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お帰りなさい
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夕食を食べ終わって紅茶を飲んでいると、屋敷の外が騒がしくなってきた。
もしかしたらカーティス様が帰って来られたのかしら?
私は席を立とうとすると、
「見てきます。こちらでお待ち下さい。」
とチャーリーが言った。
少しして、チャーリーとカーティス様が入ってきた。
「あ!お帰りなさいませ。」
私は立ち上がり、そう言った。
数刻前に会っていたのに、なんだか、顔を見れて嬉しく思ってしまったわ。
だって、暗くなっても帰って来られないのですから。少し不安になってきていたのよね。
「ああ。ただいま。…いいね!マーガレットにお帰りを言われるのはとても素敵だ。私も食事をいただいてもいいかな?さぁ、座って?」
と言って、男爵様は私の向かいに座った。
「急いでって言ったんだけどね。思ったより書類の処理に時間が掛かってしまった。マーガレット。今日はここに泊まってもいいかな?」
男爵様に言われたけれど、多分チャーリーがその辺り準備していたのよね。でも、私に確認を取ってくれる所が誠実さが出ているわよね。…素敵だわ。
「ええ。けれどすみません。不備があるか不安ですが…。」
「ああ、大丈夫だよ。俺も元は一般庶民だったから、床でだって寝られるんだ。」
「え!や、あのお父様のベッドをお使い下さい。シーツなどは変えてありますから!」
「はは!ありがとう。マーガレットは本当に優しいね。ほら、いつも俺にオススメのパンを教えてくれるし。俺が眠そうだと思ったら、コショウの効いたパンとかどうだとかさ。もう、本当マーガレットは最高だよ!」
と、言ってくれた。
確かに、パン屋では男爵様、本当に時間を掛けて選んでいるのだもの。勧めたくもなるわ。
それに、床で寝られたら困るものね。男爵様以外にも、チャーリーやサロメ達も泊まるだろうし。客室もそんなにないから足りるのかしら。そう言ったら、チャーリーに大丈夫ですって言われたけれど…床で寝ないわよね!?
「いきなり大勢で押しかけてしまったわけで、こちらが悪いのだけどね。ちゃんとみんなベッドを使わせてもらうね。」
確か、チャーリーが新しいシーツを持ってきてくれたと言っていたものね。
それにお母様の部屋に行った時に『大きいです!これなら充分二人で寝れますね!』とソーニャがサロメに言っていたので、多分一緒に使うのでしょう。使用人が使うベッドよりははるかに大きいものね。
本当に男爵様は用意周到ね。素晴らしいわ!
「それでね、急いで申し訳ないんだけどね。明日一緒に、俺の屋敷に来てもらってもいいかな?いろいろと考えたら、結婚承諾書も提出したし、夫婦になれるんだ。式は後日やるとしても、男爵家へ行って、一緒に住んでもらえないだろうか?警備の面も心配だし…。」
警備!?最後はちょっと良く分からないけれど、お父様とお母様がいないから手薄になるという意味かしら?
「ええと…はい。未熟者ですがこれからよろしくお願いします。」
と、丁寧にお辞儀をした。
「なんだか嬉しいよ!早急に事を運び過ぎて引いてないよね!?マーガレットと一緒にいられると思ったら、一日でも早く、と気が急いてね。」
と、男爵様は頭を掻いて言った。
「本当です。私だったら引きまくってもう、結婚しても別居しますね。」
と、チャーリーが真顔で言うもんだから、私はクスッと吹き出してしまった。
「え!?チャーリーやめろよ!そんな事ないよね!?どうしよ!」
と男爵様、かなり焦っているわ。
…変なの。
お店でお客様として会っていた時はあんなに紳士的で冷静で大人っぽく見えたのに、今は私よりも年下に見えるほど、表情がとても豊かだわ。
でも、それも私に気を許してくれている証拠かしら?
「男爵様って、なんだか弟みたいですね!」
クスクス笑って、思わず言ってしまった。
「え!マーガレット!ひどいよ!でも笑顔は可愛いけど!…覚えておいてよ。屋敷に帰ったら、そんな事言わせないからね!」
そう言っていきなり、私の近くまでカツカツと靴を鳴らして歩いて来た。
え!?私怒らせちゃったかしら!!
と、咄嗟に目を瞑った。
「チュッ!」
すると、柔らかいものが頬に当たった感触があった。
「!?」
もしかしたらカーティス様が帰って来られたのかしら?
私は席を立とうとすると、
「見てきます。こちらでお待ち下さい。」
とチャーリーが言った。
少しして、チャーリーとカーティス様が入ってきた。
「あ!お帰りなさいませ。」
私は立ち上がり、そう言った。
数刻前に会っていたのに、なんだか、顔を見れて嬉しく思ってしまったわ。
だって、暗くなっても帰って来られないのですから。少し不安になってきていたのよね。
「ああ。ただいま。…いいね!マーガレットにお帰りを言われるのはとても素敵だ。私も食事をいただいてもいいかな?さぁ、座って?」
と言って、男爵様は私の向かいに座った。
「急いでって言ったんだけどね。思ったより書類の処理に時間が掛かってしまった。マーガレット。今日はここに泊まってもいいかな?」
男爵様に言われたけれど、多分チャーリーがその辺り準備していたのよね。でも、私に確認を取ってくれる所が誠実さが出ているわよね。…素敵だわ。
「ええ。けれどすみません。不備があるか不安ですが…。」
「ああ、大丈夫だよ。俺も元は一般庶民だったから、床でだって寝られるんだ。」
「え!や、あのお父様のベッドをお使い下さい。シーツなどは変えてありますから!」
「はは!ありがとう。マーガレットは本当に優しいね。ほら、いつも俺にオススメのパンを教えてくれるし。俺が眠そうだと思ったら、コショウの効いたパンとかどうだとかさ。もう、本当マーガレットは最高だよ!」
と、言ってくれた。
確かに、パン屋では男爵様、本当に時間を掛けて選んでいるのだもの。勧めたくもなるわ。
それに、床で寝られたら困るものね。男爵様以外にも、チャーリーやサロメ達も泊まるだろうし。客室もそんなにないから足りるのかしら。そう言ったら、チャーリーに大丈夫ですって言われたけれど…床で寝ないわよね!?
「いきなり大勢で押しかけてしまったわけで、こちらが悪いのだけどね。ちゃんとみんなベッドを使わせてもらうね。」
確か、チャーリーが新しいシーツを持ってきてくれたと言っていたものね。
それにお母様の部屋に行った時に『大きいです!これなら充分二人で寝れますね!』とソーニャがサロメに言っていたので、多分一緒に使うのでしょう。使用人が使うベッドよりははるかに大きいものね。
本当に男爵様は用意周到ね。素晴らしいわ!
「それでね、急いで申し訳ないんだけどね。明日一緒に、俺の屋敷に来てもらってもいいかな?いろいろと考えたら、結婚承諾書も提出したし、夫婦になれるんだ。式は後日やるとしても、男爵家へ行って、一緒に住んでもらえないだろうか?警備の面も心配だし…。」
警備!?最後はちょっと良く分からないけれど、お父様とお母様がいないから手薄になるという意味かしら?
「ええと…はい。未熟者ですがこれからよろしくお願いします。」
と、丁寧にお辞儀をした。
「なんだか嬉しいよ!早急に事を運び過ぎて引いてないよね!?マーガレットと一緒にいられると思ったら、一日でも早く、と気が急いてね。」
と、男爵様は頭を掻いて言った。
「本当です。私だったら引きまくってもう、結婚しても別居しますね。」
と、チャーリーが真顔で言うもんだから、私はクスッと吹き出してしまった。
「え!?チャーリーやめろよ!そんな事ないよね!?どうしよ!」
と男爵様、かなり焦っているわ。
…変なの。
お店でお客様として会っていた時はあんなに紳士的で冷静で大人っぽく見えたのに、今は私よりも年下に見えるほど、表情がとても豊かだわ。
でも、それも私に気を許してくれている証拠かしら?
「男爵様って、なんだか弟みたいですね!」
クスクス笑って、思わず言ってしまった。
「え!マーガレット!ひどいよ!でも笑顔は可愛いけど!…覚えておいてよ。屋敷に帰ったら、そんな事言わせないからね!」
そう言っていきなり、私の近くまでカツカツと靴を鳴らして歩いて来た。
え!?私怒らせちゃったかしら!!
と、咄嗟に目を瞑った。
「チュッ!」
すると、柔らかいものが頬に当たった感触があった。
「!?」
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