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エピローグ
Ⅳ
それからさらに一か月ほどして、ついに私たちの婚約を披露する日が訪れます。
その日はロイド家の屋敷にたくさんの人々を集めてパーティーが開かれました。そう言えば前にロイド男爵の誕生日の時にもパーティーがありましたが、その時とは規模が全然違います。
また、前回は男爵と交流のある貴族を中心に集められていましたが、今日は一応国内の貴族全員に誘いをかけたということです。もちろん、交流がない人物や遠方の貴族の中には来ない者もいましたが。
広間に集まった人数を見て私は驚きの声をあげます。
「すごい、こんなに大きなパーティーは初めてかもしれない」
「ああ、僕もだ」
傍らにいるフランクの表情も緊張で少し強張っています。
昨日までは準備で、今朝からはやってくる人々の歓迎で疲れているのがみてとれます。元々あまり人が多い訳でもないロイド家では、準備にてんやわんやでした。私や父上も出来るだけ手伝おうとはしましたが、何せうちも小さな家なので出来ることは限られています。
「でもこんなにたくさんの人を集めたパーティーなんて開いて大丈夫かしら?」
「それは問題ない。ほら、この間の件でランカスター子爵領の一部を恩賞としてもらっただろう? だから財政的には余裕があるけど、問題は人だね」
お金はもらったらすぐ使えますが、人は雇ってすぐに期待通りの動きをしてくれるとは限りません。
今もたくさんの来賓の間を雇ったばかりの執事やメイドがひっきりなしに駆け回っていますが、来賓の案内や料理の準備にかなりぎりぎりの様子です。
そんな中、広間の中央にロイド男爵が進み出て周囲を見回しました。
「皆様、本日はお越しくださってありがとうございます」
男爵が話し始めると先ほどまで賑やかだった会場がふっと静かになりました。
「本日皆様にお集りいただいたのは他でもない、改めてお披露目したいことがあったためです」
恐らく私とフランクの婚約の話はすでに広まっているでしょうが、皆知らない体で聞いています。
「実は我が息子のフランクとリーン家のエレン嬢の間でこのたび婚約することが決まりました。エレン嬢は婚約者に不義理を働かれたばかりですが、その事件を自らの意志で乗り越え現在では立派に前を向いて歩いています」
婚約者をお披露目する場で褒めるのは当然なのでしょうが、大勢の前でそこまで言われると恥ずかしくなってしまいます。
「それでは二人とも、前へ」
そう言われて私はフランクとともに広間の前に進み出ます。
あんな事件があった直後だし、ウィルが流した噂もまだ信じている者がいるかもしれない。そう思うと色々不安になりますが、幸いなことに私たちが広間の前方に立つと会場は温かい拍手に包まれ、ほっとしました。
それを見てまずはフランクが口を開きます。
「初めまして、フランク・ロイドです。このたびエレンと婚約することとなりました。皆様、温かく祝福していただきありがとうございます。今後はロイド家の跡継ぎとして、立派な男爵になれるよう日々精進していこうと思います」
「エレン・リーンです。先日は皆様を大変お騒がせいたしました。今後はフランクを支えていける妻になれるよう精進いたします」
私たちが型どおりの挨拶をすると、再び会場は拍手に包まれるのでした。
そこで再び男爵が口を開きます。
「と言う訳で、本日は皆様大いにお楽しみください」
男爵がそう言うと、広場にはたくさんの料理が運ばれてきて、パーティーへと移っていくのでした。
その日はロイド家の屋敷にたくさんの人々を集めてパーティーが開かれました。そう言えば前にロイド男爵の誕生日の時にもパーティーがありましたが、その時とは規模が全然違います。
また、前回は男爵と交流のある貴族を中心に集められていましたが、今日は一応国内の貴族全員に誘いをかけたということです。もちろん、交流がない人物や遠方の貴族の中には来ない者もいましたが。
広間に集まった人数を見て私は驚きの声をあげます。
「すごい、こんなに大きなパーティーは初めてかもしれない」
「ああ、僕もだ」
傍らにいるフランクの表情も緊張で少し強張っています。
昨日までは準備で、今朝からはやってくる人々の歓迎で疲れているのがみてとれます。元々あまり人が多い訳でもないロイド家では、準備にてんやわんやでした。私や父上も出来るだけ手伝おうとはしましたが、何せうちも小さな家なので出来ることは限られています。
「でもこんなにたくさんの人を集めたパーティーなんて開いて大丈夫かしら?」
「それは問題ない。ほら、この間の件でランカスター子爵領の一部を恩賞としてもらっただろう? だから財政的には余裕があるけど、問題は人だね」
お金はもらったらすぐ使えますが、人は雇ってすぐに期待通りの動きをしてくれるとは限りません。
今もたくさんの来賓の間を雇ったばかりの執事やメイドがひっきりなしに駆け回っていますが、来賓の案内や料理の準備にかなりぎりぎりの様子です。
そんな中、広間の中央にロイド男爵が進み出て周囲を見回しました。
「皆様、本日はお越しくださってありがとうございます」
男爵が話し始めると先ほどまで賑やかだった会場がふっと静かになりました。
「本日皆様にお集りいただいたのは他でもない、改めてお披露目したいことがあったためです」
恐らく私とフランクの婚約の話はすでに広まっているでしょうが、皆知らない体で聞いています。
「実は我が息子のフランクとリーン家のエレン嬢の間でこのたび婚約することが決まりました。エレン嬢は婚約者に不義理を働かれたばかりですが、その事件を自らの意志で乗り越え現在では立派に前を向いて歩いています」
婚約者をお披露目する場で褒めるのは当然なのでしょうが、大勢の前でそこまで言われると恥ずかしくなってしまいます。
「それでは二人とも、前へ」
そう言われて私はフランクとともに広間の前に進み出ます。
あんな事件があった直後だし、ウィルが流した噂もまだ信じている者がいるかもしれない。そう思うと色々不安になりますが、幸いなことに私たちが広間の前方に立つと会場は温かい拍手に包まれ、ほっとしました。
それを見てまずはフランクが口を開きます。
「初めまして、フランク・ロイドです。このたびエレンと婚約することとなりました。皆様、温かく祝福していただきありがとうございます。今後はロイド家の跡継ぎとして、立派な男爵になれるよう日々精進していこうと思います」
「エレン・リーンです。先日は皆様を大変お騒がせいたしました。今後はフランクを支えていける妻になれるよう精進いたします」
私たちが型どおりの挨拶をすると、再び会場は拍手に包まれるのでした。
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