し皮肉風に言う。
部長は、目を細めて、こう言った。
「そりゃあ...ルアピーは上手いから。
一年で上手いのは、ルアピーと歌乃ちゃんくらいだし。
それなら勿論覚えるよ。」
...少し嬉しい。
でも、後ろから睨むような視線。
星子だろう。
メロディーの一年を片っ端から睨んでる。
流石にウザい。
ガラリと音がして、透き通った声が、おはようございますと言う。
歌乃だ。
スッと私の隣に座る。
「ルア。いよいよ合唱コンクール、
来月でしょ。
だから、今日、部活終わったら一緒に練習しない?」
もう、合唱コンクールが来月か。
早い。まだまだ、だと思ってた。いいよ。と歌乃にいう。
港先生が入る。
「では、皆さん。時の旅人歌ってください。」
いきなり!?いつもは声の調子からなのに。
だが、みんな歌う。
優しく、だが強く。
ハモる。ハモる。
5ヶ月の厳しすぎて泣いた人もいたレベルの練習のお陰だ。
...そんなことを思っている矢先、大きくリズムが外れた。
...誰かが間違えた。
歌が止まらせられた。
港は、言う。
「星子さん、合唱コンクールまでは、
1ヶ月。
未だに間違えてるようならば、明日のメンバーには絶対入れませんね。」 
!!それで思い出した。
明日はいよいよメンバー決めだ!
星子は、泣きそうな顔でプルプルする。
ぼそりと何か言うが聞こえなかった。
明日、泣いても笑ってもメンバーが、決まる。

つづく
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