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11. 婚約
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あれから虹色のバラをルシウス様と一緒に見て、少ししてから応接室へ戻った。
そして、お喋りをしていたお父様達四人が私達へと視線を移し、ソファに座ったところで、お父様が聞いてきた。
「サーラよ、どうだった。」
「はい、あの…結婚を前提に…。」
「まぁ!そうお答えしたのね?」
お母様が両手を胸の前で重ね、キラキラとした目で私にいった。私が答えようとすると、
「はい。そう返事をいただきました。」
と、ルシウス様がそれはもう嬉しそうな顔で言った。
「ルシウスよ、嬉しいからって、許可ももらってないのに抱きつくのはいかんぞ。サーラ嬢、愚息がいきなり本当に申し訳なかった。」
「本当に!ヒヤヒヤしたわよ!ごめんなさいね。ルシウス、嫌われちゃったらどうするのよ。」
そう、ディクソン伯爵と夫人が頭を下げながら言ったので見られていたんだ、と途端に恥ずかしくなって下を向いて、小さな声で、『はい…。』と言うに留めた。
「じゃあ、早速であるが、一つ問題があってな。その事をお願いしたい。」
「跡継ぎの事か?」
「あぁ。うちは今まで、サーラがボールドウィン家の家督を継ぐ為に勉強をしていたんだ。」
「そうだったな。」
「だから、妹のキャシーがこれから勉強出来れば何の問題もないんだが。芳しくなくてな…。もしもの時は、サーラとルシウス様の子供を一人、継がせる事にしてもいいだろうか。」
お父様と、ディクソン伯爵がそう話し出した。
「だ、そうだぞ?ルシウスよ、どうだ?」
「僕は、構いませんよ。サーラ嬢さえ良ければ。では子供は二人以上は欲しいところだね。」
ルシウス様が私を見てそんな事言うから、顔の熱が引いたと思ったのにまた熱くなってきたわ。
「じゃあ、話はまとまりそうね。」
「良かったわ。よろしくね。」
お母様も夫人も、ニコニコとしながら皆の顔を見て言った。
お父様達は書類を作成する事になり、私とルシウス様は再び二人で、今度はテラスへと移動した。
いつの間にかお茶の用意がされていたので、それをお互い口にする。
「サーラ嬢は、馬は乗った事あるかい?」
「ええ。領地を見て回る時に、馬車よりも早く移動出来るので。」
「そうなんだね、よかった。ディクソン領は広くてね。馬車で通れない道もあって。その代わり景色はいいんだよ。山しかないけれどね。今度、見せてあげたいなぁ。」
「まぁ!楽しみですわ。」
「本当かい?」
「ええ。ディクソン領の特産品に、鉱石もありましたよね。あと、馬も。」
「そうだよ、よく知っていたね。サーラ嬢は勤勉だ。その、サーラ嬢が付けているイヤリングの鉱石、サファイアかな?うちで採れたのかもね。馬は、うちの領地はとにかく広いからね。走り回っているよ。だからうちの馬は脚が早く、しっかりしてるんだ。」
「うふふ。乗ってみたいわ。」
「じゃあ、今度一緒に馬で遠乗りに行こう。近くに湖があるよ。」
「素晴らしいですわ!」
お父様達が呼びに来るまで、お互いの事をいろいろと話していた。
会う前は緊張して大変だったけれど、早く行ってみたいと思うくらいに気持ちが変わったわ。これも、ルシウス様の温かい人柄のおかげかしら。
そして、お喋りをしていたお父様達四人が私達へと視線を移し、ソファに座ったところで、お父様が聞いてきた。
「サーラよ、どうだった。」
「はい、あの…結婚を前提に…。」
「まぁ!そうお答えしたのね?」
お母様が両手を胸の前で重ね、キラキラとした目で私にいった。私が答えようとすると、
「はい。そう返事をいただきました。」
と、ルシウス様がそれはもう嬉しそうな顔で言った。
「ルシウスよ、嬉しいからって、許可ももらってないのに抱きつくのはいかんぞ。サーラ嬢、愚息がいきなり本当に申し訳なかった。」
「本当に!ヒヤヒヤしたわよ!ごめんなさいね。ルシウス、嫌われちゃったらどうするのよ。」
そう、ディクソン伯爵と夫人が頭を下げながら言ったので見られていたんだ、と途端に恥ずかしくなって下を向いて、小さな声で、『はい…。』と言うに留めた。
「じゃあ、早速であるが、一つ問題があってな。その事をお願いしたい。」
「跡継ぎの事か?」
「あぁ。うちは今まで、サーラがボールドウィン家の家督を継ぐ為に勉強をしていたんだ。」
「そうだったな。」
「だから、妹のキャシーがこれから勉強出来れば何の問題もないんだが。芳しくなくてな…。もしもの時は、サーラとルシウス様の子供を一人、継がせる事にしてもいいだろうか。」
お父様と、ディクソン伯爵がそう話し出した。
「だ、そうだぞ?ルシウスよ、どうだ?」
「僕は、構いませんよ。サーラ嬢さえ良ければ。では子供は二人以上は欲しいところだね。」
ルシウス様が私を見てそんな事言うから、顔の熱が引いたと思ったのにまた熱くなってきたわ。
「じゃあ、話はまとまりそうね。」
「良かったわ。よろしくね。」
お母様も夫人も、ニコニコとしながら皆の顔を見て言った。
お父様達は書類を作成する事になり、私とルシウス様は再び二人で、今度はテラスへと移動した。
いつの間にかお茶の用意がされていたので、それをお互い口にする。
「サーラ嬢は、馬は乗った事あるかい?」
「ええ。領地を見て回る時に、馬車よりも早く移動出来るので。」
「そうなんだね、よかった。ディクソン領は広くてね。馬車で通れない道もあって。その代わり景色はいいんだよ。山しかないけれどね。今度、見せてあげたいなぁ。」
「まぁ!楽しみですわ。」
「本当かい?」
「ええ。ディクソン領の特産品に、鉱石もありましたよね。あと、馬も。」
「そうだよ、よく知っていたね。サーラ嬢は勤勉だ。その、サーラ嬢が付けているイヤリングの鉱石、サファイアかな?うちで採れたのかもね。馬は、うちの領地はとにかく広いからね。走り回っているよ。だからうちの馬は脚が早く、しっかりしてるんだ。」
「うふふ。乗ってみたいわ。」
「じゃあ、今度一緒に馬で遠乗りに行こう。近くに湖があるよ。」
「素晴らしいですわ!」
お父様達が呼びに来るまで、お互いの事をいろいろと話していた。
会う前は緊張して大変だったけれど、早く行ってみたいと思うくらいに気持ちが変わったわ。これも、ルシウス様の温かい人柄のおかげかしら。
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