「君の作った料理は愛情がこもってない」と言われたのでもう何も作りません

今川幸乃

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エピローグ

 料理がきたとはいえ、私とフランクは今日の主役みたいなものなので、ただご飯を食べているという訳にはいきません。
 今日は国中から様々な貴族が集まっているため、早速その挨拶回りが始まります。特に私たちのような下級貴族であれば普段は直接話すことがあまりないような公爵位の貴族も何人か姿を見せています。

「二人とも似合いの婚約者だ」
「色々あるだろうが、これからも王国のために頑張ってくれたまえ」
「様々な噂が流れていて心配だったが、うまくいったようで何よりだ」

 そんな貴族たちも私たちが一緒に挨拶に赴くと、それぞれお祝いの言葉をかけてくれます。
 そんな中、この間の事件でお世話になったエルーノ公爵が姿を見せました。

「あの時はお世話になりました」

 私は彼の姿を見るなり頭を下げます。

「いやいや、わしは職務を全うしたまでだ。そう言えば、ランカスター家が潰れるとそれまで口止めされていた使用人たちも本当のことを言うようになったからあの裁判は正しかったと証明され、わしの名声も上がったからな」

 公爵は上機嫌に言います。

 ランカスター子爵は最終的には裁判の内容関係なく、他家の馬車を襲わせるという言語道断な行為で家を潰しましたが、その後に裁判の内容が裏付ける証言がまた次々と出てきていたようです。

 エルーノ公爵の裁判が正しかったことが分かれば、彼の発言力は上がっていくことでしょう。実際、あの事件では公正な裁きが評価されて評判が上がり、没収されたランカスター家の領地の一部ももらって領地も広くなりました。

「そうだったのか。それは良かったです」

 すると公爵は今度はフランクに目を向けました。

「君がフランクか。賊を一人で追い返したという噂は聞いているよ」
「いや、それはさすがに尾ひれがついていますが……」

 一人で、はさすがに誇張しすぎですが公爵は軽く驚いてみせます。

「そうだったのか? 君と会って、君ならもしやと思ったが」
「それはありがたきお言葉でございます」
「何にせよ、君たちには期待しているから、跡を継いだら頑張ってくれたまえ」

 そう言って公爵は去っていきました。他にもこれまでは会話する機会さえなかった大貴族の公爵や侯爵の方々が続々と私たちに好意的な言葉をかけてくれます。

 こうして、この日の婚約披露会は祝意に包まれて終わりました。

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