15 / 20
第1章 『動き出す世界』
第5話 魔法はどうだ?
しおりを挟む
「シーナ、ソランはどうだ?」
偶然シーナが通りかかったので、アトラはソランの魔法の上達具合について聞いた
「姫様。ソラン君ですか?うーん。理解して魔力を練ることは出来てるんですが、実際にやってみると出来ないんですよ。見た感じかなりの魔力量があるはずなんですけど。」
「そうか...ソランが魔法を使うことは出来るのか?」
「それが分からないんですよね。ちゃんと魔力を練ることもできているし、外へ放出させることもできている。でもそこまでなんです。」
「そういう事なんだ?」
「いざ魔法を発現させようとすると今までの魔力が嘘の様に霧散するんです。まるで何か外側から力がかかっているかのように。それにあの子、なんか焦っている気がするんです。どう焦っているかまでは分からないんですが、それも関係しているように思えます。」
リョーダンの心配が、アトラの心配が確信へと変わった。
ソランは、強くなることに焦っている。
魔法を習い初めて1ヶ月経つ。進歩出来ているとは言い難い。
もう誰も失う訳にはいかないのだろう。
だから力を求める。強くなることを求める。
「でも、あの子を見ていると貴方のことを思い出すのよ。」
「私の事?」
アトラは剣術の才はあったが、魔法の才はあまりなかった。
魔法を初めて9年経つ今でも使えるのは中位の身体強化魔法だけだ。
魔法ついては位があり、下から
下位魔法
↓
中位魔法
↓
上位魔法
↓
王級魔法
↓
帝級魔法
↓
皇級魔法
↓
神代魔法
だが、神代魔法だけは神が顕現していた時代の神の魔法なので、厳密には別物だ。
また、術師にも階級があり、
魔法使い(上位、中位、下位)
↓
魔導師
↓
王級魔導士
↓
帝級魔導士
↓
皇級魔導士
↓
賢者
↓
魔導賢者
となっている
「あの子、すっごい頑張っているんですよ。」
「ソランもソランなりに、か。」
ソランなりに努力しているのか。
強さを求めたのに裏目に出てしまう、か。
何と度し難い世界なのだろう。
「そういえば、もう1ヶ月経ちますけどソランくんは陛下と顔合わせしたのですか?」
「丁度今日会談から戻ってくる頃だ。
これから父に会いに行こうと思う」
「そうですか。ソランくんを見た陛下は何と仰るのですかね。」
「そうだな。怒られないといいが。」
「あの陛下の事ですから、ソラン君も脅かしにかかるに決まっています。」
「シーナにそう言ってもらえるのなら大丈夫そうだ」
「姫様。」
シーナは柔らかい笑みを、真剣なものに戻し、アトラに向き直った。アトラも首をかしげながらシーナの方を向く。
「アトラ姫様。どうか、どうかソラン君をしっかりと見てあげてください。あの子は誰かに頼ることを知らないと感じました。姫様は、ソラン君が頼れるよう、近くにいてあげてください。」
「ああ。そのために、私も精進しなくてはな。」
ぐぅぅ、とシーナのおなかが鳴る。今は午後2時ごろ、急遽ソランの授業を入れてしまったがために、シーナの食事はまだ終わっていない。先程の空気は何処へやら、完全に毒気を抜かれた二人は、暫くの間廊下の中心で小さく笑い合った。
偶然シーナが通りかかったので、アトラはソランの魔法の上達具合について聞いた
「姫様。ソラン君ですか?うーん。理解して魔力を練ることは出来てるんですが、実際にやってみると出来ないんですよ。見た感じかなりの魔力量があるはずなんですけど。」
「そうか...ソランが魔法を使うことは出来るのか?」
「それが分からないんですよね。ちゃんと魔力を練ることもできているし、外へ放出させることもできている。でもそこまでなんです。」
「そういう事なんだ?」
「いざ魔法を発現させようとすると今までの魔力が嘘の様に霧散するんです。まるで何か外側から力がかかっているかのように。それにあの子、なんか焦っている気がするんです。どう焦っているかまでは分からないんですが、それも関係しているように思えます。」
リョーダンの心配が、アトラの心配が確信へと変わった。
ソランは、強くなることに焦っている。
魔法を習い初めて1ヶ月経つ。進歩出来ているとは言い難い。
もう誰も失う訳にはいかないのだろう。
だから力を求める。強くなることを求める。
「でも、あの子を見ていると貴方のことを思い出すのよ。」
「私の事?」
アトラは剣術の才はあったが、魔法の才はあまりなかった。
魔法を初めて9年経つ今でも使えるのは中位の身体強化魔法だけだ。
魔法ついては位があり、下から
下位魔法
↓
中位魔法
↓
上位魔法
↓
王級魔法
↓
帝級魔法
↓
皇級魔法
↓
神代魔法
だが、神代魔法だけは神が顕現していた時代の神の魔法なので、厳密には別物だ。
また、術師にも階級があり、
魔法使い(上位、中位、下位)
↓
魔導師
↓
王級魔導士
↓
帝級魔導士
↓
皇級魔導士
↓
賢者
↓
魔導賢者
となっている
「あの子、すっごい頑張っているんですよ。」
「ソランもソランなりに、か。」
ソランなりに努力しているのか。
強さを求めたのに裏目に出てしまう、か。
何と度し難い世界なのだろう。
「そういえば、もう1ヶ月経ちますけどソランくんは陛下と顔合わせしたのですか?」
「丁度今日会談から戻ってくる頃だ。
これから父に会いに行こうと思う」
「そうですか。ソランくんを見た陛下は何と仰るのですかね。」
「そうだな。怒られないといいが。」
「あの陛下の事ですから、ソラン君も脅かしにかかるに決まっています。」
「シーナにそう言ってもらえるのなら大丈夫そうだ」
「姫様。」
シーナは柔らかい笑みを、真剣なものに戻し、アトラに向き直った。アトラも首をかしげながらシーナの方を向く。
「アトラ姫様。どうか、どうかソラン君をしっかりと見てあげてください。あの子は誰かに頼ることを知らないと感じました。姫様は、ソラン君が頼れるよう、近くにいてあげてください。」
「ああ。そのために、私も精進しなくてはな。」
ぐぅぅ、とシーナのおなかが鳴る。今は午後2時ごろ、急遽ソランの授業を入れてしまったがために、シーナの食事はまだ終わっていない。先程の空気は何処へやら、完全に毒気を抜かれた二人は、暫くの間廊下の中心で小さく笑い合った。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
断腸の思いで王家に差し出した孫娘が婚約破棄されて帰ってきた
兎屋亀吉
恋愛
ある日王家主催のパーティに行くといって出かけた孫娘のエリカが泣きながら帰ってきた。買ったばかりのドレスは真っ赤なワインで汚され、左頬は腫れていた。話を聞くと王子に婚約を破棄され、取り巻きたちに酷いことをされたという。許せん。戦じゃ。この命燃え尽きようとも、必ずや王家を滅ぼしてみせようぞ。
冷遇王妃はときめかない
あんど もあ
ファンタジー
幼いころから婚約していた彼と結婚して王妃になった私。
だが、陛下は側妃だけを溺愛し、私は白い結婚のまま離宮へ追いやられる…って何てラッキー! 国の事は陛下と側妃様に任せて、私はこのまま離宮で何の責任も無い楽な生活を!…と思っていたのに…。
「がっかりです」——その一言で終わる夫婦が、王宮にはある
柴田はつみ
恋愛
妃の席を踏みにじったのは令嬢——けれど妃の心を折ったのは、夫のたった一言だった
王太子妃リディアの唯一の安らぎは、王太子アーヴィンと交わす午後の茶会。だが新しく王宮に出入りする伯爵令嬢ミレーユは、妃の席に先に座り、殿下を私的に呼び、距離感のない振る舞いを重ねる。
リディアは王宮の礼節としてその場で正す——正しいはずだった。けれど夫は「リディア、そこまで言わなくても……」と、妃を止めた。
「わかりました。あなたには、がっかりです」
微笑んで去ったその日から、夫婦の茶会は終わる。沈黙の王宮で、言葉を失った王太子は、初めて“追う”ことを選ぶが——遅すぎた。
七日後に神罰が落ちる。上層部は「下を切り捨てろ」と言った——私は全員を逃がす
蒼月よる
ファンタジー
七日後、この港に神罰が落ちる。
追放された元観測士イオナだけが、その事実を知っていた。
しかも災害は自然現象ではない——誰かが、意図的に引き起こそうとしている。
港の上層部はすでに手を打っていた。「下層区画を緩衝被害区として切り捨てる」秘密契約。被害を最小限に見せかけ、体制を守る冷徹な計画だ。
イオナは元護送隊長ガルム、荷運び組合長メラとともに動き出す。
犯人を暴き、証拠を公開し、住民を逃がし、工廠を止める——すべてを七日で。
被害を「選ぶ」管理か、全員を「残す」運用か。
追放観測士の、七日間の港湾カウントダウン・サスペンス。
この作品は以下の箇所にAI(Claude Code)を利用しています。
・世界観・設定の管理補助
・プロット段階の壁打ち
・作者による執筆後の校正
久しぶりに会った婚約者は「明日、婚約破棄するから」と私に言った
五珠 izumi
恋愛
「明日、婚約破棄するから」
8年もの婚約者、マリス王子にそう言われた私は泣き出しそうになるのを堪えてその場を後にした。
犬の散歩中に異世界召喚されました
おばあ
ファンタジー
そろそろ定年後とか終活とか考えなきゃいけないというくらいの歳になって飼い犬と一緒に異世界とやらへ飛ばされました。
何勝手なことをしてくれてんだいと腹が立ちましたので好き勝手やらせてもらいます。
カミサマの許可はもらいました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる