【完結】私との結婚は不本意だと結婚式の日に言ってきた夫ですが…人が変わりましたか?

まりぃべる

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12. 改革

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 次の日。

 私はアンセルム様から許可をいただいた為にロニーと朝から話していた。


「では早速、領民を集めて話を聞いてみる事にしましょう。」

「ありがとうロニー。頼りにしているわ。」

「滅相もございません。予算もそれなりにありますから、まずは領民の事とは別に石畳の整備も調整しましょう。では、早速出掛けますか?」

「ええ。早い方がいいもの。へレーナも一緒に行ってくれる?」

「もちろんですよ。」


 こうして、馬車で領地へと出向いた。


 一軒一軒、領民の家を訪れ集まって欲しいと告げる。全員、やる事もないからと快く承諾してくれた。領地は狭いし、領民も十何軒かあるだけだったので実際集めてみても少なかった。
皆、なぜ集められたのかソワソワしているわ。

 早速、私は屋敷の前に集まってくれた皆に話し出した。


「皆様、改めまして。私はスティナ=ベンディクスです。この領地に暫く滞在する事になりました。よろしくお願いします。」

 そう言って、周りを見渡して一呼吸置いてから、また話し出す。

「皆様の、過去の領主によって大変なご苦労であった事はお察しします。けれど、もし皆様が協力して下さるなら、これからまた、お仕事を与えますから、お手伝いしていただけると助かるのですがいかがでしょうか。」

 そう言うと、領民達は周りの人達とどういう事だとざわざわと話し出した。

「手始めに、大変だとは思うのだけれど石畳を綺麗に整備出来たらと思うの。後は、湯井戸を手直しして、みんなが交流できるお風呂や足風呂を作ってもいいかなと思ったのですが、皆さんどう思われますか?」

 暫く周りの人達と話しているのを私は眺めてから、もう一度言った。

「やはり、今までのように過ごされる方がいいですか?でも、そうするとせっかくこの領地はいい所なのに勿体ないと思いますわ。」

 そう言うと、おずおすと手を挙げた女性が一人いて、私は嬉しくなってその人に声を掛けた。この領民達の中ではまだ若く、私と同じくらいの年齢かしら。

「あなた、意見を言って下さるの?とても嬉しいわ。何なりと言って?」

 私が指名すると、やはり周りを確認しながらではあったが言葉を発した。

「あのう…それは、お金をもらえるという事ですか?それとも、タダ働きという事ですか?」

「そうね…皆さん今は、生活に必要な物は申請すれば支給されると聞いているわ。それから、食べ物も最低限支給されるのですよね?」

 そう言うと、うんうんと頷いて反応してくれるわ。

「もし…皆さんがよければ、それを止め、一般的な領地と同じように生活してもらえるようにしたいのです。ですから、お金を払いたいと思います。それから、お金が払われるまでは、食事を提供したいと思います。」

 そう言うと、また周りの人達とざわざわと相談し始めた。

 さぁ、どう言われるかしら。

 私はまた、皆が話しているのを暫く見てから、再び声を掛けた。

「皆さんも、そろそろ、今より充実した生活を送りたくはありませんか?もちろん、年の終わりに税も払っていただく事にはなりますが、払えない量をお願いしたりしません。」

「はい!」

 また、先ほどの女性が手を挙げ、私を真っ直ぐ見据えたわ。

「どうぞ。」

 私が促すと、また周りを伺いつつ聞いてくれた。

「税は、今までより上がりますか?」

「今は…何でもいいから好きな量を支払って、という事でしたわね?これからの改革具合にもよりますが、好きな量を、とはならないでしょう。そうですね…皆さんが手元に入ったお金の一割、はいただけるとありがたいですかね。」

「「「「一割!?」」」」

 あ、あら?領民だけではなくて、ロニーとへレーナまで、口が揃ったわよ!?ダメだったかしら?
ロニーが慌てて私の傍に来て、

「スティナ様。取るのでしたら、一割はさすがに少ないかと…」

 と耳打ちしてくれる。あぁ、そう言う事…。

「今までの事がありますからね。いきなり大きくいただく事にしてはいけないと思ったのです。もし、うまくいけば二割払っていただきたいですけど、最初は一割でもいいのではないかしら?」

「そ、そういう事でしたら…。」

 ロニーは頭を下げ、また後ろに下がってくれる。
 公爵領であるし、たくさん税を払ってもらわなくてもいいとは朝、ロニーが言っていたもの。

「皆さん、どうかしら?」

 そう言うと、不安な顔をしながらも皆、頷いてくれていた。

「どうなるかわからんけんど、毎日暇つぶしせんでもよくなるかね。」

「私らでもできる仕事があればいいんやけんど。若い人らみたいにきびきび動かれんでよ。」

 あ、この前話した方達だわ。

「はい。あまり重労働はさせない積もりです。出来る範囲で仕事を割り振る感じですね。とはいえ、力仕事もあれば、苦手な分野もあるでしょう。その辺りは、相談しながらやれるといいと思っております。」

「ならありがてぇなぁ。」

「んだんだ。暇じゃなくなって、なぁ!」

 よかった…!そう言ってくれて。反対されても仕方ないと思っていたもの。

「働いてる時は、大変だったけんど、働かなくてよくなったら、退屈過ぎじゃったけんね。」

「確かに、暇じゃったもんね。」

「皆様、賛成して下さってありがとうございます!!では、もしよかったら午後からお願いします!」

 そう言うと、楽しみだと言ってくれる人が多く、やると言って良かったと思った。
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