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17. 兄との会話
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「え!?お兄様!?」
夕食。
ナターシャが、ラドに連れて来られて食堂に入ると、ジョニーがすでに座っていた。
「やぁ。話は粗方聞いたよ。よく頑張ったね。さぁ、後でナターシャ話をしてくれるかい?今日はここの食事を楽しみにしてきたんだ。」
そう言ったジョニーは、ナターシャへにこやかに笑いかけた。
ナターシャは、いつの間にかジョニーがいて驚いたのだ。
ジョニーがエドと共に王宮へ着くとまず、正門で書状を見せ、返答をしに参ったと伝えた。すると、そのままラドのいる執務室へと通されたのだ。
そして、エドは疲れただろうと別室を用意された。断るエドに、『君はきっと、そのままナターシャのいる部屋に戻るだろう。そうするときっと、そのまま仕事をするんじゃないのか?とりあえず仮眠を取れ。これは命令だ。』とラドは言い、半ば強引に侍従に連れられて行ったのだ。ラドなりの、労いであった。
だからエドがナターシャの部屋に帰って来ないから、まだまだだと思っていたのに兄がいたから驚いた。
「兄妹の再開の所悪いけれど、食事を一緒にしたいんだが、いいか?」
「え?えと、でもラド様こそいいの?兄が一緒でも…」
「本当だったら、俺はナターシャと二人で食べたいところだけど、ナターシャが一刻も早く兄に会いたいかと思って誘ったんだ。」
「そうなのね!ラド様、ありがとう!!」
(おや…?ナターシャもまんざらではない様子なのか…?普段だったら、緊張するだろうに。)
二人の会話や顔の表情から、早くもジョニーはナターシャの心情を感じ取ったのだった。
☆★
食事も、上手い具合にラドが話を降り、思いのほか楽しく終える事が出来たとナターシャは思った。
帰り際、ラドから
「明日からも、一緒に食事を…してもいいか?」
と、怯えるような悲しそうな目で言われた時は、何故そんな事を言うのかと思ったが、
「え?…当たり前のように食べていたから、そんな事思ってもいなかったわ。ラド様はどうなの?」
「いや、ナターシャが俺と一緒に過ごすより、兄と過ごしたいのかと聞きたかったんだ。俺はもちろん、ナターシャと食べたいさ。」
「私はいつも、ラド様がお仕事忙しいのにお迎えまで来てくれていいのかとそれこそ疑問だったの。ラド様がいいなら、明日からも、一緒に食べましょう?ね、お兄様!」
「あ!?あ、あぁ……俺は、せっかくこの国に来たんだからやりたい事がある。二人で食べなさい。」
「え?そうなの?お兄様…私にも手伝える事があったら言ってね。では、ラド様。また明日!」
ジョニーは、ラドがナターシャに聞いた時、ナターシャの気持ちを尊重してくれているんだと安堵した。が、自分に話を振られるとは思っていなくて、動揺してしまった。悩みながらラドを見ると、こちらを睨んでいたので二人で食べたいんだろうと思い、遠慮したのだった。元々、侯爵家でも家族で揃う時には一緒に食べるが、同じ屋敷内に居ても仕事が立て込んでいる時などは別々な事もあった為、まぁいいかとあっさり譲ったのだった。
☆★
「さぁ、ナターシャ。この国へ来てからの事を聞きたい。話してくれるかい?」
夕食が終わり、ナターシャの部屋に来てソファに腰掛けたジョニーは、そう言った。
「ええ、お兄様。私、頑張ったのよ?だって、販路拡大出来たの!すごいでしょう?」
「そうだね…それも聞きたいけど、ラド様の事だよ。」
「ラド様?」
「あぁ。ナターシャ、僕は今回の件が終わったら一度帰るよ。確か、絹の購入の事で騎士団とあと、アレクサンダー公爵家のミロシュ様にも会うからね。早ければあと一週間かな。ナターシャはどうする?」
「え?帰…」
(そうだわ…私、帰らなくちゃ。いつまでもここにいていいわけないんだ…)
「もし、もしもだよ。まだナターシャがこの国にいたいのなら、いていいんだ。だって帰るという事は、ラド様と会えなくなるという事だからね。」
「……お兄様。」
「食事の時に思ったんだ。ナターシャは、ラド様と楽しく話しているなって。ラド様は話題豊富だし、一緒にいても楽しいよね。」
「…お兄様、どういう事?」
「だからね、ラド様に会えなくなっていいかっていう事を聞きたかったんだ。」
「………。」
(私、先送りにしていて、そこまで深く考えていなかったわ…。確かにそう。ここを離れたら、おいそれとは会えなくなるわ。本来なら、私が社交界へデビューして、積極的に外に出ない限り、会う事はなかった人だものね……。)
「じっくり考えてごらん。これは、父上も母上も同じ気持ちだよ。もちろん、僕もジンジャーもね。ナターシャの幸せを一番に願っているよ。」
「…私の…?」
「そう。ナターシャのやりたいようにしていいんだ。この国に残りたいならいていいんだよ。」
「でも…」
「あぁナターシャ!悲しませたいわけじゃないんだ。だからそんな顔をしないでおくれ…。大丈夫!ナターシャが悲しむ事は何もないんだよ。さ、明日もラド様と朝食をご一緒するんだろう?早く寝ないとね。」
ジョニーは、おやすみ、と言って部屋を出て行った。
(あぁ…私どうしたいんだろう……)
ナターシャは、考えないようにしていた事を兄に鋭く突きつけられ、その事を考えるとなかなか寝付く事が出来なかった。
夕食。
ナターシャが、ラドに連れて来られて食堂に入ると、ジョニーがすでに座っていた。
「やぁ。話は粗方聞いたよ。よく頑張ったね。さぁ、後でナターシャ話をしてくれるかい?今日はここの食事を楽しみにしてきたんだ。」
そう言ったジョニーは、ナターシャへにこやかに笑いかけた。
ナターシャは、いつの間にかジョニーがいて驚いたのだ。
ジョニーがエドと共に王宮へ着くとまず、正門で書状を見せ、返答をしに参ったと伝えた。すると、そのままラドのいる執務室へと通されたのだ。
そして、エドは疲れただろうと別室を用意された。断るエドに、『君はきっと、そのままナターシャのいる部屋に戻るだろう。そうするときっと、そのまま仕事をするんじゃないのか?とりあえず仮眠を取れ。これは命令だ。』とラドは言い、半ば強引に侍従に連れられて行ったのだ。ラドなりの、労いであった。
だからエドがナターシャの部屋に帰って来ないから、まだまだだと思っていたのに兄がいたから驚いた。
「兄妹の再開の所悪いけれど、食事を一緒にしたいんだが、いいか?」
「え?えと、でもラド様こそいいの?兄が一緒でも…」
「本当だったら、俺はナターシャと二人で食べたいところだけど、ナターシャが一刻も早く兄に会いたいかと思って誘ったんだ。」
「そうなのね!ラド様、ありがとう!!」
(おや…?ナターシャもまんざらではない様子なのか…?普段だったら、緊張するだろうに。)
二人の会話や顔の表情から、早くもジョニーはナターシャの心情を感じ取ったのだった。
☆★
食事も、上手い具合にラドが話を降り、思いのほか楽しく終える事が出来たとナターシャは思った。
帰り際、ラドから
「明日からも、一緒に食事を…してもいいか?」
と、怯えるような悲しそうな目で言われた時は、何故そんな事を言うのかと思ったが、
「え?…当たり前のように食べていたから、そんな事思ってもいなかったわ。ラド様はどうなの?」
「いや、ナターシャが俺と一緒に過ごすより、兄と過ごしたいのかと聞きたかったんだ。俺はもちろん、ナターシャと食べたいさ。」
「私はいつも、ラド様がお仕事忙しいのにお迎えまで来てくれていいのかとそれこそ疑問だったの。ラド様がいいなら、明日からも、一緒に食べましょう?ね、お兄様!」
「あ!?あ、あぁ……俺は、せっかくこの国に来たんだからやりたい事がある。二人で食べなさい。」
「え?そうなの?お兄様…私にも手伝える事があったら言ってね。では、ラド様。また明日!」
ジョニーは、ラドがナターシャに聞いた時、ナターシャの気持ちを尊重してくれているんだと安堵した。が、自分に話を振られるとは思っていなくて、動揺してしまった。悩みながらラドを見ると、こちらを睨んでいたので二人で食べたいんだろうと思い、遠慮したのだった。元々、侯爵家でも家族で揃う時には一緒に食べるが、同じ屋敷内に居ても仕事が立て込んでいる時などは別々な事もあった為、まぁいいかとあっさり譲ったのだった。
☆★
「さぁ、ナターシャ。この国へ来てからの事を聞きたい。話してくれるかい?」
夕食が終わり、ナターシャの部屋に来てソファに腰掛けたジョニーは、そう言った。
「ええ、お兄様。私、頑張ったのよ?だって、販路拡大出来たの!すごいでしょう?」
「そうだね…それも聞きたいけど、ラド様の事だよ。」
「ラド様?」
「あぁ。ナターシャ、僕は今回の件が終わったら一度帰るよ。確か、絹の購入の事で騎士団とあと、アレクサンダー公爵家のミロシュ様にも会うからね。早ければあと一週間かな。ナターシャはどうする?」
「え?帰…」
(そうだわ…私、帰らなくちゃ。いつまでもここにいていいわけないんだ…)
「もし、もしもだよ。まだナターシャがこの国にいたいのなら、いていいんだ。だって帰るという事は、ラド様と会えなくなるという事だからね。」
「……お兄様。」
「食事の時に思ったんだ。ナターシャは、ラド様と楽しく話しているなって。ラド様は話題豊富だし、一緒にいても楽しいよね。」
「…お兄様、どういう事?」
「だからね、ラド様に会えなくなっていいかっていう事を聞きたかったんだ。」
「………。」
(私、先送りにしていて、そこまで深く考えていなかったわ…。確かにそう。ここを離れたら、おいそれとは会えなくなるわ。本来なら、私が社交界へデビューして、積極的に外に出ない限り、会う事はなかった人だものね……。)
「じっくり考えてごらん。これは、父上も母上も同じ気持ちだよ。もちろん、僕もジンジャーもね。ナターシャの幸せを一番に願っているよ。」
「…私の…?」
「そう。ナターシャのやりたいようにしていいんだ。この国に残りたいならいていいんだよ。」
「でも…」
「あぁナターシャ!悲しませたいわけじゃないんだ。だからそんな顔をしないでおくれ…。大丈夫!ナターシャが悲しむ事は何もないんだよ。さ、明日もラド様と朝食をご一緒するんだろう?早く寝ないとね。」
ジョニーは、おやすみ、と言って部屋を出て行った。
(あぁ…私どうしたいんだろう……)
ナターシャは、考えないようにしていた事を兄に鋭く突きつけられ、その事を考えるとなかなか寝付く事が出来なかった。
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