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エピローグ
Ⅲ
「普通婚約者があんなことをしたらショックでしばらく婚約のことなんて考えたくなくなるんじゃないか?」
「もちろん。でもそれは相手が見ず知らずの男だった場合。フランクは今回色々してくれたし、元々別に知らない仲でもなかったし」
「でもあくまで僕はシエラの婚約者候補に過ぎなかっただろう?」
フランクは意外そうに首をかしげます。
確かに私も建前ではそれを知ってはいたけど、本当はそれだけとは思っていませんでした。
「ええ、だってシエラがフランクのことを好きじゃないって分かっていても、浮気したり冷たくしたりせずにどうにかしようとずっと頑張ってくれていたでしょう?」
「それは政略結婚ってそういうものだから……」
「私もそう思ってたけど、世の中にはそう思ってない人は結構多いみたい」
ウィルは当然ですが、メルヴィン子爵も「女には興味がない」と平然と言い放っていましたし。ウィルのように別な女に手を出すのは論外としても、歩み寄ろうとせずに距離が離れたままにしておく人の方が多いのではないかと私は思っています。
「それに、今回のことも我が家のことなのに率先して協力してくれたでしょう?」
「それは僕だって一応婚約者だったシエラに手を出されたから怒っていただけだ」
「でも、シエラの言っていることが本当だとしてもシエラにはかなりの非があった。それなのに我が家の味方をしてくれたのは嬉しかったけど。普通なら見放したり、シエラの不貞に慰謝料を請求してもおかしくはなかったと思う」
金に汚い、例えばメルヴィン子爵のような人物であればそうしていたかもしれません。それなのにフランクはずっと私たちの味方をしてくれました。
「言われてみればそれはそうだな」
「そんな正義感が強いところも私は好き」
「ありがとう……参ったな。そこまで言われると僕もこれ以上隠してはおけないか」
そう言ってフランクは急にふっと笑います。
突然の言葉に私は困惑しました。
フランクは一体私に何を隠していたのでしょうか。とてもそんな気配はありませんでしたが。
「え、な、何?」
「確かに今言った理由も全部本当だし、元々そういう気持ちがあったのも嘘はないんだけど、途中からそういうことよりも僕はエレンのために行動したいと思うようになっていたんだ」
「え?」
突然の言葉に私は驚きます。
するとフランクは少し顔を赤くして続けました。
「もっとも、僕だってそれがどういう気持ちなのかはよく分からなかったし、実際ウィルが許せないのも事実だったから自分でも訳が分からなくなって。ただ、あの賊が馬車を襲っているのを見た時に思ったんだ。もしもエレンが誰かに危害を加えられたら僕はそいつを絶対に許すことが出来ないだろうって」
「……」
突然の告白に私は驚きのあまりしばらく言葉を発することが出来なくなってしまいました。まさかフランクがそんな風に思ってくれていたとは。
私はどうにか平静を装っていましたが、内心喜びと驚きで言葉を発することもままなりません。
そうとは知らずにフランクは言葉を続けます。
「それで、この件が一件落着した後に、実は僕の方から父上にこの話をそれとなく打診したんだ。そしたら父上も同意してくれて、とんとん拍子に話が進んだんだ」
「そうだったんだ……ありがとう」
フランクが話し終えた後、私はそれだけ答えるのがやっとでした。
まさかロイド男爵よりもフランクの意志でこの婚約が成立したとは。
それを聞いて私はほっとしたように、嬉しいような気持ちに包まれるのでした。
そして私は顔を赤くしているフランクに告げます。
「私も、婚約相手が他の誰でもないフランクで、嬉しい」
「そう言ってくれて良かった」
こうして私たちはお互いの気持ちを確かめ合って喜びに包まれたのでした。
「もちろん。でもそれは相手が見ず知らずの男だった場合。フランクは今回色々してくれたし、元々別に知らない仲でもなかったし」
「でもあくまで僕はシエラの婚約者候補に過ぎなかっただろう?」
フランクは意外そうに首をかしげます。
確かに私も建前ではそれを知ってはいたけど、本当はそれだけとは思っていませんでした。
「ええ、だってシエラがフランクのことを好きじゃないって分かっていても、浮気したり冷たくしたりせずにどうにかしようとずっと頑張ってくれていたでしょう?」
「それは政略結婚ってそういうものだから……」
「私もそう思ってたけど、世の中にはそう思ってない人は結構多いみたい」
ウィルは当然ですが、メルヴィン子爵も「女には興味がない」と平然と言い放っていましたし。ウィルのように別な女に手を出すのは論外としても、歩み寄ろうとせずに距離が離れたままにしておく人の方が多いのではないかと私は思っています。
「それに、今回のことも我が家のことなのに率先して協力してくれたでしょう?」
「それは僕だって一応婚約者だったシエラに手を出されたから怒っていただけだ」
「でも、シエラの言っていることが本当だとしてもシエラにはかなりの非があった。それなのに我が家の味方をしてくれたのは嬉しかったけど。普通なら見放したり、シエラの不貞に慰謝料を請求してもおかしくはなかったと思う」
金に汚い、例えばメルヴィン子爵のような人物であればそうしていたかもしれません。それなのにフランクはずっと私たちの味方をしてくれました。
「言われてみればそれはそうだな」
「そんな正義感が強いところも私は好き」
「ありがとう……参ったな。そこまで言われると僕もこれ以上隠してはおけないか」
そう言ってフランクは急にふっと笑います。
突然の言葉に私は困惑しました。
フランクは一体私に何を隠していたのでしょうか。とてもそんな気配はありませんでしたが。
「え、な、何?」
「確かに今言った理由も全部本当だし、元々そういう気持ちがあったのも嘘はないんだけど、途中からそういうことよりも僕はエレンのために行動したいと思うようになっていたんだ」
「え?」
突然の言葉に私は驚きます。
するとフランクは少し顔を赤くして続けました。
「もっとも、僕だってそれがどういう気持ちなのかはよく分からなかったし、実際ウィルが許せないのも事実だったから自分でも訳が分からなくなって。ただ、あの賊が馬車を襲っているのを見た時に思ったんだ。もしもエレンが誰かに危害を加えられたら僕はそいつを絶対に許すことが出来ないだろうって」
「……」
突然の告白に私は驚きのあまりしばらく言葉を発することが出来なくなってしまいました。まさかフランクがそんな風に思ってくれていたとは。
私はどうにか平静を装っていましたが、内心喜びと驚きで言葉を発することもままなりません。
そうとは知らずにフランクは言葉を続けます。
「それで、この件が一件落着した後に、実は僕の方から父上にこの話をそれとなく打診したんだ。そしたら父上も同意してくれて、とんとん拍子に話が進んだんだ」
「そうだったんだ……ありがとう」
フランクが話し終えた後、私はそれだけ答えるのがやっとでした。
まさかロイド男爵よりもフランクの意志でこの婚約が成立したとは。
それを聞いて私はほっとしたように、嬉しいような気持ちに包まれるのでした。
そして私は顔を赤くしているフランクに告げます。
「私も、婚約相手が他の誰でもないフランクで、嬉しい」
「そう言ってくれて良かった」
こうして私たちはお互いの気持ちを確かめ合って喜びに包まれたのでした。
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