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Ⅳ
メルヴィン子爵
「まさか第三者までこの事件に首を突っ込んできてるなんて……でもランカスター家がそのメイドを捕えてないだけまだ良かった」
私はフランクからの手紙を見て驚きつつもほっとしました。
メルヴィン子爵とは大きなパーティーで挨拶をしたぐらいの面識しかありませんでしたが、思い起こしてみれば高い服を着て高い装飾品をジャラジャラさせていたような気がします。きっと金に貪欲な人物なのでしょう。
その手紙を読んだ私はすぐに父上の元に知らせました。
それを聞いた父上はすぐにメルヴィン子爵に会談を申し込んだものの、断られてしまったらしいです。
「おのれ子爵め、真実はどうでもいいから金だけ欲しいということか? それとも我らを両天秤にかけてより多くの金を出させようとしているのか!?」
その返事を見た父上は当然激怒しました。
私たちはこの事件に対して真剣なのに、他人の金儲けの道具にされそうになっていることを考えれば当然です。しばらくの間父上はメルヴィン子爵の悪口を言っていましたが、やがて一息つきます。
「……はあ、済まない、取り乱してしまった」
「いえ、構いません。それよりも、私が子爵に会いにいってもいいでしょうか?」
「そうは言っても……向こうは許さないんじゃないか?」
それを聞いて父上は怪訝な顔をします。
「そうかもしれません。しかしダメ元でいいので会談を申し込んでみたいのです」
「まあそう言うのであれば……」
父上はどうせ断られると思ったのか、しぶしぶといった様子で承諾します。
が、戻って来た返事を見ると私が子爵に会いにいくのはあっさり承諾されました。
私程度であれば適当に丸め込めると侮られているということでしょうか。
その返事を見せると、手紙を出すときはあっさり承諾したはずの父上が急に慌て始めます。
「エレン、やはりやめた方がいい。相手は金に汚い貴族だ、きっとエレン一人のところをうまく丸め込もうとしたり、騙そうとしたりするに違いない」
「だとしても我が家がランカスター子爵家に財力で勝てるとは思えません。だとすれば私が自力でメルヴィン子爵を説得しなければ、証人になってくれるメイドは向こうの手に渡ってしまうでしょう」
「それはそうだが……」
よほど心配なのか、父上は返事をしぶっています。
「大丈夫です。向こうは金が欲しいだけで、私をとって食うようなことはしないはずです。それにすでにこちらから会談を申し込んでおきながらやはりやめるというのは印象があまりよくありません」
「まあそういうことなら」
それを聞いて父上はしぶしぶといった表情で頷きます。
こうして私は単身メルヴィン子爵の元に赴くことになりました。
出発する前に子爵について軽く調べてみると、やはりあまりいい噂はありませんでした。領地からは重税を搾り取っているとか、それまで親しかった貴族相手でも金がなくなった瞬間態度が変わったとか、そのような話ばかりです。それを知って私はいよいよ今回の子爵の行動はお金目的であることを確信しました。
ただ、芸術方面ではそれなりに有名人らしく、屋敷の建築や庭の美麗さなどでは名を遺しているようです。
芸術センスと人格はあまり関係しない、どころか金に任せて思い通りの物を作ることが出来るということでしょう。
そのような相手に私のようなただの令嬢が何を言ったら話を聞いてくれるのか不安ではありますが、私は一人で屋敷に赴くことにしたのでした。
私はフランクからの手紙を見て驚きつつもほっとしました。
メルヴィン子爵とは大きなパーティーで挨拶をしたぐらいの面識しかありませんでしたが、思い起こしてみれば高い服を着て高い装飾品をジャラジャラさせていたような気がします。きっと金に貪欲な人物なのでしょう。
その手紙を読んだ私はすぐに父上の元に知らせました。
それを聞いた父上はすぐにメルヴィン子爵に会談を申し込んだものの、断られてしまったらしいです。
「おのれ子爵め、真実はどうでもいいから金だけ欲しいということか? それとも我らを両天秤にかけてより多くの金を出させようとしているのか!?」
その返事を見た父上は当然激怒しました。
私たちはこの事件に対して真剣なのに、他人の金儲けの道具にされそうになっていることを考えれば当然です。しばらくの間父上はメルヴィン子爵の悪口を言っていましたが、やがて一息つきます。
「……はあ、済まない、取り乱してしまった」
「いえ、構いません。それよりも、私が子爵に会いにいってもいいでしょうか?」
「そうは言っても……向こうは許さないんじゃないか?」
それを聞いて父上は怪訝な顔をします。
「そうかもしれません。しかしダメ元でいいので会談を申し込んでみたいのです」
「まあそう言うのであれば……」
父上はどうせ断られると思ったのか、しぶしぶといった様子で承諾します。
が、戻って来た返事を見ると私が子爵に会いにいくのはあっさり承諾されました。
私程度であれば適当に丸め込めると侮られているということでしょうか。
その返事を見せると、手紙を出すときはあっさり承諾したはずの父上が急に慌て始めます。
「エレン、やはりやめた方がいい。相手は金に汚い貴族だ、きっとエレン一人のところをうまく丸め込もうとしたり、騙そうとしたりするに違いない」
「だとしても我が家がランカスター子爵家に財力で勝てるとは思えません。だとすれば私が自力でメルヴィン子爵を説得しなければ、証人になってくれるメイドは向こうの手に渡ってしまうでしょう」
「それはそうだが……」
よほど心配なのか、父上は返事をしぶっています。
「大丈夫です。向こうは金が欲しいだけで、私をとって食うようなことはしないはずです。それにすでにこちらから会談を申し込んでおきながらやはりやめるというのは印象があまりよくありません」
「まあそういうことなら」
それを聞いて父上はしぶしぶといった表情で頷きます。
こうして私は単身メルヴィン子爵の元に赴くことになりました。
出発する前に子爵について軽く調べてみると、やはりあまりいい噂はありませんでした。領地からは重税を搾り取っているとか、それまで親しかった貴族相手でも金がなくなった瞬間態度が変わったとか、そのような話ばかりです。それを知って私はいよいよ今回の子爵の行動はお金目的であることを確信しました。
ただ、芸術方面ではそれなりに有名人らしく、屋敷の建築や庭の美麗さなどでは名を遺しているようです。
芸術センスと人格はあまり関係しない、どころか金に任せて思い通りの物を作ることが出来るということでしょう。
そのような相手に私のようなただの令嬢が何を言ったら話を聞いてくれるのか不安ではありますが、私は一人で屋敷に赴くことにしたのでした。
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