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14. 姉の思惑 ーもうすぐ基礎学校へ入学、という頃ー
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フレドリカはその日、友人が何気なく発した言葉に衝撃を受けた。
その日は、準備学校に通うのもあと数日と残り少なくなった日で、帰り際に友人と普段のように話していた。
準備学校は、六歳から一年通うが、そのうちに仲良くなったアンヤとベッテという二人の女の子と、アブラハムとブロルという男の子と話していた。
みな平等の教えがある為に、家名は敢えて呼ばれない。教師からも、名前でしか呼ばないのだ。その為、貴族社会の爵位格差はここではなく、誰と会話をしても怒られたりはしない。
「知ってる?基礎学校って、お金がもの凄くかかるのですって。お父さまが言ってたわ。
だから、フレドリカの家って大変じゃない?双子だから、二人分のお金を払わないといけないじゃない?もしかして、基礎学校に払うのに手一杯で、卒業してから始まる社交界、参加出来なくならない?大丈夫?」
アンヤが言ったその一言で、フレドリカは目が点になるほど驚いた。
(そんな…!確かにうちは双子だもの。みんなの家よりも多く払うのよね?きっと。)
「フレドリカの家が大金持ちだったなら大丈夫じゃない?」
ベッテがそう言ったが、自分の家が大金持ちなのかどうかなんて七歳のフレドリカには良く分からなかった。
「確かになぁ。オレの母さんが着ているドレスって、もの凄く高いらしいからな-。
フレドリカの家は、大きくなって社交界に出るにしても毎回フレドリカの分と、シェスティンの分を用意するんだろう?大変だろうなぁ。」
そうのんびりと言ったアブラハムに、フレドリカはますます不安になる。
(そうよ!うちはシェスティンの分と二着必要だわ!…本当に大丈夫?
でもお母さまが着ているようなドレス、私だって我慢せずに着たいわ!)
「じゃあさ、今から節約すればいいんじゃね?切りつめるところを切りつめる!食事とか、服とか。」
そう言ったブロルの言葉に、節約なんてしたくないと思った。ブロルは商会の息子である為に普段から節約する所はしっかり節約させられているのだ。
(嫌よ!食事だって今までのように肉だって魚だって食べたいわ!
服だって、一年に三着は新しく買ってもらいたいし、それに合う靴やバックだって!
みんなは双子じゃなくて一人だからそんな事気にしなくて…え?一人だから!?一人だったら、いいのかしら…?そう、そうよね!いい考えだわ!!)
フレドリカは、素晴らしい案を考えたと思い、あとはどうそれを家族に伝えようか、きっと家族みんなからうんと褒められると考え、不敵な笑みを浮かべた。
☆★
それから、上手いこと言いくるめたフレドリカは安心して基礎学校に通っていた。
しかし基礎学校に通うのはフレドリカにとって思いの他大変であった。何がといえば授業についていくのが、である。フレドリカは、友達といろいろと話して笑い合うのをする為だけに学校へ通っているようなものだった。
定期的に授業内容を覚えているかのテストがあるのだが、どんなに答案用紙を埋めても点数が取れないのにはイライラとした。
だが、学校へ行けば友達と話せる。その為だけに苦手なテストも受けていた。
テストの成績が悪くても、基礎学校であるから卒業は出来るのである。貴族を預かっているのでお金さえ払ってくれれば、あとは出席していれば卒業出来るのだ。
だから、どんな結果でも大して怒られたりもしないのでフレドリカはやっていけたのだ。
学校も友人に会いに行っているようなもの。だから、シェスティンに代わりに行ってもらう事はすっかり忘れていた。
しかし。
最終学年になり、校外授業があると聞かされ、それが全く興味もないものであると聞いたからもう本当に投げ出したかった。普段の制服を着るわけでなく、ドレスや洒落たワンピースなど、その場に合った服装で行く事は楽しそうではあったが、フレドリカは芸術なんて全く興味も無かった。
(オペラなんて…寝てしまわないかしら?
他人が描いた絵や彫刻を見る事の何が楽しいのかしら?苦痛でしかないわ。
バレエ?オーケストラ?そんなのを見るよりも、友人達と話していた方が何十倍も楽しいわよ!?でも、休むわけにはいかないし…そうだわ!すっかり忘れていたけれど、シェスティンに代わりに行ってもらえばいいのだわ!きっとああいうの、喜んで行くのではないかしら?)
フレドリカは、とても良い案を思い付いたと思った。けれどさすがに先生にバレてはいけないと思い、口の軽そうな友人達には、予め先手を打っておいた。
「私、校外授業の日は多分嫌過ぎてテンションが可笑しいと思うのよね。だから別々に過ごしましょ!いい?分かった?」
多少怪しく思った友人達だが、たまにはいいかと納得した。友人達も、このような芸術に触れ合う事は苦手であったので、別々に過ごしても何ら問題はなかったのだ。さっさと回れば普段の授業よりも早く帰れる。オペラ鑑賞でも友人が居なければ寝て過ごしても、恥ずかしくもない。
フレドリカの友人達の中ではフレドリカが一番、爵位が上であったのでいろいろとゴマを擦るのも大変だと一様に思ったのもあった。
アンヤとベッテは男爵家、アブラハムは子爵、ブロルは商会の息子であったのだ。
こうしてフレドリカは、一人校外授業を休み、自分の好きな時間を堪能したのである。
(はーたまにはゆっくり起きるのもいいわね!
お母様が衣裳屋や宝石商を呼んでくれて、一緒に商品を眺める時間はとてもワクワクするし!
『シェスティンには内緒よ?フレドリカなら喜んでくれるから私も嬉しくなっちゃうわ!』ってお母様が言ってくれるから、シェスティンとはそんな時間過ごしていないのかしら?)
フレドリカは、シェスティンが学校も行かずに何をしているのかとも少し気にはなったが、まぁどうせいつも本でも読んでいるのだろうと思い、それよりも自分は友人もいるしなんて毎日が充実しているのだろうと優越感に浸っていた。
(まぁ、でもシェスティンが学校に行かない分、お金は浮いているハズだわ。
社交界が楽しみね!これでお金には困らず、堂々と社交界に顔を出せるのね!)
実際には、オールストレーム家は、裕福であった為に切り詰めるとかは全く考えなくても良かったのだが、フレドリカはそう思っていた。
その日は、準備学校に通うのもあと数日と残り少なくなった日で、帰り際に友人と普段のように話していた。
準備学校は、六歳から一年通うが、そのうちに仲良くなったアンヤとベッテという二人の女の子と、アブラハムとブロルという男の子と話していた。
みな平等の教えがある為に、家名は敢えて呼ばれない。教師からも、名前でしか呼ばないのだ。その為、貴族社会の爵位格差はここではなく、誰と会話をしても怒られたりはしない。
「知ってる?基礎学校って、お金がもの凄くかかるのですって。お父さまが言ってたわ。
だから、フレドリカの家って大変じゃない?双子だから、二人分のお金を払わないといけないじゃない?もしかして、基礎学校に払うのに手一杯で、卒業してから始まる社交界、参加出来なくならない?大丈夫?」
アンヤが言ったその一言で、フレドリカは目が点になるほど驚いた。
(そんな…!確かにうちは双子だもの。みんなの家よりも多く払うのよね?きっと。)
「フレドリカの家が大金持ちだったなら大丈夫じゃない?」
ベッテがそう言ったが、自分の家が大金持ちなのかどうかなんて七歳のフレドリカには良く分からなかった。
「確かになぁ。オレの母さんが着ているドレスって、もの凄く高いらしいからな-。
フレドリカの家は、大きくなって社交界に出るにしても毎回フレドリカの分と、シェスティンの分を用意するんだろう?大変だろうなぁ。」
そうのんびりと言ったアブラハムに、フレドリカはますます不安になる。
(そうよ!うちはシェスティンの分と二着必要だわ!…本当に大丈夫?
でもお母さまが着ているようなドレス、私だって我慢せずに着たいわ!)
「じゃあさ、今から節約すればいいんじゃね?切りつめるところを切りつめる!食事とか、服とか。」
そう言ったブロルの言葉に、節約なんてしたくないと思った。ブロルは商会の息子である為に普段から節約する所はしっかり節約させられているのだ。
(嫌よ!食事だって今までのように肉だって魚だって食べたいわ!
服だって、一年に三着は新しく買ってもらいたいし、それに合う靴やバックだって!
みんなは双子じゃなくて一人だからそんな事気にしなくて…え?一人だから!?一人だったら、いいのかしら…?そう、そうよね!いい考えだわ!!)
フレドリカは、素晴らしい案を考えたと思い、あとはどうそれを家族に伝えようか、きっと家族みんなからうんと褒められると考え、不敵な笑みを浮かべた。
☆★
それから、上手いこと言いくるめたフレドリカは安心して基礎学校に通っていた。
しかし基礎学校に通うのはフレドリカにとって思いの他大変であった。何がといえば授業についていくのが、である。フレドリカは、友達といろいろと話して笑い合うのをする為だけに学校へ通っているようなものだった。
定期的に授業内容を覚えているかのテストがあるのだが、どんなに答案用紙を埋めても点数が取れないのにはイライラとした。
だが、学校へ行けば友達と話せる。その為だけに苦手なテストも受けていた。
テストの成績が悪くても、基礎学校であるから卒業は出来るのである。貴族を預かっているのでお金さえ払ってくれれば、あとは出席していれば卒業出来るのだ。
だから、どんな結果でも大して怒られたりもしないのでフレドリカはやっていけたのだ。
学校も友人に会いに行っているようなもの。だから、シェスティンに代わりに行ってもらう事はすっかり忘れていた。
しかし。
最終学年になり、校外授業があると聞かされ、それが全く興味もないものであると聞いたからもう本当に投げ出したかった。普段の制服を着るわけでなく、ドレスや洒落たワンピースなど、その場に合った服装で行く事は楽しそうではあったが、フレドリカは芸術なんて全く興味も無かった。
(オペラなんて…寝てしまわないかしら?
他人が描いた絵や彫刻を見る事の何が楽しいのかしら?苦痛でしかないわ。
バレエ?オーケストラ?そんなのを見るよりも、友人達と話していた方が何十倍も楽しいわよ!?でも、休むわけにはいかないし…そうだわ!すっかり忘れていたけれど、シェスティンに代わりに行ってもらえばいいのだわ!きっとああいうの、喜んで行くのではないかしら?)
フレドリカは、とても良い案を思い付いたと思った。けれどさすがに先生にバレてはいけないと思い、口の軽そうな友人達には、予め先手を打っておいた。
「私、校外授業の日は多分嫌過ぎてテンションが可笑しいと思うのよね。だから別々に過ごしましょ!いい?分かった?」
多少怪しく思った友人達だが、たまにはいいかと納得した。友人達も、このような芸術に触れ合う事は苦手であったので、別々に過ごしても何ら問題はなかったのだ。さっさと回れば普段の授業よりも早く帰れる。オペラ鑑賞でも友人が居なければ寝て過ごしても、恥ずかしくもない。
フレドリカの友人達の中ではフレドリカが一番、爵位が上であったのでいろいろとゴマを擦るのも大変だと一様に思ったのもあった。
アンヤとベッテは男爵家、アブラハムは子爵、ブロルは商会の息子であったのだ。
こうしてフレドリカは、一人校外授業を休み、自分の好きな時間を堪能したのである。
(はーたまにはゆっくり起きるのもいいわね!
お母様が衣裳屋や宝石商を呼んでくれて、一緒に商品を眺める時間はとてもワクワクするし!
『シェスティンには内緒よ?フレドリカなら喜んでくれるから私も嬉しくなっちゃうわ!』ってお母様が言ってくれるから、シェスティンとはそんな時間過ごしていないのかしら?)
フレドリカは、シェスティンが学校も行かずに何をしているのかとも少し気にはなったが、まぁどうせいつも本でも読んでいるのだろうと思い、それよりも自分は友人もいるしなんて毎日が充実しているのだろうと優越感に浸っていた。
(まぁ、でもシェスティンが学校に行かない分、お金は浮いているハズだわ。
社交界が楽しみね!これでお金には困らず、堂々と社交界に顔を出せるのね!)
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