ドリームミュージカル

ぱっりん

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高校一年生、桜川高等学校合唱部

29話「イベント」

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文化祭だ。
屋台だったり、演奏だったり、
自由な桜川高校。
私達、合唱部は、港先生のイベントによって...
ダンスしながら、歌う事になったのだった。
この高校のダンス部は、今大会の日時が代わり明日なので、すでにその地にいる。
つまり、ルア達が、ダンス部の代わりをつとめなければいけなかった。

恋か、森の中で迷った所、森の中になった。
舞台裏で、衣装に着替える。
なぜ、合唱部なのに、こんな、凝った衣装なのだろう。
それは、ダンス部の代わりだからであった。
赤のスカートを履く。中には、スカートの丈より
短いスパッツがついていた。
スカートは膝上8センチ。
服を着る。白の服には、謎のロゴが書いてある。
英語で、青春合唱部と書いてある。
その上に、緑のジャケットを着る。更に、
緑の帽子を着る。落ちないように、紐もつけた。
森をイメージした、その衣装。
靴は、ブーツ。
かっこいい系の靴。髪の毛はポニーテール。
葵を見ると、少し、ルアはドキドキした。
かっこいい。
女の子と違って、青いズボンと、ジャケットは、葵に
とても似合っていた。
歌乃も、美しく着こなしていた。
イベントは、メンバーじゃなくても、できる。
文化祭は、始まった。
ダンスのリハーサルをする。この時ほど、バレエやダンスを
習ってて良かったと思った事はない。
歌は、覚えてる。振りも、覚えてる。
ダンス部に、教えてもらった。
練習は、10何日程度だったが、コンクールと両立できた。
森の中。森のくまさんをリズムに入れた、ポップで、明るく、切ない歌。

「では、ダンス&合唱部による森のくまさんです」
アナウンスが響く。
カーテンが、閉じている。私達は舞台裏で、待機してた。
カーテンが開くと同時に、センターの雪葉が動く。
他は、木を表現するポーズをする。
雪葉が、足踏みをした、その瞬間、二年生が、動き出す。
二年生は、後ろ姿を舞台に向け座ったり、立ったりする。
いよいよ、一年の出番だ。
雪葉が、センターの特権で、旗を持っている。
それを、雪葉が、ぴんと上げると、音楽が始まり、
一年は動き出す。
花と心は、クルと、雪葉の周りを踊り、
歌乃は、雪葉みたいに足踏みをする。
いよいよだ。
ルアは、体が柔らかいせいで、側転する。
きゅっと、唇を結び、側転する。
目が、周り、出来てるか分からない。
パッと立った瞬間、出来てたことが分かる。
拍手が鳴り響く。
ある日、森の中の音楽が始まった途端、歌は始まる。
まずは、一年と、二年。
「ある日森の中 くまさんに出会った」
ここまでは、同じだ。
だが、そろそろ、三年の場面だ。
「優しいアナタに出会った 蜂蜜舐めて 愛らしいくまさん」
雪葉の歌声が、一番響く。
星見空の、コーラス。
あー、という、美しき声が響く。
雪葉の隣だからであろう。
ここからは、とにかく歌ってダンスする。
優しいくまさん(あなた)に出会って、楽しくて、だけど別れないといけない。
そんな、内容。
終わる、その瞬間、皆が拍手の準備をする。
来るぞ。
その時だった。雪葉の旗が雪葉がボタンを押すと、上に伸び、天井にくっつく。
雪葉は、旗に捕まってぶらんぶらんする。
そして、終わりだ。
パチパチパチ。拍手が鳴り響く。
うまく行った。と安堵する。
雪葉の旗には仕掛けがしてあった。
雪葉の旗は、ボタンを押すと延びる。
それは、凄く長い。
延びるのを折りたたみ、旗をテープで固定する。。天井と、棒のさきっちょには、
磁石を付けておく。
雪葉がボタンを押すと、上に伸びると同時に、旗はテープから剥がれ、
床に落ちる。そして、磁石は、天井にくっつき、雪葉はそれにぶら下がる。
結構無茶なので、練習でも何度か間違えた。
でもできた。胸をなで下ろす。
正直楽しかった。
ドキドキと高鳴る胸。
後から、文化祭の屋台を、回る、打ち上げをした。
雪葉と、話したい。
皆お化け屋敷にいくなか、雪葉の後を追う。
3年生のクラスの、クレープ屋。
そこには、雪葉先輩も居た。
「ん?他の子皆、幽霊屋敷行ったのに、何でルアピーは、
クレープ屋にきたの?」
雪葉先輩が、ゲラゲラと笑いながら、ハムチーズクレープを食べる。
「お腹空いちゃって。」
「えー、嘘ーさっき、部の皆でたこ焼きとお好み焼き食べた
ばっかしじゃん」
「...部長と話したくて」
何か、恥ずかしい。赤くなる顔を見て、雪葉は、また、笑う。
「えー、めっちゃ赤いよ。
ま、いいや。隣座りな。かわいーねー。ルアピーは。」
雪葉の隣に座る。
「あの、部長」
「皆居ないし、雪葉でいいよ。はなす前に
クレープ頼みな。ほら」 
すらりとした、長い指が、メニューを差し出す。
爪は、キラキラと輝いていた。
「ありがとうございます。雪葉先輩、どれがおすすめですか?」
「私?私は、チョコかな」
「雪葉先輩はハムチーズなのに?」
「だって、私ブラックチョコしか好きじゃないから。
分かんないけど、こういうチョコ系ってだいたいミルクチョコじゃん」
「確かに」
チョコなら全部好きだ。チョコクレープを頼む。
「で?何はなしたいって?」
ハムチーズクレープに、がぶりと食い尽く雪葉。
それでも、なぜか上品に見える。
「文化祭、お疲れ様です。
うまくいって良かった...」
思わず出た、安堵の言葉を聞いて、雪葉は、表情を変えず
「だねー」と返す。
「雪葉先輩、スッゴくダンスが上手でしたね。
歌とかも上手いけど、いつからやってるんですか?」
「歌は、年中。ダンスは、小1」
言われた言葉のあまりの速さに驚愕する。
「そんなに、早く!?」
「歌教室とダンススクールと、あと、小4からは、歌クラブも入ってたな」
「どうして、ダンス部には入らなかったんですか?」
「歌の方が好きだから。」
雪葉先輩が、ばくりと、ハムチーズクレープを、残り全部口に放り投げ、
噛み砕く。チョコクレープを、ひとかじりする。
甘い。
すこしずつ食べていく。
ブルルルとバイブの音がする。
「ゴメン、琴が呼んでる」
「琴?」
「青山琴。二年生。
星見空が大好きで、星見空探すの手伝えだって。
面白そうだから、もう行くね。また明日!」
雪葉が手をふる。
また明日。そう返して、チョコクレープをかむ。
「あ、いたいた」
歌乃が入ってくる。
「幽霊屋敷、ルアいないから、探した」
歌乃が、雪葉のいた席に座る。
そして、野菜クレープを頼む。
高島歌乃。自信家でコンプレックスのない彼女は、ルアの親友である。
「クレープ食べたら、メイド喫茶行こう」
歌乃が誘う。
「いいよ」
二人は、文化祭を楽しんだ。葵は、その途中、
ルアを探していたらしいが、後の話だ。

つづく
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