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14. キャシー視点
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お姉様に譲って良かったわ。
男性に積極的に話せないお姉様が、無事に婚約出来たもの。
せっかく十五歳になって、お姉様とパーティーとかにも一緒に参加出来るようになったから、私が、お姉様が無事に結婚相手を見つけられるように頑張ろうとか思っていたけれど、それも必要無かったわね。
次は私の番、って言ってこないわよね?まだ私は、縫い物をしていたいわ。
でも、ボールドウィン家を継ぐ為の勉強とかしないといけないのかしら?それはちょっと嫌だわ…。ほら、人って得手不得手があるじゃない。私は、経営は向いてないのよね。
「キャシー様。お店からお手紙です。」
侍女のルシィが持ってきてくれた。
私のぬいぐるみを置かせてもらっている店で、よく購入してくれる人がいる。
大抵は、お店に来た親子がお客様。だけれど、一人、大人で必ず購入してくれる人がいるみたい。
私は、お客とは直接会わないようにしているからどんな人かは分からない。いつもお店のマダムが、こうして手紙で教えてくれる。
そして、今日もその大人のお客様が、私の事をいろいろと聞いて来たのだとか。
マダムには、お父様との取り決めで、『ボールドウィン家の娘が作っていると分からないようにする事』とあるからマダムはのらりくらりと聞かれた事を躱わしてくれたと書いてあった。
いつも私のぬいぐるみを買ってくれ、聞いてくる人は誰かしら?どんな一人?
気にはなるけれど、関係ないわ。
きっと可愛い女の人でしょう。
「領主様がお呼びです。」
「分かったわ。」
何かしら?
やっぱり、お姉様の婚約が決まったから…跡継ぎとして勉強しろ、とか?
それとも、婚約者を決めて来たとか?
どちらにせよ、いい話ではないのでしょうね。
コンコンコン
「キャシーです。入ります。」
「おお、来たか。キャシーよ。将来の事、何か考えておるか?」
「将来?いいえ。何も。」
「まぁそうだな。まだ十五になったばかりだもんな。だがな、キャシー。お前に、婚約の打診が来たぞ。」
「え!?私に!?」
「そうだ。すごいな、キャシー。向こうがどうしてもと言っているんだ。」
お父様、私まだ結婚なんて…。
「私、まだ結婚したくないんです。」
「そうか?でもな、キャシーも相手を気に入ると思うんだが。」
どういう意味かしら?私の好みって事?でも、私まだどんなタイプが好きかなんて分からないわ。
「とにかく。向こうが会いたいと言ってくれているんだ。行ってみないか。」
えー、うちに来てくれるんじゃないのね。私、あまり出掛けるの好きじゃないのに。
「わかりました。どちらですか?」
「王都だ。御者に伝えておくから馬車で行きなさい。サーラも一緒に連れて行くか?帰りに王都の店へ寄ってきてもいい。」
「そうね!お姉様にもお願いするわ。じゃあ、新しく出来たって言われているお店に寄ってきてもいい?」
「いいぞ。あまり遅くなるんじゃないぞ。」
お出かけなんて久々だわ!
確か王都に、布地の店が出来たって聞いたわ。そこを覗いて、あとはケーキのお店に寄ってきてもいいわね!
…あら、私。婚約者候補の方とお会いするより、お姉様とのお出掛けのが楽しみだわ。ま、いいわよね?
男性に積極的に話せないお姉様が、無事に婚約出来たもの。
せっかく十五歳になって、お姉様とパーティーとかにも一緒に参加出来るようになったから、私が、お姉様が無事に結婚相手を見つけられるように頑張ろうとか思っていたけれど、それも必要無かったわね。
次は私の番、って言ってこないわよね?まだ私は、縫い物をしていたいわ。
でも、ボールドウィン家を継ぐ為の勉強とかしないといけないのかしら?それはちょっと嫌だわ…。ほら、人って得手不得手があるじゃない。私は、経営は向いてないのよね。
「キャシー様。お店からお手紙です。」
侍女のルシィが持ってきてくれた。
私のぬいぐるみを置かせてもらっている店で、よく購入してくれる人がいる。
大抵は、お店に来た親子がお客様。だけれど、一人、大人で必ず購入してくれる人がいるみたい。
私は、お客とは直接会わないようにしているからどんな人かは分からない。いつもお店のマダムが、こうして手紙で教えてくれる。
そして、今日もその大人のお客様が、私の事をいろいろと聞いて来たのだとか。
マダムには、お父様との取り決めで、『ボールドウィン家の娘が作っていると分からないようにする事』とあるからマダムはのらりくらりと聞かれた事を躱わしてくれたと書いてあった。
いつも私のぬいぐるみを買ってくれ、聞いてくる人は誰かしら?どんな一人?
気にはなるけれど、関係ないわ。
きっと可愛い女の人でしょう。
「領主様がお呼びです。」
「分かったわ。」
何かしら?
やっぱり、お姉様の婚約が決まったから…跡継ぎとして勉強しろ、とか?
それとも、婚約者を決めて来たとか?
どちらにせよ、いい話ではないのでしょうね。
コンコンコン
「キャシーです。入ります。」
「おお、来たか。キャシーよ。将来の事、何か考えておるか?」
「将来?いいえ。何も。」
「まぁそうだな。まだ十五になったばかりだもんな。だがな、キャシー。お前に、婚約の打診が来たぞ。」
「え!?私に!?」
「そうだ。すごいな、キャシー。向こうがどうしてもと言っているんだ。」
お父様、私まだ結婚なんて…。
「私、まだ結婚したくないんです。」
「そうか?でもな、キャシーも相手を気に入ると思うんだが。」
どういう意味かしら?私の好みって事?でも、私まだどんなタイプが好きかなんて分からないわ。
「とにかく。向こうが会いたいと言ってくれているんだ。行ってみないか。」
えー、うちに来てくれるんじゃないのね。私、あまり出掛けるの好きじゃないのに。
「わかりました。どちらですか?」
「王都だ。御者に伝えておくから馬車で行きなさい。サーラも一緒に連れて行くか?帰りに王都の店へ寄ってきてもいい。」
「そうね!お姉様にもお願いするわ。じゃあ、新しく出来たって言われているお店に寄ってきてもいい?」
「いいぞ。あまり遅くなるんじゃないぞ。」
お出かけなんて久々だわ!
確か王都に、布地の店が出来たって聞いたわ。そこを覗いて、あとはケーキのお店に寄ってきてもいいわね!
…あら、私。婚約者候補の方とお会いするより、お姉様とのお出掛けのが楽しみだわ。ま、いいわよね?
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