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Chapter7
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午前の店内は、外気より少しだけ温かい。
ミカの地方への出張から三日が経った。春人は開店準備を終え、カウンターのクロスを折りたたむと、大きく息をついた。客足はまだ少ない。
昨日の忙しさを考えればありがたい静けさだった。
「今日は大丈夫そうだ」
独り言のようにつぶやきながら砂糖水をひと口飲む。最近は急に手先が震える時間が増えてきた。だが原因は分からない。もともとそういう体質らしい、と子どもの頃から言われ続けてきたため、疑問に思ったこともない。
そのとき、店のドアが勢いよく開いた。
カラン、と軽快な音。しかし入ってきた人物の空気はもっと強かった。金色の髪が光を跳ね返し、ロングコートの裾がひらりと揺れる。女性は店内を一望すると、すぐに春人のほうへ真っすぐ歩いてきた。
「あなたが……春人くん、で合ってる?」
初対面のはずなのに、迷いが一切ない言い方だった。突然のことに春人はたじろぎ、彼女の言葉の違和感にも気づくことができなかった。
「そうですが、……何か?」
「よかった。想像より普通の顔してる」
「……悪口ですか?」
「褒め言葉よ。兄が最近、あなたの話してるときだけ妙に柔らかい声になるから、どれほど特別な人なのかと思ったけど……まあ、普通」
彼女は腕組みしながら、じろりと春人を眺めた。どこかミカと雰囲気が似ている。だがミカのような柔らかさはなく、温度ははっきりと高い。目は琥珀色――ミカと同じ色だ。
「……待ってください。兄って、誰の」
「ミカよ。私、妹のニーナ。ニーナ・ストラウド。よろしくね、春人くん」
あまりに自然に名乗られすぎて、春人は返事を忘れそうになった。
「えっと……よろしくお願いします」
春人がぎこちなく頭を下げると、ニーナは興味の熱を帯びた眼差しのまま、すっと姿勢を起こした。
「声、小さいわね。まあいいけど。
コーヒーは嫌いだから、紅茶。あるでしょ?」
唐突な注文に、春人は一拍遅れてうなずいた。慣れたように見えるが、実際には彼女のペースに押されているだけだ。
「……ありますけど。初めてのお客様ですよね?」
「そう。店に来るのは初めて。でも――あなたの名前も顔も、前から一応は知ってたわ。最近、ちょっと様子がおかしかったから」
言いながらも、彼女の視線は春人の顔より“その奥”を測るように揺れていた。まるで会話そのものより観察が本業であるかのように。春人はわずかに身を固くした。自然に会話をしているように見えるが、心の距離はまだ遠い。初対面の緊張は、身体のほうがちゃんと覚えていた。
「……あの人、何か変でしたか?」
「変よ。兄さんは感情が表に出にくいタイプだけど……最近は違った。だから確かめに来たの」
「何を?」
「あなたを」
ニーナは、ためらいという概念を持ち合わせていないかのようにすっと距離を詰め、席にも座らず春人の顔を覗き込んだ。呼吸が一瞬止まる。彼女の目は“人と話す目”ではなく、“対象を読み取る目”だった。そして、ごくわずかに眉が動いた。
「ほんとに……、不思議なものね」
「何が、でしょうか」
意味は分からない。ただ、ニーナの囁かな微笑みが状況をさらに飲み込みづらくする。
「ねえ春人くん。自分の“変なところ”、どれくらい自覚してる?」
「変なところ、ですか?」
そのとき、ぐう、と腹が鳴った。低血糖のような空白が胸にじわりと広がる。ニーナはその変化を一瞬で察し、軽く息を吐いた。
「やっぱり。 ……推測通りなのね」
「あの、推測とは」
「いいえ、今は気にしないでちょうだい」
ニーナは急に楽しそうな笑みを浮かべる。しかしその明るさの奥に、かすかに冷たい観察者の光が残っていた。
「とにかく、今日からちょっとだけ、この店で春人くんを観察させてもらうわ。安心して。あなたの許可なんて最初から求めてないから」
「全然安心できないんですけど……」
「大丈夫よ。うちの家系は、観察だけは得意なの」
軽口に見せかけたその言葉の奥に、説明しがたい寒気のようなものが確かに混じっていた。春人は知らなかった。彼女の言葉の裏にある重さも、自分の過去に繋がる扉が、この瞬間ひっそり開いたことも。
店内は午後の柔らかい光に満たされ、木材の匂いと紅茶の甘い蒸気がゆるやかに混ざっていた。店は静かに回り、春人は相変わらずの日常を続けていた。
だが今日は違う種類の“違和感”がいた。春人の向かい、窓際の席。ミカと同じ琥珀色の瞳を持つ女性――ニーナ・ストラウド。ミカの妹で彼女もまた兄と同じ特異体質の持ち主であり、有名モデルだと言っていた。彼女は紅茶を口に運ぶわけでもなく、ただ春人を観察するように視線を滑らせていた。
気づいていないふりは、さすがに限界だった。
「……そんなに見なくてもいいのでは?」
春人が言うと、ニーナはカップに触れたまま静かに笑った。
「困るって顔、ちゃんと覚えたわ。あとで兄さんに説明しやすい」
「説明?」
「ええ。兄さんは今、あなたのことを妙に気にしてるから」
何をそんなに気にするのだろうか、春人は苦笑して肩を落とす。彼女のいうことはまだよくわからない。ニーナは足を組み直し、街路樹の揺れを横目で見ながら続ける。
「兄さん、ああ見えて休む時は全然休むけど、仕事の時は人の気配が消えるタイプなの。二週間、完全にひとりで動くのは珍しいのよ。あなたに何か伝えてた?」
「“地方の病院にちょっと長めの出張”くらいですね。あんまり深刻には言ってませんでした」
「端的ね」
そう短く頷いたのちニーナは春人を見ると、急に真面目な声になった。
「それでね?兄さんが不在の間、少しだけあなたを見ておこうと思って」
「それはまたどうして。俺は監視対象ですか?」
「そんな可愛く言わないで。見張るほどじゃないわ。確認、ってだけよ。兄さんの最近の変化がどこから来てるのか、把握したいの」
“兄の変化”。その言葉に春人は小さく息を呑んだ。自分が何かを変えた覚えなどない。ただ常連の医者と他愛ない会話をしただけだ。
「別に、普通ですよ。何もないです」
「うん。あなたは“普通のつもり”なんでしょうね」
ニーナは紅茶を口に含み、瞳だけを春人に向けた。
「でも兄さんに関して言えば、あなたは十分変化の原因になってる」
さらりと言われても、実感はない。ただ胸の奥に、説明のつかないざらつきだけが沈む。そこへ、指先にまた微かな痺れが走った。
「今ので二回目ね」
ニーナの反応は早かった。春人は慌てて手を隠す。
「……気にしないでください、大丈夫です」
「“大丈夫”って便利ね。人は本当に大丈夫じゃないときほど言う言葉だから」
軽い口調だが、観察の鋭さはミカに近い。いや、ミカよりも遠慮がない分、むしろ正確だった。ニーナは席を立ち、カウンター越しに春人へ歩み寄る。春人は思わず腰を引く。
「触らない。見るだけ。私は兄さんほど強引じゃないもの」
「あの人に強引なイメージないですけど」
「兄さんの“超手加減版”しか知らないのね」
さらっと怖いことを言う。だが冗談めかした言い方に、春人は返すタイミングを失う。ニーナの視線が、春人の首元から腕へとゆっくり移動していく。まるで、既に“そこ”に何かあると知っているかのようだった。そして――彼女の瞳が、ごく僅かに揺れた。
「やっぱり、そうなのね」
やっぱりとは、何だろうか。まるで彼女もまた何かを知っているような顔だ。
「ううん。気にしなくていいわ。今あなたに言っても混乱するだけだから」
その“言わなさ”が、ミカと同じだった。踏み込みすぎず、しかし何かを確信している目。ニーナはすぐに表情を戻し、声を軽くする。
「まあ、兄さんがあなたに言わないなら、今は私も言わない。家族の決めごとみたいなものよ」
「俺に関係が?」
「ないとは言わない。でも“ある”とも言えないわね。人の心には段階が必要だから」
春人は息を飲み、紅茶の香りが急に遠くなる。自分の体質を探ろうと思ったことは、実は何度もあった。けれど怖かった。何も変えられない気がしていた。ニーナは、そんな春人の内心を読むように続ける。
「とりあえず今日は確認だけ。あなたの反応も見れたし、十分」
「俺、何もしてませんよ」
「そうね。しなくても色々起こるタイプでしょ、あなたって」
図星だった。
「それじゃ、また来るわ。夜かもしれないけど、迷惑なら追い出して。そのときは裏口から入り直すから」
「……普通に帰ってください」
「まったく、冗談よ」
ニーナは金髪を軽く払って立ち上がる。紅茶は半分ほど残っていたが、気にした様子はない。
「これから二週間、暇つぶしに付き合ってあげる」
「暇ではないですね」
「流してちょうだい」
呆れたように首を振ってニーナは店を後にした。扉が閉まると、店内は静けさを取り戻したが、春人の胸のざわめきだけは、しばらく消えなかった。ミカがいない二週間。その間に、自分はどんなものを見て、どんなものに触れるのだろう。それが少し怖くて、少しだけ――楽しみにも思えた。
ミカの地方への出張から三日が経った。春人は開店準備を終え、カウンターのクロスを折りたたむと、大きく息をついた。客足はまだ少ない。
昨日の忙しさを考えればありがたい静けさだった。
「今日は大丈夫そうだ」
独り言のようにつぶやきながら砂糖水をひと口飲む。最近は急に手先が震える時間が増えてきた。だが原因は分からない。もともとそういう体質らしい、と子どもの頃から言われ続けてきたため、疑問に思ったこともない。
そのとき、店のドアが勢いよく開いた。
カラン、と軽快な音。しかし入ってきた人物の空気はもっと強かった。金色の髪が光を跳ね返し、ロングコートの裾がひらりと揺れる。女性は店内を一望すると、すぐに春人のほうへ真っすぐ歩いてきた。
「あなたが……春人くん、で合ってる?」
初対面のはずなのに、迷いが一切ない言い方だった。突然のことに春人はたじろぎ、彼女の言葉の違和感にも気づくことができなかった。
「そうですが、……何か?」
「よかった。想像より普通の顔してる」
「……悪口ですか?」
「褒め言葉よ。兄が最近、あなたの話してるときだけ妙に柔らかい声になるから、どれほど特別な人なのかと思ったけど……まあ、普通」
彼女は腕組みしながら、じろりと春人を眺めた。どこかミカと雰囲気が似ている。だがミカのような柔らかさはなく、温度ははっきりと高い。目は琥珀色――ミカと同じ色だ。
「……待ってください。兄って、誰の」
「ミカよ。私、妹のニーナ。ニーナ・ストラウド。よろしくね、春人くん」
あまりに自然に名乗られすぎて、春人は返事を忘れそうになった。
「えっと……よろしくお願いします」
春人がぎこちなく頭を下げると、ニーナは興味の熱を帯びた眼差しのまま、すっと姿勢を起こした。
「声、小さいわね。まあいいけど。
コーヒーは嫌いだから、紅茶。あるでしょ?」
唐突な注文に、春人は一拍遅れてうなずいた。慣れたように見えるが、実際には彼女のペースに押されているだけだ。
「……ありますけど。初めてのお客様ですよね?」
「そう。店に来るのは初めて。でも――あなたの名前も顔も、前から一応は知ってたわ。最近、ちょっと様子がおかしかったから」
言いながらも、彼女の視線は春人の顔より“その奥”を測るように揺れていた。まるで会話そのものより観察が本業であるかのように。春人はわずかに身を固くした。自然に会話をしているように見えるが、心の距離はまだ遠い。初対面の緊張は、身体のほうがちゃんと覚えていた。
「……あの人、何か変でしたか?」
「変よ。兄さんは感情が表に出にくいタイプだけど……最近は違った。だから確かめに来たの」
「何を?」
「あなたを」
ニーナは、ためらいという概念を持ち合わせていないかのようにすっと距離を詰め、席にも座らず春人の顔を覗き込んだ。呼吸が一瞬止まる。彼女の目は“人と話す目”ではなく、“対象を読み取る目”だった。そして、ごくわずかに眉が動いた。
「ほんとに……、不思議なものね」
「何が、でしょうか」
意味は分からない。ただ、ニーナの囁かな微笑みが状況をさらに飲み込みづらくする。
「ねえ春人くん。自分の“変なところ”、どれくらい自覚してる?」
「変なところ、ですか?」
そのとき、ぐう、と腹が鳴った。低血糖のような空白が胸にじわりと広がる。ニーナはその変化を一瞬で察し、軽く息を吐いた。
「やっぱり。 ……推測通りなのね」
「あの、推測とは」
「いいえ、今は気にしないでちょうだい」
ニーナは急に楽しそうな笑みを浮かべる。しかしその明るさの奥に、かすかに冷たい観察者の光が残っていた。
「とにかく、今日からちょっとだけ、この店で春人くんを観察させてもらうわ。安心して。あなたの許可なんて最初から求めてないから」
「全然安心できないんですけど……」
「大丈夫よ。うちの家系は、観察だけは得意なの」
軽口に見せかけたその言葉の奥に、説明しがたい寒気のようなものが確かに混じっていた。春人は知らなかった。彼女の言葉の裏にある重さも、自分の過去に繋がる扉が、この瞬間ひっそり開いたことも。
店内は午後の柔らかい光に満たされ、木材の匂いと紅茶の甘い蒸気がゆるやかに混ざっていた。店は静かに回り、春人は相変わらずの日常を続けていた。
だが今日は違う種類の“違和感”がいた。春人の向かい、窓際の席。ミカと同じ琥珀色の瞳を持つ女性――ニーナ・ストラウド。ミカの妹で彼女もまた兄と同じ特異体質の持ち主であり、有名モデルだと言っていた。彼女は紅茶を口に運ぶわけでもなく、ただ春人を観察するように視線を滑らせていた。
気づいていないふりは、さすがに限界だった。
「……そんなに見なくてもいいのでは?」
春人が言うと、ニーナはカップに触れたまま静かに笑った。
「困るって顔、ちゃんと覚えたわ。あとで兄さんに説明しやすい」
「説明?」
「ええ。兄さんは今、あなたのことを妙に気にしてるから」
何をそんなに気にするのだろうか、春人は苦笑して肩を落とす。彼女のいうことはまだよくわからない。ニーナは足を組み直し、街路樹の揺れを横目で見ながら続ける。
「兄さん、ああ見えて休む時は全然休むけど、仕事の時は人の気配が消えるタイプなの。二週間、完全にひとりで動くのは珍しいのよ。あなたに何か伝えてた?」
「“地方の病院にちょっと長めの出張”くらいですね。あんまり深刻には言ってませんでした」
「端的ね」
そう短く頷いたのちニーナは春人を見ると、急に真面目な声になった。
「それでね?兄さんが不在の間、少しだけあなたを見ておこうと思って」
「それはまたどうして。俺は監視対象ですか?」
「そんな可愛く言わないで。見張るほどじゃないわ。確認、ってだけよ。兄さんの最近の変化がどこから来てるのか、把握したいの」
“兄の変化”。その言葉に春人は小さく息を呑んだ。自分が何かを変えた覚えなどない。ただ常連の医者と他愛ない会話をしただけだ。
「別に、普通ですよ。何もないです」
「うん。あなたは“普通のつもり”なんでしょうね」
ニーナは紅茶を口に含み、瞳だけを春人に向けた。
「でも兄さんに関して言えば、あなたは十分変化の原因になってる」
さらりと言われても、実感はない。ただ胸の奥に、説明のつかないざらつきだけが沈む。そこへ、指先にまた微かな痺れが走った。
「今ので二回目ね」
ニーナの反応は早かった。春人は慌てて手を隠す。
「……気にしないでください、大丈夫です」
「“大丈夫”って便利ね。人は本当に大丈夫じゃないときほど言う言葉だから」
軽い口調だが、観察の鋭さはミカに近い。いや、ミカよりも遠慮がない分、むしろ正確だった。ニーナは席を立ち、カウンター越しに春人へ歩み寄る。春人は思わず腰を引く。
「触らない。見るだけ。私は兄さんほど強引じゃないもの」
「あの人に強引なイメージないですけど」
「兄さんの“超手加減版”しか知らないのね」
さらっと怖いことを言う。だが冗談めかした言い方に、春人は返すタイミングを失う。ニーナの視線が、春人の首元から腕へとゆっくり移動していく。まるで、既に“そこ”に何かあると知っているかのようだった。そして――彼女の瞳が、ごく僅かに揺れた。
「やっぱり、そうなのね」
やっぱりとは、何だろうか。まるで彼女もまた何かを知っているような顔だ。
「ううん。気にしなくていいわ。今あなたに言っても混乱するだけだから」
その“言わなさ”が、ミカと同じだった。踏み込みすぎず、しかし何かを確信している目。ニーナはすぐに表情を戻し、声を軽くする。
「まあ、兄さんがあなたに言わないなら、今は私も言わない。家族の決めごとみたいなものよ」
「俺に関係が?」
「ないとは言わない。でも“ある”とも言えないわね。人の心には段階が必要だから」
春人は息を飲み、紅茶の香りが急に遠くなる。自分の体質を探ろうと思ったことは、実は何度もあった。けれど怖かった。何も変えられない気がしていた。ニーナは、そんな春人の内心を読むように続ける。
「とりあえず今日は確認だけ。あなたの反応も見れたし、十分」
「俺、何もしてませんよ」
「そうね。しなくても色々起こるタイプでしょ、あなたって」
図星だった。
「それじゃ、また来るわ。夜かもしれないけど、迷惑なら追い出して。そのときは裏口から入り直すから」
「……普通に帰ってください」
「まったく、冗談よ」
ニーナは金髪を軽く払って立ち上がる。紅茶は半分ほど残っていたが、気にした様子はない。
「これから二週間、暇つぶしに付き合ってあげる」
「暇ではないですね」
「流してちょうだい」
呆れたように首を振ってニーナは店を後にした。扉が閉まると、店内は静けさを取り戻したが、春人の胸のざわめきだけは、しばらく消えなかった。ミカがいない二週間。その間に、自分はどんなものを見て、どんなものに触れるのだろう。それが少し怖くて、少しだけ――楽しみにも思えた。
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