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Ⅱ
エレンの日常Ⅳ
シエラの頼みを断った私は、改めて一人でフランクのためにケーキを焼くことにしました。
まずは卵や砂糖、この間もらった小麦粉などを揃え、準備をします。
卵白と卵黄を分けて泡立て、小麦粉を入れてさっと混ぜます。この混ぜ方で生地の柔らかさが変わると知ってからは空気が入るように気を付けて混ぜるようになりました。
それからバターを入れて生地を焼きます。
そして生地をオーブンに入れている間に、ココアパウダー入りのグラサージュを作ります。ココアパウダーやゼラチンといった材料を熱しながら混ぜるのですが、これも火加減には結構気を使っています。
最後に焼き上がった生地にグラサージュをかけて、フルーツを切って載せて出来上がりです。
「お姉様、いつもよりもやけにこだわってケーキを焼いていますが、どなたかにプレゼントするのでしょうか?」
私がケーキを作っていると、シエラが少し羨ましそうに尋ねてきます。私のケーキがおいしそうに見えたからでしょうか。
私がシエラとウィルの仲がいいことに気づいているように、もしかしたらシエラも私がフランクと仲がいいことに気づいているのかもしれません。変に隠すのも面倒なので私は正直に答えます。
「そうよ」
シエラもフランクが明日来ることは当然知っていますから、それだけで意図は伝わったでしょう。
そこでふと、シエラは私とフランクの仲がいいことに対してどう思っているのか気になります。
こんなタイミングで訊くのもなんですが、そう言えばシエラとフランクの仲はどうなのでしょうか。フランクと話している限りだとシエラはフランクに対してはあまり好意的に接しているようには聞こえませんが。
「そう言えばシエラはフランクとは仲がいいの? 時々二人で会っているようだけど」
「うーん、正直あんまりです。何というか……一度彼の屋敷に行っている時に彼が怒っているのを見てしまって、それ以来ちょっと怖くて」
「怒っている?」
私は一瞬首をかしげましたが、よく考えるとフランクは貴族の息子の中ではどちらかというと正義感が強いタイプです。
私がウィルと喧嘩した次の日も彼は私よりもウィルに対して怒りを露わにしてくれました。
私は彼のそんな性格を好ましく思っていますが、他人に対して怒っているところをいきなり見てしまうと、近寄りがたく思えてしまうのかもしれません。
また、貴族の息子にはどちらかというとおっとりしているタイプと少しナルシスト気味のタイプが多いので、よく考えるとフランクのような性格は珍しいです。
「確かに、時々言葉が強くなる時はあるかもね」
私の言葉にシエラは微妙そうな顔をします。
やはり彼女はフランクのことを苦手に思っているようです。
「父上が私とフランクを婚約させたいのは分かっていますが……いえ、こんなこと言っても仕方ないですよね、すみません」
「……」
そう言うと、シエラは逃げるように私の前から去っていくのでした。
それを見て私は一瞬、私たちの婚約者が逆であれば良かったのに、という気持ちが脳裏をよぎりましたが、物と違って婚約者は気軽に交換することは出来ません。
そんなことを考えつつ私はケーキの用意を終えました。
まずは卵や砂糖、この間もらった小麦粉などを揃え、準備をします。
卵白と卵黄を分けて泡立て、小麦粉を入れてさっと混ぜます。この混ぜ方で生地の柔らかさが変わると知ってからは空気が入るように気を付けて混ぜるようになりました。
それからバターを入れて生地を焼きます。
そして生地をオーブンに入れている間に、ココアパウダー入りのグラサージュを作ります。ココアパウダーやゼラチンといった材料を熱しながら混ぜるのですが、これも火加減には結構気を使っています。
最後に焼き上がった生地にグラサージュをかけて、フルーツを切って載せて出来上がりです。
「お姉様、いつもよりもやけにこだわってケーキを焼いていますが、どなたかにプレゼントするのでしょうか?」
私がケーキを作っていると、シエラが少し羨ましそうに尋ねてきます。私のケーキがおいしそうに見えたからでしょうか。
私がシエラとウィルの仲がいいことに気づいているように、もしかしたらシエラも私がフランクと仲がいいことに気づいているのかもしれません。変に隠すのも面倒なので私は正直に答えます。
「そうよ」
シエラもフランクが明日来ることは当然知っていますから、それだけで意図は伝わったでしょう。
そこでふと、シエラは私とフランクの仲がいいことに対してどう思っているのか気になります。
こんなタイミングで訊くのもなんですが、そう言えばシエラとフランクの仲はどうなのでしょうか。フランクと話している限りだとシエラはフランクに対してはあまり好意的に接しているようには聞こえませんが。
「そう言えばシエラはフランクとは仲がいいの? 時々二人で会っているようだけど」
「うーん、正直あんまりです。何というか……一度彼の屋敷に行っている時に彼が怒っているのを見てしまって、それ以来ちょっと怖くて」
「怒っている?」
私は一瞬首をかしげましたが、よく考えるとフランクは貴族の息子の中ではどちらかというと正義感が強いタイプです。
私がウィルと喧嘩した次の日も彼は私よりもウィルに対して怒りを露わにしてくれました。
私は彼のそんな性格を好ましく思っていますが、他人に対して怒っているところをいきなり見てしまうと、近寄りがたく思えてしまうのかもしれません。
また、貴族の息子にはどちらかというとおっとりしているタイプと少しナルシスト気味のタイプが多いので、よく考えるとフランクのような性格は珍しいです。
「確かに、時々言葉が強くなる時はあるかもね」
私の言葉にシエラは微妙そうな顔をします。
やはり彼女はフランクのことを苦手に思っているようです。
「父上が私とフランクを婚約させたいのは分かっていますが……いえ、こんなこと言っても仕方ないですよね、すみません」
「……」
そう言うと、シエラは逃げるように私の前から去っていくのでした。
それを見て私は一瞬、私たちの婚約者が逆であれば良かったのに、という気持ちが脳裏をよぎりましたが、物と違って婚約者は気軽に交換することは出来ません。
そんなことを考えつつ私はケーキの用意を終えました。
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