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3. 外出
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ケヴィンが出掛けてすぐ、エーファも王都の図書館へと出掛ける事にした。
王都までは馬車に乗れば概ね一時間である。ケヴィンは騎乗していったのでもっと早く王都には着くが、エーファは馬車で行くため、着いたら昼前になる。そのため、王都にあるどこかの店で昼ご飯を食べてから図書館へと行く事になった。
「何を食べられますか?」
王都の中心街にある、馬車の乗り降りができる円形の広場で降りたエーファは、共に降り立った侍女ヘラに問われた。
馬車はそこにずっと留めて置いておく事が出来ないためそこから一旦移動せねばならないので、エーファが昼食を食べる間は停車出来る近くの公園の方へと移動していく。御者には軽食が持たされているから少しの間別行動である。一時間ほどしたらまた図書館へ行くべく馬車はここへ戻ってくる。
治安も良く、騎士隊に所属する警備兵も辺りを巡回しているため、侍女と二人で行動するのになんら問題はなかった。
「そうねぇ…」
エーファはこのように出掛けた事は無く、姉や兄たちにお薦めの店を聞いてこればよかったと悩んだ。
「ちょっと歩いてもいい?」
「もちろんです。どちらに向かいましょうか。」
「じゃあ…こっちね。」
メイン通りに沿って行こうと歩みを進める。昼近い時刻であるからか、人は多く行き交っている。とはいえ、道も広く作られていてぶつかる心配は無いが、人酔いしそうなほどだ。
少し先には、青い上下の制服を着た警備兵が二人一組で歩いているのが見えた。
「人が多いのね。」
「そうですね。昼時でもありますし、店も込んでいるかもしれませんね。」
と、すぐ目の前の店の扉が開き、お客が二人出てきた。
「はー美味しかった!ご馳走さま!」
「美味かった!また来るよー。」
「あいよ!またいつでもおいでー!」
店の中からも威勢のいい声が聞こえ、すぐに扉は閉まった。
その時、扉の開閉に合わせて美味しそうな食べ物の匂いが香ってきて、思わずエーファは足を止める。
「何屋さんなのかしら?」
外の看板には、大きめにカトラリーの絵が書いてありその下には小さく〝暖炉亭〟と書かれていた。食べ物屋だろうとは分かるが、どんな品物を提供するのかまでは分からない。けれども、先ほど扉が開いた時に店の中が見えたが、中は結構繁盛しているようだった。
「入ってみますか?」
「そうね。ここにしましょう。」
エーファが初めて、店を選んで入ったのだった。美味しいものだといいな、と心弾ませる。
「いらっしゃいませ!」
威勢のいい、エーファより少し年下だろうか女の子が給仕の服装をしており声を掛けてきた。
「何名様ですか?」
「二人です。」
「では、こちらへどうぞ!」
ヘラが答えると、女の子はそれに頷いて席を案内した。
「今日のお薦めは、鮭のホワイトスープです!
注文が決まったら呼んで下さいね!」
そう言って、女の子は近くのテーブルから声が掛かっていたようですぐにそちらに行った。
「鮭のホワイトスープ、美味しそう!」
「そうですね、エーファ様は魚が好きだから良かったですね。
…他にも、仔牛のレッドスープ、山羊づくしのスープ、というのもあるそうですね。」
机の上にはメニュー表が置いてあり、ヘラはそれを読み上げる。店の中はとても美味しそうな香りが充満しており、昼ご飯には少し早い時間ではあったがエーファもヘラもすでにお腹が空いてきた。
「んーどれも美味しそう!
でもせっかく薦めてくれたんだもの、鮭のホワイトスープにするわ。ヘラは?どうする?」
「私も悩みますがでは同じものにします。
すみませーん!」
「はーい、ただ今!」
ヘラが手を挙げて呼ぶとすぐに注文を受けに先ほどの女の子が来てくれ、厨房へと注文を通してくれた。
「楽しみね、ヘラ!」
「はい。美味しそうな匂いもしてますし、早く食べたいですね!」
本来、身分が違う二人ではあるがヘラはエーファにとってもう一人の姉であり母のような存在である。幼い頃より傍に付いていたヘラは、歳はかなり違うが常に一緒にいるため、ヘラと同じテーブルに付いて食事が出来るとエーファは密かに楽しみにしていた。
ヘラも、恐れ多いとは思っているが遠慮をすればエーファが悲しむのも分かっているため、純粋に楽しもうとしているのだ。
程なくして注文した鮭のホワイトスープと拳より少し大きめの大麦パンが一つ別皿に乗りテーブルへと置かれた。パンはこの昼時には全ての商品についているようだ。彩りの豊かな野菜が入ったスープは食欲をそそる香りを漂わせ、パンからも焼きたてなのか湯気が出ている。
早速、エーファはヘラと顔を見合わせ、ともに食べ始める。味は濃厚でそれでいて素朴で美味しいとヘラと感想を交えながら食べていると近くの席から声が聞こえてきた。大きな声で話しているため、耳を傾けなくても自然とはっきりと聞こえてくる。
「おい、知ってるか!?五日後、騎士隊の見学会があるそうだぞ!」
「見学会!?
…なんだそれ?」
「よく分からんが、興味のある奴は誰でも見に行っていいんだとよ!
騎士隊に転職できたら給料も今よりきっと格段に上がると思うんだ。
なぁ、見に行ってみようぜ?」
「五日後ならちょうど休みだよな。
確かに入隊出来れば、成り上がるチャンスだよな!今日みたいな外食ももっと出来るようになるし。
でもよ、オレらみたいな庶民が行っていいのかよ?」
エーファは、ケヴィンが所属している騎士隊の話が出たと思って、そちらに少しだけ視線を流し見たあとまたヘラへと視線を向ける。と、ヘラもそれに気づいているのかエーファの視線に頷き、彼らの話を聞いているようだった。
二人の男性は、若くて体格もよくエーファと同年代に見えた。作業服を着ていて少し汚れており、昼休憩であるのだろう。
「あぁ、いいらしいぜ。事前申請とかも必要無いみたいだ。広場の掲示板に書いてあったんだ。
当日、王宮の騎士隊の詰め所に直接行けばいいみたいだ。」
「へー!そりゃ楽でいいな!」
エーファは、そんなものがあるんだと聞いていた。
(そういえば、騎士隊は男性ばかりなのよね…って、そこに私も見に行ったとしても男性と知り合えるわけはないわね!)
エーファはなんとなくそう思ったが、そんな軽い気持ちで見に行く人なんていないだろうとすぐに気持ちを切り替え、とりあえず今日は図書館に行くんだったと次なる目的地の事を考え始めるのだった。
食事を終えて店を出ると、ちょうどエーファが乗って来た馬車が先ほど降りた所に進んでくるのが見えた。
「ありがとう、お疲れさま。」
「こちらこそゆっくりさせていただきました。
足元、お気をつけ下さい。」
馬車が到着すると、エーファは御者に労いの言葉を掛ける。と、そう返された。
「図書館、でよろしいですか。」
「ええ、お願いね。」
そうして、図書館へと向かって馬車は進み出した。
「まぁ、すごい…!」
図書館へと降り立ったエーファは驚嘆の言葉を溢す。図書館は、もう百年以上も同じ場所で建っている。趣のある建物は、エーファの心を揺さぶった。この思いは、領内では感じる事の出来なかった感動的な思いである。
王宮も素晴らしいが、ここはまた違う独特の厳かな雰囲気を醸し出していた。
「趣深いですね…」
ヘラも、言葉を漏らす。
そして、敷地を別に分けられてはいるが隣にある王宮の建物が奥の方に少しだけ見えた。
馬車は、図書館の建物の裏側が広くつくられており停車場にされているようでそちらで待っているとの事だった。
「ヘラ、世の中はたくさん素敵な物があるのね!
さ、行きましょうか。」
エーファは、歩みを進めて図書館の建物の中へと入っていった。
王都までは馬車に乗れば概ね一時間である。ケヴィンは騎乗していったのでもっと早く王都には着くが、エーファは馬車で行くため、着いたら昼前になる。そのため、王都にあるどこかの店で昼ご飯を食べてから図書館へと行く事になった。
「何を食べられますか?」
王都の中心街にある、馬車の乗り降りができる円形の広場で降りたエーファは、共に降り立った侍女ヘラに問われた。
馬車はそこにずっと留めて置いておく事が出来ないためそこから一旦移動せねばならないので、エーファが昼食を食べる間は停車出来る近くの公園の方へと移動していく。御者には軽食が持たされているから少しの間別行動である。一時間ほどしたらまた図書館へ行くべく馬車はここへ戻ってくる。
治安も良く、騎士隊に所属する警備兵も辺りを巡回しているため、侍女と二人で行動するのになんら問題はなかった。
「そうねぇ…」
エーファはこのように出掛けた事は無く、姉や兄たちにお薦めの店を聞いてこればよかったと悩んだ。
「ちょっと歩いてもいい?」
「もちろんです。どちらに向かいましょうか。」
「じゃあ…こっちね。」
メイン通りに沿って行こうと歩みを進める。昼近い時刻であるからか、人は多く行き交っている。とはいえ、道も広く作られていてぶつかる心配は無いが、人酔いしそうなほどだ。
少し先には、青い上下の制服を着た警備兵が二人一組で歩いているのが見えた。
「人が多いのね。」
「そうですね。昼時でもありますし、店も込んでいるかもしれませんね。」
と、すぐ目の前の店の扉が開き、お客が二人出てきた。
「はー美味しかった!ご馳走さま!」
「美味かった!また来るよー。」
「あいよ!またいつでもおいでー!」
店の中からも威勢のいい声が聞こえ、すぐに扉は閉まった。
その時、扉の開閉に合わせて美味しそうな食べ物の匂いが香ってきて、思わずエーファは足を止める。
「何屋さんなのかしら?」
外の看板には、大きめにカトラリーの絵が書いてありその下には小さく〝暖炉亭〟と書かれていた。食べ物屋だろうとは分かるが、どんな品物を提供するのかまでは分からない。けれども、先ほど扉が開いた時に店の中が見えたが、中は結構繁盛しているようだった。
「入ってみますか?」
「そうね。ここにしましょう。」
エーファが初めて、店を選んで入ったのだった。美味しいものだといいな、と心弾ませる。
「いらっしゃいませ!」
威勢のいい、エーファより少し年下だろうか女の子が給仕の服装をしており声を掛けてきた。
「何名様ですか?」
「二人です。」
「では、こちらへどうぞ!」
ヘラが答えると、女の子はそれに頷いて席を案内した。
「今日のお薦めは、鮭のホワイトスープです!
注文が決まったら呼んで下さいね!」
そう言って、女の子は近くのテーブルから声が掛かっていたようですぐにそちらに行った。
「鮭のホワイトスープ、美味しそう!」
「そうですね、エーファ様は魚が好きだから良かったですね。
…他にも、仔牛のレッドスープ、山羊づくしのスープ、というのもあるそうですね。」
机の上にはメニュー表が置いてあり、ヘラはそれを読み上げる。店の中はとても美味しそうな香りが充満しており、昼ご飯には少し早い時間ではあったがエーファもヘラもすでにお腹が空いてきた。
「んーどれも美味しそう!
でもせっかく薦めてくれたんだもの、鮭のホワイトスープにするわ。ヘラは?どうする?」
「私も悩みますがでは同じものにします。
すみませーん!」
「はーい、ただ今!」
ヘラが手を挙げて呼ぶとすぐに注文を受けに先ほどの女の子が来てくれ、厨房へと注文を通してくれた。
「楽しみね、ヘラ!」
「はい。美味しそうな匂いもしてますし、早く食べたいですね!」
本来、身分が違う二人ではあるがヘラはエーファにとってもう一人の姉であり母のような存在である。幼い頃より傍に付いていたヘラは、歳はかなり違うが常に一緒にいるため、ヘラと同じテーブルに付いて食事が出来るとエーファは密かに楽しみにしていた。
ヘラも、恐れ多いとは思っているが遠慮をすればエーファが悲しむのも分かっているため、純粋に楽しもうとしているのだ。
程なくして注文した鮭のホワイトスープと拳より少し大きめの大麦パンが一つ別皿に乗りテーブルへと置かれた。パンはこの昼時には全ての商品についているようだ。彩りの豊かな野菜が入ったスープは食欲をそそる香りを漂わせ、パンからも焼きたてなのか湯気が出ている。
早速、エーファはヘラと顔を見合わせ、ともに食べ始める。味は濃厚でそれでいて素朴で美味しいとヘラと感想を交えながら食べていると近くの席から声が聞こえてきた。大きな声で話しているため、耳を傾けなくても自然とはっきりと聞こえてくる。
「おい、知ってるか!?五日後、騎士隊の見学会があるそうだぞ!」
「見学会!?
…なんだそれ?」
「よく分からんが、興味のある奴は誰でも見に行っていいんだとよ!
騎士隊に転職できたら給料も今よりきっと格段に上がると思うんだ。
なぁ、見に行ってみようぜ?」
「五日後ならちょうど休みだよな。
確かに入隊出来れば、成り上がるチャンスだよな!今日みたいな外食ももっと出来るようになるし。
でもよ、オレらみたいな庶民が行っていいのかよ?」
エーファは、ケヴィンが所属している騎士隊の話が出たと思って、そちらに少しだけ視線を流し見たあとまたヘラへと視線を向ける。と、ヘラもそれに気づいているのかエーファの視線に頷き、彼らの話を聞いているようだった。
二人の男性は、若くて体格もよくエーファと同年代に見えた。作業服を着ていて少し汚れており、昼休憩であるのだろう。
「あぁ、いいらしいぜ。事前申請とかも必要無いみたいだ。広場の掲示板に書いてあったんだ。
当日、王宮の騎士隊の詰め所に直接行けばいいみたいだ。」
「へー!そりゃ楽でいいな!」
エーファは、そんなものがあるんだと聞いていた。
(そういえば、騎士隊は男性ばかりなのよね…って、そこに私も見に行ったとしても男性と知り合えるわけはないわね!)
エーファはなんとなくそう思ったが、そんな軽い気持ちで見に行く人なんていないだろうとすぐに気持ちを切り替え、とりあえず今日は図書館に行くんだったと次なる目的地の事を考え始めるのだった。
食事を終えて店を出ると、ちょうどエーファが乗って来た馬車が先ほど降りた所に進んでくるのが見えた。
「ありがとう、お疲れさま。」
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足元、お気をつけ下さい。」
馬車が到着すると、エーファは御者に労いの言葉を掛ける。と、そう返された。
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そうして、図書館へと向かって馬車は進み出した。
「まぁ、すごい…!」
図書館へと降り立ったエーファは驚嘆の言葉を溢す。図書館は、もう百年以上も同じ場所で建っている。趣のある建物は、エーファの心を揺さぶった。この思いは、領内では感じる事の出来なかった感動的な思いである。
王宮も素晴らしいが、ここはまた違う独特の厳かな雰囲気を醸し出していた。
「趣深いですね…」
ヘラも、言葉を漏らす。
そして、敷地を別に分けられてはいるが隣にある王宮の建物が奥の方に少しだけ見えた。
馬車は、図書館の建物の裏側が広くつくられており停車場にされているようでそちらで待っているとの事だった。
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