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「聞いてテッド、私たちが会う日って事前に家同士で決めてあることって多かったでしょう!?」
「言われてみれば確かに」
私の言葉にテッドは頷く。
それを聞いてレーナはぎくりとした。
そもそもレーナがどうやって私に成りすましていたかは分からないが、私とテッドが約束している日とは違うタイミングで会っているため、おそらく毎回「急に予定が空いたから来ちゃった」のような言い訳をしているのだろう。
今までは多少不自然と思われても容姿が本人だから特に疑われることもなかったのだろうが、こうなってしまえばさすがにテッドも気づくはずだ。
「レーナと会っている時は毎回不自然だったはず! 思い出して」
「言われてみれば最近シェリーがやたら突然やってくると思っていたが、それはそういうことだったのか?」
テッドは首を捻る。
「そうか、そして不自然な時は毎回お前だった! つまりお前がレーナだ!」
そう言ってテッドはレーナに指を突き付ける。
するとレーナは一瞬呆然としたが、すぐにくすくすと笑い始める。
正体を暴かれたのに一体何がおかしいのだろうか。
もしや窮地に追い詰められておかしくなったのだろうか。
「どうしたの? 何がおかしい!?」
「ふふふ、だってこんなのおかしいじゃない。さっきテッドが何て言ったのか覚えてる? これまで話していて楽しかったのは私と話している時の方って言っていたのよ? つまりテッドはお姉様より私と話している方がいいって言っているの」
彼女のことを追い詰めたはずなのに、ほぼ開き直りではあるが逆襲を受けてしまう。
「そ、それは……」
今度はテッドが声を震わせてこちらを見る。
レーナの言葉を聞いて今度は私も呆然とした。
「ち、違うんだシェリー、今のは気が動転していたというか、誤解があったというか……」
テッドは必死で言い訳するが、その言い訳の仕方も私に信じてもらおうとしているというよりも取り繕おうとしている彼の気配が感じ取れてしまった。
それを見て私はテッドの気持ちを悟ってしまう。
そんなテッドと私の反応を見比べてレーナは勝ち誇ったように笑う。
「ふふ、可哀想なお姉様。こんなことなら私がお姉様であるってことのままにしておけばまだテッドに愛されたままだったというのに」
「嘘……」
そもそもテッドは「話していて楽しい」と言っただけで、愛しているとかしていないとかの話はしていないのだが、その時の私はレーナの言葉を真に受けてしまった。
「それとも今からでもまたお姉様の振りをしてあげましょうか?」
「そ、そんなのいらない!」
「おいレーナ、そんなことを言うな! 僕は決してそんなつもりはないんだ!」
一方のテッドは必死にその場を収めようとしているが、すでに自分の勝利を確信したレーナは止まる気配がない。
「テッド、私を選んで」
そう言ってレーナはテッドの腕に抱き着く。
「お、おいやめろ!」
そんな彼女にテッドはやめろとは言うが、彼女を引き離す様子はない。
レーナは彼の腕にしがみついたまま私を見て笑う。
「と言う訳です。負け犬はさっさと出ていってくださいますか?」
「おいレーナ、そういう風に言うことはないだろ!」
テッドはレーナをなだめようとするが、無意識なのか意識的になのか、私が「負け犬」であることは否定してくれなかった。
「すみません、私テッドに選ばれたのが嬉しくて」
レーナの方もテッドが否定しないのをいいことに私に好き放題言ってくる。
「もういい!」
それ以上その場にいることが辛くなり、気が付くと私はどこかへ駆け出していた。
後ろからは嬉しそうに笑うレーナの声と、なだめつつも満更でもなさそうなテッドの声が聞こえてきたような気がした。
「言われてみれば確かに」
私の言葉にテッドは頷く。
それを聞いてレーナはぎくりとした。
そもそもレーナがどうやって私に成りすましていたかは分からないが、私とテッドが約束している日とは違うタイミングで会っているため、おそらく毎回「急に予定が空いたから来ちゃった」のような言い訳をしているのだろう。
今までは多少不自然と思われても容姿が本人だから特に疑われることもなかったのだろうが、こうなってしまえばさすがにテッドも気づくはずだ。
「レーナと会っている時は毎回不自然だったはず! 思い出して」
「言われてみれば最近シェリーがやたら突然やってくると思っていたが、それはそういうことだったのか?」
テッドは首を捻る。
「そうか、そして不自然な時は毎回お前だった! つまりお前がレーナだ!」
そう言ってテッドはレーナに指を突き付ける。
するとレーナは一瞬呆然としたが、すぐにくすくすと笑い始める。
正体を暴かれたのに一体何がおかしいのだろうか。
もしや窮地に追い詰められておかしくなったのだろうか。
「どうしたの? 何がおかしい!?」
「ふふふ、だってこんなのおかしいじゃない。さっきテッドが何て言ったのか覚えてる? これまで話していて楽しかったのは私と話している時の方って言っていたのよ? つまりテッドはお姉様より私と話している方がいいって言っているの」
彼女のことを追い詰めたはずなのに、ほぼ開き直りではあるが逆襲を受けてしまう。
「そ、それは……」
今度はテッドが声を震わせてこちらを見る。
レーナの言葉を聞いて今度は私も呆然とした。
「ち、違うんだシェリー、今のは気が動転していたというか、誤解があったというか……」
テッドは必死で言い訳するが、その言い訳の仕方も私に信じてもらおうとしているというよりも取り繕おうとしている彼の気配が感じ取れてしまった。
それを見て私はテッドの気持ちを悟ってしまう。
そんなテッドと私の反応を見比べてレーナは勝ち誇ったように笑う。
「ふふ、可哀想なお姉様。こんなことなら私がお姉様であるってことのままにしておけばまだテッドに愛されたままだったというのに」
「嘘……」
そもそもテッドは「話していて楽しい」と言っただけで、愛しているとかしていないとかの話はしていないのだが、その時の私はレーナの言葉を真に受けてしまった。
「それとも今からでもまたお姉様の振りをしてあげましょうか?」
「そ、そんなのいらない!」
「おいレーナ、そんなことを言うな! 僕は決してそんなつもりはないんだ!」
一方のテッドは必死にその場を収めようとしているが、すでに自分の勝利を確信したレーナは止まる気配がない。
「テッド、私を選んで」
そう言ってレーナはテッドの腕に抱き着く。
「お、おいやめろ!」
そんな彼女にテッドはやめろとは言うが、彼女を引き離す様子はない。
レーナは彼の腕にしがみついたまま私を見て笑う。
「と言う訳です。負け犬はさっさと出ていってくださいますか?」
「おいレーナ、そういう風に言うことはないだろ!」
テッドはレーナをなだめようとするが、無意識なのか意識的になのか、私が「負け犬」であることは否定してくれなかった。
「すみません、私テッドに選ばれたのが嬉しくて」
レーナの方もテッドが否定しないのをいいことに私に好き放題言ってくる。
「もういい!」
それ以上その場にいることが辛くなり、気が付くと私はどこかへ駆け出していた。
後ろからは嬉しそうに笑うレーナの声と、なだめつつも満更でもなさそうなテッドの声が聞こえてきたような気がした。
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