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本編
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「第三の庭にお願いします。国王様に花を持って行きたいです。」
「本当に大丈夫か?おい、庭師を呼べ!」
私たちは、適当に花を選んだ。庭師さんに教えてもらった青いローズも一緒に。そして再び国王様の部屋へ。
さっきよりは靄も薄くなりだいぶ呼吸も視界も楽だ。なんとなくわかった。花が体調を悪くさせる元凶なのね。
「国王様、こちらの花はいかがでしょうか。」
「その花は…!!」
そう言ったきり、国王様はなんと泣いてしまった。
『もう!良く泣くのは変わらないのね!』
あの占い師さんの声だ。今ならわかる。ナリアーヌ様なんじゃないかな。
『あら、分かっちゃった?ごめんなさいね。私じゃ、あの人を助けられなくて。未練たらしく、貴方にお願いしちゃったわ。でも間に合って良かった。』
「ナリアーヌ様を愛してらっしゃるのですね。」
「当たり前だ。あいつの為に、青いローズも造らせた。この部屋から第三の庭が見えるのだ。いつも微笑んで見ていた。何故先に逝くのだ…。ナリアーヌよ…。ウッウッ…。」
「ナリアーヌ様は、相変わらず泣いてるのねって仰ってますよ。国王様に生きて欲しいみたいです。まだ会いたくないそうです。」
『あら、そこまでは言ってないわよ。』
「むむむ…そうだな。あいつはよく言っていたのだ。あの庭で、孫が走り回るのを見たいと。一緒に見たかった。」
「国王様のお側に、ナリアーヌ様はいらっしゃいますよ。でも今はとても心配そうです。ナリアーヌ様を、笑顔にさせて下さい。」
「…!そうだな。ルーク、今まですまなかった。私も、体力を付けたら公務を再開させるから今までの事を教えて欲しい。」
「父上!大丈夫なのですか!?」
「そうだな。力が漲ってきておるわ。お前の公務を減らさないと、孫が見れんからな!」
「まだ、相手も居りません!」
「おや、そうだったか!マリアと言ったか。私はルークを支えてくれそうな気がしたのだが、私の見当違いか?」
「こ、国王様!確かに私は、この世界に来てルーク様にたくさんお世話になっております。けれど、ルーク様に申し訳ないです。」
「まあ良いわ。マリアよ。また話し相手になってくれぬか。ナリアーヌの事をもっと教えておくれ。」
『もう!陛下ったら。』
「もじもじしておられます。」
『止めて-!助けてくれたのは、お礼を言うわ。でも…』
《ナリアーヌ様も、国王様は大切な人なんですよね。隠さなくてもいいじゃないですか。声は聞かせられないのですか?》
『本当に聞いて欲しい人には、届かないのよ…。』
《じゃあ、私が届けます!いっぱい、伝えたい事言って下さいね。》
『ありがとう…。』
「私もお慕いしております、だそうです。」
《マリアさん!》
「本当に、何とお礼を言っていいか。父上が、前より元気になって、驚いてはいるが。」
「そうなんですね。きっと愛する人を亡くされて、心が弱っちゃったのですね。」
「それで…マリアは、本当に母上が見えるのか?」
「はい。あと声が聞こえるのです。私が、向こうの世界の最後に会った占い師さん、ナリアーヌ様だったみたいです。」
「!そうか…。」
「ナリアーヌ様、自分じゃ助けられないから、私に助けてって。大切な人たちを救ってって。初めは何のことか分からなくて。でも私に出来て良かった!ルーク様も、少しは救われましたか?」
「少しどころじゃない!ありがとう。」
「これで、第一王子殿下もスパッと元気になるといいのですけど。幼い頃からって言っていたから、難しいですよね。」
「まぁ、紹介はしたいからまた会わせよう。」
「はい!でも、結局、誰が、とかははっきりしてないからモヤモヤしますね…。」
「その事なら、ロイがうまくやってくれる。また分かったら教えよう。」
「はい。」
「本当に大丈夫か?おい、庭師を呼べ!」
私たちは、適当に花を選んだ。庭師さんに教えてもらった青いローズも一緒に。そして再び国王様の部屋へ。
さっきよりは靄も薄くなりだいぶ呼吸も視界も楽だ。なんとなくわかった。花が体調を悪くさせる元凶なのね。
「国王様、こちらの花はいかがでしょうか。」
「その花は…!!」
そう言ったきり、国王様はなんと泣いてしまった。
『もう!良く泣くのは変わらないのね!』
あの占い師さんの声だ。今ならわかる。ナリアーヌ様なんじゃないかな。
『あら、分かっちゃった?ごめんなさいね。私じゃ、あの人を助けられなくて。未練たらしく、貴方にお願いしちゃったわ。でも間に合って良かった。』
「ナリアーヌ様を愛してらっしゃるのですね。」
「当たり前だ。あいつの為に、青いローズも造らせた。この部屋から第三の庭が見えるのだ。いつも微笑んで見ていた。何故先に逝くのだ…。ナリアーヌよ…。ウッウッ…。」
「ナリアーヌ様は、相変わらず泣いてるのねって仰ってますよ。国王様に生きて欲しいみたいです。まだ会いたくないそうです。」
『あら、そこまでは言ってないわよ。』
「むむむ…そうだな。あいつはよく言っていたのだ。あの庭で、孫が走り回るのを見たいと。一緒に見たかった。」
「国王様のお側に、ナリアーヌ様はいらっしゃいますよ。でも今はとても心配そうです。ナリアーヌ様を、笑顔にさせて下さい。」
「…!そうだな。ルーク、今まですまなかった。私も、体力を付けたら公務を再開させるから今までの事を教えて欲しい。」
「父上!大丈夫なのですか!?」
「そうだな。力が漲ってきておるわ。お前の公務を減らさないと、孫が見れんからな!」
「まだ、相手も居りません!」
「おや、そうだったか!マリアと言ったか。私はルークを支えてくれそうな気がしたのだが、私の見当違いか?」
「こ、国王様!確かに私は、この世界に来てルーク様にたくさんお世話になっております。けれど、ルーク様に申し訳ないです。」
「まあ良いわ。マリアよ。また話し相手になってくれぬか。ナリアーヌの事をもっと教えておくれ。」
『もう!陛下ったら。』
「もじもじしておられます。」
『止めて-!助けてくれたのは、お礼を言うわ。でも…』
《ナリアーヌ様も、国王様は大切な人なんですよね。隠さなくてもいいじゃないですか。声は聞かせられないのですか?》
『本当に聞いて欲しい人には、届かないのよ…。』
《じゃあ、私が届けます!いっぱい、伝えたい事言って下さいね。》
『ありがとう…。』
「私もお慕いしております、だそうです。」
《マリアさん!》
「本当に、何とお礼を言っていいか。父上が、前より元気になって、驚いてはいるが。」
「そうなんですね。きっと愛する人を亡くされて、心が弱っちゃったのですね。」
「それで…マリアは、本当に母上が見えるのか?」
「はい。あと声が聞こえるのです。私が、向こうの世界の最後に会った占い師さん、ナリアーヌ様だったみたいです。」
「!そうか…。」
「ナリアーヌ様、自分じゃ助けられないから、私に助けてって。大切な人たちを救ってって。初めは何のことか分からなくて。でも私に出来て良かった!ルーク様も、少しは救われましたか?」
「少しどころじゃない!ありがとう。」
「これで、第一王子殿下もスパッと元気になるといいのですけど。幼い頃からって言っていたから、難しいですよね。」
「まぁ、紹介はしたいからまた会わせよう。」
「はい!でも、結局、誰が、とかははっきりしてないからモヤモヤしますね…。」
「その事なら、ロイがうまくやってくれる。また分かったら教えよう。」
「はい。」
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