24 / 24
エピローグⅡ パーティー
しおりを挟む
そしていよいよターナー家復興を祝うパーティーが始まった。
パーティーにはダンフォード家、スコット家、バーンズ家など私たちと関りがあった家だけでなく、国内のほとんど全部の貴族家が参加していた。参加できなかった家も誰かしらかは代理人を派遣していた。
そんな中新しい当主として兄のクレフトが堂々と式を取り仕切っている。幸い料理の手配や会場の設営などはうまくいっていた。
それを見てやってきた人々は新たなターナー家も安泰だ、と思うのだった。
それからクレフト他関係者が次々と挨拶や祝辞を述べていき、パーティーは中盤に差し掛かる。
私はそれを横目で見つつ密かに緊張していた。
というのも、私は事前に知らされていたものの、パーティー中にはとある発表があるからだ。
「それではパーティーも進んできたところで、一つ大きな発表がある」
そこでおもむろにクレフトが皆の前で宣言する。
それを聞いてそれまで和やかに料理をつまみながら雑談を楽しんでいた貴族たちは急にざわつく。こんな場でクレフトが改まって発表するということはきっと重要なことだろう。
私は兄上の言葉を聞いて、緊張しながら広場の前方の壇上に上へと進んでいく。
そして同時に、反対側からダンフォード家の新当主であるクラウスもやってくる。
それを見た来客たちも発表の内容を察したのだろう、「やはりか」「まさか」とざわめきは最高潮を迎える。
すると兄上は壇上の中央からどき、代わりに中央に進み出たクレフトが来客を一度見回してから私に向き直って言う。
「このたび、新しく当主となったクレフト・ダンフォードはベティ・ターナーに婚約を申し込む」
穏やかな貴公子のような顔立ちをしたクラウスだが、まっすぐに見つめられるとその表情の奥にはしっかりとした芯のようなものがあることが感じられた。
「はい、その婚約をお受けします」
この話を最初に聞いた時、私は当主をついだクラウスにまだ婚約相手が決まっていないことに驚いた。
しかしダンフォード家は先代のダンフォード公の評判が悪く、しかもダンフォード公自身があまり積極的にクラウスの婚約者を決めようとしなかったことでずっとクラウスは婚約者不在だったようだ。
とはいえ当主となった以上急いで相手を決めなければならない。相手が急逝した以外で独身の貴族家当主は例がない。
そこで慌てて相手を探したところ、このたび関係が急速に良くなり、しかも家柄的につり合いがとれている私が相手になったらしい。
「我がダンフォード家は父上の代で皆に様々な迷惑をかけたが、こうしてターナー家とは無事に和解することが出来た。そのため現在も僕に悪印象を持っている者たちとも仲直り出来ると思う」
「はい、今後はお互い力を合わせて平和な国にしていきましょう」
私たちの言葉に、最初は驚いていた来客たちの中から、やがて手を叩く者が現れる。そして次第に拍手は波のように周囲に広がっていき、気が付くと広場は祝福の拍手で包まれるのだった。
パーティーにはダンフォード家、スコット家、バーンズ家など私たちと関りがあった家だけでなく、国内のほとんど全部の貴族家が参加していた。参加できなかった家も誰かしらかは代理人を派遣していた。
そんな中新しい当主として兄のクレフトが堂々と式を取り仕切っている。幸い料理の手配や会場の設営などはうまくいっていた。
それを見てやってきた人々は新たなターナー家も安泰だ、と思うのだった。
それからクレフト他関係者が次々と挨拶や祝辞を述べていき、パーティーは中盤に差し掛かる。
私はそれを横目で見つつ密かに緊張していた。
というのも、私は事前に知らされていたものの、パーティー中にはとある発表があるからだ。
「それではパーティーも進んできたところで、一つ大きな発表がある」
そこでおもむろにクレフトが皆の前で宣言する。
それを聞いてそれまで和やかに料理をつまみながら雑談を楽しんでいた貴族たちは急にざわつく。こんな場でクレフトが改まって発表するということはきっと重要なことだろう。
私は兄上の言葉を聞いて、緊張しながら広場の前方の壇上に上へと進んでいく。
そして同時に、反対側からダンフォード家の新当主であるクラウスもやってくる。
それを見た来客たちも発表の内容を察したのだろう、「やはりか」「まさか」とざわめきは最高潮を迎える。
すると兄上は壇上の中央からどき、代わりに中央に進み出たクレフトが来客を一度見回してから私に向き直って言う。
「このたび、新しく当主となったクレフト・ダンフォードはベティ・ターナーに婚約を申し込む」
穏やかな貴公子のような顔立ちをしたクラウスだが、まっすぐに見つめられるとその表情の奥にはしっかりとした芯のようなものがあることが感じられた。
「はい、その婚約をお受けします」
この話を最初に聞いた時、私は当主をついだクラウスにまだ婚約相手が決まっていないことに驚いた。
しかしダンフォード家は先代のダンフォード公の評判が悪く、しかもダンフォード公自身があまり積極的にクラウスの婚約者を決めようとしなかったことでずっとクラウスは婚約者不在だったようだ。
とはいえ当主となった以上急いで相手を決めなければならない。相手が急逝した以外で独身の貴族家当主は例がない。
そこで慌てて相手を探したところ、このたび関係が急速に良くなり、しかも家柄的につり合いがとれている私が相手になったらしい。
「我がダンフォード家は父上の代で皆に様々な迷惑をかけたが、こうしてターナー家とは無事に和解することが出来た。そのため現在も僕に悪印象を持っている者たちとも仲直り出来ると思う」
「はい、今後はお互い力を合わせて平和な国にしていきましょう」
私たちの言葉に、最初は驚いていた来客たちの中から、やがて手を叩く者が現れる。そして次第に拍手は波のように周囲に広がっていき、気が付くと広場は祝福の拍手で包まれるのだった。
137
この作品は感想を受け付けておりません。
あなたにおすすめの小説
婚約者を奪われた私が悪者扱いされたので、これから何が起きても知りません
天宮有
恋愛
子爵令嬢の私カルラは、妹のミーファに婚約者ザノークを奪われてしまう。
ミーファは全てカルラが悪いと言い出し、束縛侯爵で有名なリックと婚約させたいようだ。
屋敷を追い出されそうになって、私がいなければ領地が大変なことになると説明する。
家族は信じようとしないから――これから何が起きても、私は知りません。
元平民の義妹は私の婚約者を狙っている
カレイ
恋愛
伯爵令嬢エミーヌは父親の再婚によって義母とその娘、つまり義妹であるヴィヴィと暮らすこととなった。
最初のうちは仲良く暮らしていたはずなのに、気づけばエミーヌの居場所はなくなっていた。その理由は単純。
「エミーヌお嬢様は平民がお嫌い」だから。
そんな噂が広まったのは、おそらく義母が陰で「あの子が私を母親だと認めてくれないの!やっぱり平民の私じゃ……」とか、義妹が「時々エミーヌに睨まれてる気がするの。私は仲良くしたいのに……」とか言っているからだろう。
そして学園に入学すると義妹はエミーヌの婚約者ロバートへと近づいていくのだった……。
王太子様には優秀な妹の方がお似合いですから、いつまでも私にこだわる必要なんてありませんよ?
木山楽斗
恋愛
公爵令嬢であるラルリアは、優秀な妹に比べて平凡な人間であった。
これといって秀でた点がない彼女は、いつも妹と比較されて、時には罵倒されていたのである。
しかしそんなラルリアはある時、王太子の婚約者に選ばれた。
それに誰よりも驚いたのは、彼女自身である。仮に公爵家と王家の婚約がなされるとしても、その対象となるのは妹だと思っていたからだ。
事実として、社交界ではその婚約は非難されていた。
妹の方を王家に嫁がせる方が有益であると、有力者達は考えていたのだ。
故にラルリアも、婚約者である王太子アドルヴに婚約を変更するように進言した。しかし彼は、頑なにラルリアとの婚約を望んでいた。どうやらこの婚約自体、彼が提案したものであるようなのだ。
妹が私の婚約者と結婚しちゃったもんだから、懲らしめたいの。いいでしょ?
百谷シカ
恋愛
「すまない、シビル。お前が目覚めるとは思わなかったんだ」
あのあと私は、一命を取り留めてから3週間寝ていたらしいのよ。
で、起きたらびっくり。妹のマーシアが私の婚約者と結婚してたの。
そんな話ある?
「我がフォレット家はもう結婚しかないんだ。わかってくれ、シビル」
たしかにうちは没落間近の田舎貴族よ。
あなたもウェイン伯爵令嬢だって打ち明けたら微妙な顔したわよね?
でも、だからって、国のために頑張った私を死んだ事にして結婚する?
「君の妹と、君の婚約者がね」
「そう。薄情でしょう?」
「ああ、由々しき事態だ。私になにをしてほしい?」
「ソーンダイク伯領を落として欲しいの」
イヴォン伯爵令息モーリス・ヨーク。
あのとき私が助けてあげたその命、ぜひ私のために燃やしてちょうだい。
====================
(他「エブリスタ」様に投稿)
侯爵家を守るのは・・・
透明
恋愛
姑に似ているという理由で母親に虐げられる侯爵令嬢クラリス。
母親似の妹エルシーは両親に愛されすべてを奪っていく。
最愛の人まで妹に奪われそうになるが助けてくれたのは・・・
【完結】結婚前から愛人を囲う男の種などいりません!
つくも茄子
ファンタジー
伯爵令嬢のフアナは、結婚式の一ヶ月前に婚約者の恋人から「私達愛し合っているから婚約を破棄しろ」と怒鳴り込まれた。この赤毛の女性は誰?え?婚約者のジョアンの恋人?初耳です。ジョアンとは従兄妹同士の幼馴染。ジョアンの父親である侯爵はフアナの伯父でもあった。怒り心頭の伯父。されどフアナは夫に愛人がいても一向に構わない。というよりも、結婚一ヶ月前に破棄など常識に考えて無理である。無事に結婚は済ませたものの、夫は新妻を蔑ろにする。何か勘違いしているようですが、伯爵家の世継ぎは私から生まれた子供がなるんですよ?父親?別に書類上の夫である必要はありません。そんな、フアナに最高の「種」がやってきた。
他サイトにも公開中。
妹と婚約者が結婚したけど、縁を切ったから知りません
編端みどり
恋愛
妹は何でもわたくしの物を欲しがりますわ。両親、使用人、ドレス、アクセサリー、部屋、食事まで。
最後に取ったのは婚約者でした。
ありがとう妹。初めて貴方に取られてうれしいと思ったわ。
妹の婚約者自慢がウザいので、私の婚約者を紹介したいと思います~妹はただ私から大切な人を奪っただけ~
マルローネ
恋愛
侯爵令嬢のアメリア・リンバークは妹のカリファに婚約者のラニッツ・ポドールイ公爵を奪われた。
だが、アメリアはその後に第一王子殿下のゼラスト・ファーブセンと婚約することになる。
しかし、その事実を知らなかったカリファはアメリアに対して、ラニッツを自慢するようになり──。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる